土鈴になった日本むかし話

  • 2017.08.10 Thursday
  • 11:31

皆さまこんにちは

京都は古くから沢山の土鈴が作られた土地柄です。

神社仏閣も多く、授与鈴もたくさんありますし、

日本を代表する伏見人形を生み出した地ですから、

意匠を凝らした美しい土鈴も様々あります。


そんな中でもちょっと面白いのが洛趣舎・なかにし制作の日本むかし話シリーズです。

何年か前のブログでも取り上げましたが

今回はインスタグラムでご紹介した記事をまとめてみました。

「むかしむかし〜」で始まるお伽話の一場面を土鈴にして再現してあります。
童心に帰ってむかし話を懐かしく思い出してください。




むかし話シリーズ最初は瘤とり爺さんです。

雨宿りをしていて偶然鬼の酒盛りを見て、ついつい浮かれて踊りだした踊り上手の瘤爺さん。

鬼にまた来いよ!と瘤を質草に取られ大喜びです。

それを羨ましく思ったもう1人の瘤爺さん。

恐る恐る鬼の酒盛りに行って踊りましたが踊り下手です。

もう来るな!と瘤を返され両頬に瘤を持つハメに。

でも、この瘤爺さん、すごく気の毒に思えます。






さるかに合戦です。

お話の筋書は因果応報、自分で蒔いた種ということです。

このむかし話で、私が知らなかった事がありました。

渋柿を投げつけられたカニは子供を産んでから死んでしまい、

その子ガニが母の敵討ちをしたとは知りませんでした。

子ガニを手伝ったのが、栗どん、蜂どん、臼どんは知っていましたが、

なんと牛糞どんも仲間で慌てた猿を滑って転ばせる役割だったとか。

そこに臼どんが屋根から飛び降り猿は圧死してしまったというお話でした。

猿はごめんなさいと謝って許されたと思っていました。

まさに因果応報ですね。
 

 









舌切り雀です。どんなお話かは言うまでもなくよく知られたお話です。

むかし話には優しいお爺さんと強欲なお婆さんと言う設定が多い気がします。

逆でもいいのに、とも思いますが、雀のおチョンが愛らしい女の子なので、

お婆さんにはヤキモチ焼きの悪役が回ってきたのかと納得します。

つづらの大小も、強欲と言えばそれまでですが、

何か貰えるなら良いものが欲しいと言う誰にでもある欲望のひとつかな、とも思います。

お爺さんは重いつづらを運ぶのが面倒だったけど、

お婆さんは頑張って担いでお爺さんの待つ家に帰ろうとしたのかも…

と妙にお婆さん贔屓なのは、私も大きなつづらを選びそうだからです。


 

 




童謡にもなっている一寸法師です。

御伽草子の話が元になって伝えられた有名なむかし話ですね。

しかしこんな怖いお話も……

一寸は約3センチ、老父母はちっとも大きくならない息子を気味悪がったので

一寸法師は家出をし、京の宰相の屋敷に入り込み、その娘に一目惚れしました。

しかし相手にされないので悪巧みをします。

寝ている娘の口元にお供えの米を散らかし、空袋を手にわんわん泣き真似をして、

大事な蓄えの米を娘に盗られたと騒ぎました。

宰相殿は娘を罰しようとし、一寸法師は娘と一緒にお屋敷を出ました。

2人で彷徨って流れ着いた気味の悪い島は鬼だらけ。

一寸法師は鬼の目に入り込んで針の刀でチクチク刺して鬼を退治し、

鬼の忘れた打ち出の小槌で大きな身体になりました。

「えっ、一寸法師、悪い奴じゃん??」って思いました。
 

 

 





かちかち山です。

かちかち山のモデルは山梨県の天上山、

ウサギが木舟、タヌキが泥舟を漕いで、

タヌキが沈んでいった場所が河口湖だと言われているそうです。

カチカチ山ロープウェイなる観光施設もあるそうです。

むかし話はサラッと話してしまうとただのお話ですが、実は残酷なお話が多いようです。

カチカチ山も、お爺さんは捕らえたタヌキをタヌキ汁にするようお婆さんに言いつけ、

タヌキはお婆さんを騙してババア汁(失礼?)をお爺さんに食べさせます。

ウサギも敵討ちとはいえ、大火傷を負わせ、傷口に辛子を塗りつけ、

最後は泥舟に乗せて溺死させてしまいます。

幼な子に話すには残酷なお話かもしれませんね。
 

 

 





狐の嫁入りです。

ネズミの嫁入りは知っていましたが、狐の嫁入り知りませんでした。

昔、日照りに苦しむ村人は龍神に生け贄を差し出して雨乞をしようと決めましたが、

誰も自分の娘は出したくありません。

そこで狐の村の村長を騙し、

働き者の竹蔵に娘に化けた狐を嫁入りさせようと持ちかけました。

狐村長の娘お紺は綺麗な娘の姿で嫁いできました。

竹蔵は綺麗なお紺が愛おしくなり、これは生け贄の罠だと告白しましたが、

お紺は薄々知っていたが前から竹蔵が好きだったから承知で来たと告げます。

雨乞の祝詞が済むと龍神が現れお紺を大池の中へ連れ去ってしまいました。

陽が差しているのに辺りには大粒の雨が降り竹蔵は悲しく生涯を送ったそうです。

お紺はもちろん竹蔵も可哀想です。

 

昔話とか童話とかには恐ろしい要素も入っていて

因果応報の教えが込められている場合が多いようです。

 

 

 

迷惑台風5号は各地に被害を及ぼして北上しました。

その影響もあるのでしょうか、

各地でスーパー猛暑と呼ばれる37度超えの厳しい暑さになっています。

 

水分補給と適度な冷房、十分な睡眠とお食事を心がけて

楽しい連休をお過ごしくださいませ。

 

  日本土鈴館

 

 

伝統こけし・遠刈田系

  • 2017.08.07 Monday
  • 11:15

皆さま、こんにちは

何日も迷走していた台風5号が日本を縦断しようとしています。

すでに深刻な被害も出ていて

これからも心配な状況が続きます。

どうぞ皆さま、充分ご注意くださいませ。

今日は土鈴館も戸締り等の確認が済み次第休館とさせていただきます。


 

 

さて、遠刈田系の伝統こけしのご紹介です。

 

宮城県遠刈田温泉を中心に作られています。

胴は円柱形で首のところで細くなります。

頭は胴に対して大きめで、頭頂に放射状の模様が描かれます。

胴模様にはかさね菊が描かれることが多く、

他には木目、桜くずし、梅などがあるそうです。

差し込み式の構造になっています。

 





大森久一工人 作(1尺)

昭和7年生まれの工人の作品です。

円柱形の胴、大きめの頭、頭頂部の模様、かさね菊…

遠刈田系の特徴がよくわかります。

大森工人は昭和40年頃から伝統こけしを本格的に作り、

佐藤吉弥・哲郎親子の作風をしっかり伝承されたとの解説をよみました。

素人目にも、こけしらしいこけしだなあと思います。





佐藤勝洋工人 作(8寸)

昭和19年生まれの工人さんです。

師匠であり父である佐藤護工人の型を写したとの解説を読みましたが

似てるようでちょっと違うような…

大きく弧を描く眉と目、すごく離れていて愛嬌があり、優しい表情に見えます。





小笠原義雄工人 作(1尺)

昭和11年生れの工人さん44歳の作品です。

墨の濃淡だけで彩色され、ただ一点、唇が朱色で描かれていて引き立ちます。

赤や緑、黒で華やかに彩色されたこけしもいいですが

このようにまるで墨絵のように描かれたこけしも味わいがあります。

 

 

 

 

 

 

与名本豊工人 作(6寸)

昭和9年生まれの工人さんです。

佐藤吉之助工人のお弟子さんの一人です。

胴より大きめに頭、頭頂部の赤い放射状の模様、

円柱形の胴とかさね菊の胴模様。

素人の私にもわかりやすいです。

 

 

 

 




佐藤照雄工人 作(4寸5分)
大正8年生まれの工人さんです。師匠は佐藤静助工人です。

緑の葉が褪色していますが、

裾に描かれた一輪の梅やお顔、襟元などは鮮やかに残っています。

 

 

 

 

 




佐藤三蔵工人 作(4寸5分)
大正14年生まれの工人さんで、先の照雄工人の弟さんです。

三蔵工人は父豊治工人を師匠として修行しました。

豊治型と言われる師匠の型の復元に力を注ぎました。

兄弟の同寸、ともに古型のこけしの見比べも興味深いものです。

 

 

 

 

 

 

今日は遠刈田系の伝統こけしをご紹介しました。

 

 

華やかな感じがするこけしが多かったように思います。

 

  日本土鈴館

 

山形の土鈴と8月のお知らせ

  • 2017.08.02 Wednesday
  • 12:14

皆さま、こんにちは

もう8月、ずいぶん早く一年が過ぎていくような気がします。

 

先日は多くの皆様に極上!お宝サロンを観て頂きましたが、

同じくBSジャパンの「空から日本を見てみようPLUS]さんからご連絡を頂きました。

この番組は、雲になったような気分で日本全国を空から訪れ、

気になったところを発見し、なぞ解きをしていくという空撮地理番組だそうです。

ナレーションは「くもじい」こと伊武雅刀さんと「くもみ」こと柳原可奈子さんです。

 

8月10日(木)と17日(木)の21:00〜21:55に

2週にわたって岐阜県関市〜美濃市〜郡上市〜白川村を特集するそうです。

 

今回はメールでの簡単な打ち合わせや資料写真の提供のみでしたから

ほんの一瞬の紹介と思いますが、一応ご報告いたします。

この機会に岐阜県の観光スポットを雲になってご覧いただくのも楽しいかと存じます。


 

 

 


さて、今日ご紹介するのは山形の土鈴です。

      

ちょっと見たら不思議な土鈴ですね。

秋之野窯のはんこたんな鈴といいます。

お宝サロンでも紹介されていましたね。

庄内平野に広がる豊かな田畑で働く女性達は、

昔から日よけや虫よけなどの為にすっぽりと黒い布で顔を覆い、

目だけを出して農作業をする風習がありました。

単純な形、彩色ですが山形の風土から生まれた土鈴です。

 

 



    

髪に一輪の花・紅花を挿した紅花娘鈴です。秋之野窯の土鈴です。

紅花は山形県の県花で、古くから生薬や紅花油、化粧品などに利用されてきました。

素朴な土鈴です。

 

 



     

紅花の山形路土鈴にも、紅花娘が描かれています。

実は山形は土鈴の少ない地域の為ご紹介する土鈴があまり多くありませんでした。

 

 

 

夏休みや帰省などお出かけの多くなる季節です。

今年から土鈴館は不定休となりましたので

開館しているかどうかなど電話でお確かめくださいますようお願いいたします。

   TEL:0575−82−5090

  (8月11日から17日までメールでの応対ができません)

 

また、日本土鈴館は入場無料としていますが

全国の土鈴や郷土玩具などは以前のように販売いたしております。

ご来館の思い出にお求め頂ければと存じます。

     日本土鈴館

 

伝統こけし・作並系

  • 2017.07.28 Friday
  • 10:47

皆さま、こんにちは


今日は作並系の伝統こけしをご紹介します。

 

ここでは山形作並系(山形系と作並系に分ける場合もあります)を作並系とします。

宮城県の作並温泉や山形市で作られる伝統こけしです。

ちょっと見たところ遠刈田系のようですが、一般に胴が細くなっています。

頭部には輪のようになった赤い飾りと黒髪が描かれます。

胴模様は、作並は菊、山形は梅が描かれることが多いそうです。

差し込み式の構造になっています。

 

 

 

 

平賀謙次郎工人 作(6寸)

大正7年生れの工人さんで50歳の時の作品です。

師匠であり父の謙蔵工人の型を再現したものとのことです。

胴模様の緑が抜けて残念ですが、

やや下がり気味の目尻や小さな口がお顔の輪郭に合っていて優しい感じがします







武田正志工人 作(8寸・1尺2寸)

昭和5年生れの工人さんです。

胴模様よ〜く見て下さい。

梅の花が三輪、周りに松の枝や竹の葉が描かれ

そして梅の花の花芯には上から「松・竹・梅」の文字があります。

胴模様は松竹梅のおめでたいデザインになっています。

洒落ていますね!

 

 

 

 

 

小林清次郎工人 作(7寸5分)

大正7年生まれの工人さんです。山形系を代表する工人のお一人です。

木地挽きを家業とする小林家に生まれ、

戦後特に古作の復元に力を注いだ工人さんです。

2015年98歳でお亡くなりになりました。

 

 




 

阿部正義工人 作(7寸)

昭和14年生まれの山形系の工人さんです。

師匠は小林清次郎工人です。

頭頂の模様、目鼻の描き方など先の小林工人の作品と見比べると面白いですね。





 

鈴木昭二工人 作(8寸)

木地業の家に生まれた昭二工人は父の清工人のもとで修業しました。

戦後しばら新型こけしを作っていましたが

昭和30年ごろから伝統こけしの製作を始めました。

昭二工人の三男明工人も同じように父に倣って木地を学び

鈴木清・昭二・明と系統が伝承されているそうです。

 

 

伝統こけしは奥が深いだけにハマると大変そうです.

蒸し暑い日々ですが、皆様どうぞご自愛くださいませ。

 

 

   日本土鈴館

郷土玩具と牛

  • 2017.07.24 Monday
  • 13:15

皆さま こんにちは

 

昨晩のBSジャパン「極上!お宝サロン」を多くの方々にご覧頂き

またたくさんのご連絡をお寄せ頂きまして

誠にありがとうございました。

 

土鈴館での撮影や東京のスタジオでの収録などを重ねましたが

実際どのように編集され放送されるのか、館長も気になっていたようです。

 

実際に拝見して、長く時間をとって頂いていたことや

コレクターとしての館長の思いや情熱がそのまま伝えられていたことなど

本当にありがたく嬉しく思っています。

 

皆さまから寄せられるコメントやメールで

益々館長も元気に、毎日館内を歩き回ると存じます。

本当にありがとうございました。感謝いたします。



 


さて、今日は牛に絞って日本各地の土鈴や郷土玩具を巡ってみたいと思います。



出雲今市土人形・島根 牛乗り天神です。

天神様と牛は切っても切れない関係ですね。

出雲張子の牛乗り天神は今市人形の古い型を利用して作られるので

重厚で気品あるものとなっているそうです。写真はは張子ではなく土人形です。

 

 

 





岩手花巻土人形・ 平賀章一さんの寝牛土鈴です。

平賀さん特有の花模様で飾られて可愛らしい寝牛です。

平賀さんが亡くなられてからは奥様が後を継がれているそうです。

 

 

 

 

 

 




福島 会津張子の赤べこです。

写真の大きな赤べこの腹には旧型と覚書のシールが貼ってありました。

背中の線の色や数、ツノの形や胴のまる模様など、

微妙に違いがありますがどちらも首振りの赤べこです。

 

 

 

 




花巻の黄金牛です。

岩手 南部地方は以前金が盛んに採掘されていました。

お大尽が砂金で牛を作って家宝にしたという逸話を元に作られた木製の郷土玩具です。

昭和36年の年賀切手のモデルになりました。

 

 

 



 

愛媛宇和島の横綱牛です。

闘牛は宇和島に古くから伝わる文化です。

元々は農耕用に強い牛が必要で牛の角突きをさせていました。

小さな農村にもそれぞれ闘牛場が設けられていたそうです。

戦後は観光のお土産として堂々とした立派な黒牛が作られるようになりました。

直截的な体躯に太い紅白の胴飾りが映えます。






 

岩手・花巻の俵牛です。

花巻地方では昔から豊作の年には牛の背に錦の鞍を置き

米俵3俵を乗せてお祝いし、天皇家に献上する習わしがあったそうです。

刈り入れ前に藁で牛を作り神前に供えて豊作を祈願しました。

昭和の初め頃から縁起物のお土産として人気がありました。

 

 






沖縄張り子の首振りの牛です。

沖縄張子はかつて50種ほどの人形やお面があったそうですが、

戦災で殆ど焼失してしまいました。

昭和30年代に一部が復活しました。

特徴的な彩色が施され、 南の国を感じさせるゆったりした牛の張り子です。

 

 






岡山・作州牛です。竹で出来た首振りの牛です。

作州牛は中国地方の山間部で飼育される力強い牛です。

竹細工で単純な作りの郷土玩具ですが竹材の特質をよく利用した美しい牛です。
昭和60年記念切手のモデルになりました。

 

 

日本中にある牛の郷土玩具、いかがでしたか。

身近にあるもので大切な牛の人形を作って愛おしんできたことがよくわかりました。

農民にとって家族同然だった牛、

天神様の御使いとして時に信仰の対象ともなった牛の郷土玩具のご紹介でした。

 

  日本土鈴館

伝統こけし・南部系

  • 2017.07.19 Wednesday
  • 09:40

皆さまこんにちは


今度の日曜日、極上!お宝サロンの放送日です。

どんな編集になっているのか楽しみです。

BSジャパン(7チャンネル)21:00〜21:54です。




収録が済みホッとしたところでの記念撮影です。

 

 

 

 


さて、今日は伝統こけし・南部系のご紹介です。

盛岡市や花巻市を中心とした地域で作られます。

 

頭は比較的小さく、胴は直胴、くびれ、中央のふくらんだものなと様々です。
元々は顔や胴模様を描かず白木(アオハダなどの良材)を使い、

はめ込み式で頭がくらくら動きます。

キナキナとかキックラボッコなどと呼ばれます。
鳴子や遠刈田の影響を受け、描彩されるようになりました。







左:花巻・煤孫実太郎工人(明治41年生まれ) 作(6寸)

右:煤孫盛造工人(昭和25年生まれ) 作(6寸)
白の帯付きキナキナです。

幼子の手に合うよう胴が中央でくびれて細くなっています。

頭はグラグラと動いておもちゃとして遊べます。

お二人は父子であり師匠と弟子でもあります。

父の実太郎工人はその父茂吉工人の弟子でした。

実太郎工人は茂吉工人の型を忠実に継承し盛造工人につなぎました。









佐藤長雄工人 作(9寸5分)大正15年うまれ。
黒いキナキナです。持って遊ぶには大きいので観賞用です。

長雄工人は花巻で工房を構えていましたが

鳴子系や遠刈田系の師匠についたため作品は純粋な南部系ではないとのことです。

花巻で遠刈田系の絵付けをし、頭はグラグラと動く独特のこけしを作ったそうです。




   

 

どちらも昭和8年生まれ、佐々木家9代目の佐々木覚平工人の作品です。

1尺と1尺2寸の大きなものです。

キナキナに轆轤線や胴模様が入っています。

ご先祖は花巻城家老職の家柄だそうです。

佐々木家に伝わる古作の復元に努め古い型のこけしを作られました。

残念ながら緑の褪色が進んでいます。

 

 




 

佐藤誠工人 作(6寸)

明治33年生まれの工人さんです。

本来弥治郎系の工人さんとされますが、花巻時代に作られたこけしです。






 

佐藤忠雄工人 作(8寸)

昭和14年生まれの工人さんです。

特徴的なお顔のこけしです。

頭はキナキナ式の嵌め込みになっています。

絵付けには遠刈田系の影響が良く出ているそうです。

 




 

松本鶴治工人 作 (5寸)

大正11年京都生まれの工人さんです。

花巻に移り住んでこけしの製作をされました。

その作風は個性的で(このこけしは違いますが)

クレオパトラ型などと呼ばれる絵付けをしました。

白くきめ細かいアオハダを使い頭はキナキナ式ですから南部系とされます。

底の署名は必ず「松鶴」と書かれました。







高橋金三工人 作(6寸)

大正12年生まれの工人さんです。

キナキナ式の頭で首がぐらぐら動きます。

ちょっと上目遣いで澄ました表情ですが、

頭部の彩色も胴模様も華やかなこけしです。

 

 

南部系のこけしの原点はキナキナにあるようです。

そして本来幼子のおしゃぶりとして作られた小さなキナキナが

大きくなったり彩色されたりしてこけしになっていったようです。

こけしって奥が深いですね。

 

   日本土鈴館

 

 

 

 

 

 

 

インスタより「群馬の土鈴」

  • 2017.07.14 Friday
  • 12:38

皆さま、こんにちは

 

九州地方を襲った集中豪雨で甚大な被害が出ています。

災害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

一日も早く元の日常が戻りますように!

 

 



今日は群馬の土鈴のご紹介致します。





高崎と言えばだるま。

高崎だるまは生産量が日本一だそうです。

また観音山には高さが40メートルを超える白衣大観音が建立されています。

その観音山で昭和40年からお土産のお店をされていた長谷川元吉さんが

観音山の土を使って作っただるま土鈴と観音土鈴です。

どれも素焼きの土鈴で、丁寧な作りは高崎だるまや大観音の良さを充分に伝えています。

長谷川さんが亡くなられ今はお店も閉じられたとのことです。
 

 

 

 





高崎市の会田野生さんの土鈴です。

会田さんの土鈴は殆ど着色せず、深いチョコレート色や黒っぽい青銅色に仕上げてあります。

磨きをかけた黒っぽい仕上げには生命の強さと破邪の願いが込められているそうです。

左下の渡里伎羅(とりぎら)土鈴は正倉院宝物の伎楽面のひとつを土鈴に仕立てたものです。

故人の冥福を祈り悪魔退散の願いが込められているそうです。






会田野生さんの道祖神土鈴です。

道祖神は塞(さえ)の神、障(さわり)の神、岐(くなと)の神などとも呼ばれ、

邪悪な災いが暮らしの中に入り込むのを防いでくれる神々への民間信仰だそうです。

元々の日本の民間信仰に中国から伝わった道祖神信仰が結びつき融合しあって、

日本各地の道や辻、村々の境にたくさんの道祖神が置かれました。

一番たくさんの道祖神に会える場所は安曇野で500体の道祖神があるそうです。






こちらもまた会田野生さんの道祖神土鈴です。

道祖神は日本の各地に建てられている路傍の神々です。

村の入り口や道の辻、三叉路、あるいは村の中心に建てられた石像で、

古くは村の守り神、子孫繁栄の神として、

次第に旅の安全を祈る神として信仰されてきました。

展示ケースに何十個と並ぶ会田野生さんの道祖神土鈴から「祈り」が伝わってきます。

 

   日本土鈴館


 

伝統こけし・弥治郎系

  • 2017.07.11 Tuesday
  • 09:23

皆さま、こんにちは


今日は宮城県白石市弥治郎地区に伝わる弥治郎系のご紹介です。

弥治郎こけしの胴は直胴か中央が少しくびれた形をしています。
胴模様は太めの轆轤線に簡単な襟、裾、袖などが手描きで施されます。
頭は胴よりやや大きめで、頭頂に何本も轆轤線を入れて、

まるでベレー帽を被っているような姿になります。
差し込み式の構造になっています。
 

 





林重吉工人 作(7寸)

大正9年生まれで平成の初め頃まで活躍された工人さんの作品です。

可愛いこけしだなぁ〜と思います。

華やかな絵付や少しくびれた胴は師匠佐藤伝喜工人の作風をよく伝えているそうです。

残念ながら後継のお弟子さんはいません。
 

 

 

 





新山学工人 作(8.5寸)

こけし棚に可愛らしいこけしみつけました。

昭和5年生まれの工人さんです。

母方の祖父新山栄五郎の型を伝えていると解説書にあります。

髷やお顔がすごく可愛らしいです。

ご子息・実工人と親子で製作に励まれているそうです
 

 

 

 

 




新山民夫工人 作(3寸)

昭和34年生まれ、白石市で新山民夫こけし店を営んでいらっしゃいます。

「こけしは忠実に受け継ぎ素朴さの中にも可愛いこけしを作りたい」

との言葉通り、可憐で愛らしいこけしです。

 

 

 

 





武田憲雄工人 作(5寸5分) 昭和7年生まれの工人さんです。

昭和30年頃は近代こけし作りに従事していましたが、

昭和45年新山左内工人に師事されたそうです。

襟元や裾、轆轤線で描く帯、前髪や目鼻など、師匠の作風を良く受け継いでいるそうです。

このこけしは、ツヤツヤの色黒ちゃんです。
 

 

 

 

 




佐藤美奈雄工人 作(3寸)

日本土鈴館のこけしには新しいものがほとんどなく、

かつては色白だったこけしもあめ色に変わっています。

その中にサンタンこけしとでも呼びたくなる様なこけしがあります。

梨材で作られたものは独特の褐色になるのだそうで、

佐藤美奈雄工人の梨材の作品が同寸で10本ほど並んでいました。

 

 

 

 





鎌田孝市工人 作(6寸)

師匠である父は鎌田文市工人、母はさくよ工人。

大正14年生まれの工人さんの闇夜(やみよ)です。

胴に2個の輪が通っています。

胴を削り出すと同時に胴に輪をくり抜く技法です。

「闇夜は暗くて抜け出せない」ところから、

絶対に抜けない輪を付けたこけしを闇夜と呼ぶそうです。

闇夜を作る技術の高さに驚きます。

 

 

 

 





蔦 衛工人 作(7寸) 昭和3年生れの工人さんです。

こけしがいつ頃のものかは分かりません。

髷とお顔がよく合っていると思います。

三角の黒目がちな目元と赤いほっぺ、前掛けをつけたような胴模様が可愛いです。

 

 

今日は何本か弥治郎系をご紹介しましたが

弥治郎系のこけしが可愛らしくていいなあと思いました。

 

  日本土鈴館

 

 

 

インスタより・宮城の土鈴

  • 2017.07.07 Friday
  • 09:49

皆様、こんにちは

 

今日は七夕ですね。

七夕と言えば仙台七夕まつりが歴史も古く有名です。

実際のお祭りは8月に催され、200万人のお客様が集まるそうです。

さて、そんな七夕の日にふさわしく今日は宮城の土鈴をご紹介します。

 

 

 


宮城の郷土玩具と言えば堤土人形です。

岩手の花巻人形、山形の相良人形と並んで東北三大土人形に数えられますが、

もっと広げて日本三大土人形(伏見・古賀・堤)のひとつでもあります。




堤土人形師、芳賀強さんの玉鈴です。

江戸時代から伝わる堤人形の特徴は赤色にあると言われます。

江戸時代、鎖国政策で入手困難な蘇芳という海外の染料を使って赤色を表現しました。

京都の伏見人形と共に日本各地の土人形に大きな影響を及ぼしてきました。






芳賀強さんの鯛くわえ猫土鈴です。

鯛の赤色が美しい堤土人形らしい作品です。

赤い鯛に引かれた金色のウロコが上品な豪華さを出しています。

猫の満足気な表情がいいですね〜。

白い猫にも背中に可愛い花模様が描かれています。

玉鈴にも描かれていたこの小花模様が芳賀さんのの象徴的な絵柄です。

 

 

 

 

 

同じく堤焼の姫達磨です。つつみのおひなっこやさんの作品です。

払子(ほっす)を持って瞑想しているかのようなお顔です。

堤焼の赤が前面に出た作品です。

 

 

 

 

 

柿の実にかじりつくネズミが可愛いですね。

こちらもつつみのおひなっこやさんの作品です。

柿の実の光沢が堤焼の美しさをよく表しています。

 

 

 





まさる守土鈴です。

東京赤坂の日枝神社の授与鈴ですが、堤人形で作られています。

猿は日枝神社にお祀りされている神様の使いとされています。

また、「魔が去る」とか「何事にも勝る」などの意味から

縁起物として授与されることが多いです。

お母さん猿は赤ちゃんを抱きしめ、

神主さんのようなお父さん猿が寄り添います。

縁結び、安産祈願、家内安全のご利益をもたらしてくれます。






岩沼市にある竹駒神社で以前授与されていた芳賀さんの宝珠土鈴です。

竹駒神社は竹駒稲荷とも呼ばれ、

日本三大稲荷に数えられるほどの大きく立派な神社だそうです。

芳賀さんの宝珠が現在も授与されているかどうかはわかりません。

金と朱色の如何にも御利益の有りそうな豪華な彩色で、

小さな鈴ですが存在感があります。

 




 

つつみのおひなっこやさんのおめでたい土鈴です。

雪うさぎには「福」と「寿」が朱書きされています。

 

 

宮城の土鈴は堤焼の一言に尽きるようです。

 

   日本土鈴館

 

 

伝統こけし・津軽系

  • 2017.07.03 Monday
  • 09:45

 

皆さま、こんにちは


今日は津軽系と言われる伝統こけしのご紹介です。

青森県温湯温泉や大鰐温泉で作られています。
頭と胴を一本の木から作る作り付け式構造です。
頭はやや小さめ、黒いおかっぱ頭が多いようです。
特徴的な胴模様として、ねぶたのダルマ絵を描いたり、

アイヌ式の模様を描いたりしたものもあります。



  

どちらも長谷川健三工人の作品で大きさも1尺です。

真っ黒なおかっぱ、四角っぽい大きめの顔、太い眉、

そしてがっしりした胴…たくましい感じがします。

胴模様かポピーのこけしは赤い帯が背中で結ばれ垂れている姿も可愛いです
胴模様はあやめ(カキツバタかも?)で涼しげです。

紫や緑の色かはっきりしたらもっと素敵なのに…

ガラス棚の中でもどんどん退色が進んでしまいますね。

 

 



 

右: 8寸 村元文雄 工人 作

左: 6寸 奥瀬鉄則 工人 作

可愛らしいお顔の胴模様に凛々しい達磨絵

このギャップが津軽系こけしの魅力のひとつですね。

ねぶた祭の達磨がこけしにも描かれます。


 

 

 




村元文雄工人 作(6寸)

昭和6年生れの工人さんです。先の達磨絵の工人さんですね。

胴模様に描かれたツルのような模様は、

師匠の毛利専蔵工人が描いていたというアイヌ模様でしょうか。

殆どを墨で描き、口と襟元にのみ朱を入れて個性的な作品だと感じました。

優しいお顔のこけしです。

 

 





左:   阿保六知秀工人 作(8寸)
右:   笹本淳一工人 作(8寸)
阿保工人は昭和25年生まれ、笹本工人は昭和29年生まれで、

お二人とも師匠は佐藤善二工人です。

胴模様の牡丹は津軽藩の家紋で伝統的な温湯こけしです。

 

 

 





間宮正男工人 作(6寸)
大正10年生まれ、大鰐温泉の工人さんです。

胴の形も胴模様も独特です。

何かをじっと見ているようなまなざしが印象的です。

 

こけしって奥が深そうですね。

   日本土鈴館

 

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