組物の土人形

  • 2019.05.21 Tuesday
  • 10:18

皆さまこんにちは


歌舞伎はお好きですか?
私はテレビで観ることはたまに有っても

劇場に出かけて観劇する機会は残念ながらほとんどありません。
歌舞伎は話の筋はもちろん、その背景や歌舞伎の世界の決まりごとなど

知識が無いと理解の難しい伝統芸術ですね。

しかし昔は今のように格式の高い芸術ではなく庶民の最大娯楽、お楽しみだったようです。

傾く(かぶく)やかぶき者という言葉が表す派手な衣装を着けた奇抜な踊りが好まれ、

それを取り入れたかぶき踊りが歌舞伎として大流行し

現代まで伝統を守って受け継がれているそうです。



庶民の楽しみが限られている昔、歌舞伎の人気は絶大だったようで、

名場面を切り取った土人形も好んで買われたようです。

 

 

 

 





 

 

犬山土人形の「曽我の対面」です。

鎌倉時代の曽我兄弟による仇討を題材にした歌舞伎の演目です。

左が曽我五郎、右が曽我十郎です。

親の仇・工藤祐経と対面して盃を受ける時

五郎が「親の仇!」と工藤祐経に襲い掛かろうとするのを

兄の十郎が「粗相のないように」とたしなめる名場面です。

江戸歌舞伎で大変人気のあった演目だそうです。

 

 

 

 

 

 






 

本朝二十四孝、武田勝頼と長尾家の八重垣姫です。

長尾家が武田家から借りた家宝の兜を返さないことから両家が争っていました。

両家の争いを解決するため勝頼と八重垣姫は婚約しましたが

なかなか兜が返されず、兜を取り戻すべく変装をして長尾家に勝頼が忍び込みます。

ところが変装を見破った長尾謙信は勝頼を殺すため遠方に使いに出します。

このたくらみを知った八重垣姫は家宝の兜をもって勝頼のあとを追いかけます。

兜を持った八重垣姫に諏訪神社の神の遣いである狐の霊力が乗り移って

凍り付いた諏訪湖を一気に渡り切ったというお話です。

写真は岐阜・市原土人形(瑞浪土人形)の作品です。

 

 

 


土人形の組物は歌舞伎の場面だけでなく歴史上の人物なども人気があります。
 







 

 

三河大浜土人形・桶狭間の合戦です。

左が織田信長、右が今川義元です。

江戸時代中期に書かれた読本「絵本太閤記」は豊臣秀吉の出世物語を

さし絵を交えて出版した読み物で大評判になったそうです。

その人気にあやかって人形浄瑠璃や歌舞伎でも太閤記は扱われるようになったようです。

その中にはたくさんのお話が含まれていますが

木下藤吉郎として信長に仕える姿も多くの物語になっているそうです。

歴史的にも意味深い桶狭間の合戦は土人形の題材としても人気がありました。

 

 

 

組物になっている土人形はまだまだたくさんあります.

最近館長がお人形を展示ケースから取り出して整理をしています。

整理がもう少し進みましたらまたご紹介させていただきます。

 

日本土鈴館

 

八日堂の蘇民将来

  • 2019.05.13 Monday
  • 11:57

皆さまこんにちは


蘇民将来と呼ばれる信仰玩具があります。その起源は遠く室町時代に遡るようです。
信濃国分寺の八日堂縁日に頒布される蘇民将来符は特に有名です。

信濃国分寺は毎月8日に鎮護国家のお経が読まれることから八日堂と呼ばれるようになり
毎年1月8日の縁日には蘇民将来符を求める多くの参詣者で賑わうそうです。





八日堂の蘇民将来符はドロヤナギの木で六角錐の形に作られています。
頭頂の笠と呼ばれる部分は三角形が6個並んだ形になっていて魔除けの模様となっています。
笠の下のアミと呼ばれる網状の模様は災いを睨み返す目を表しているそうです。

頭頂と胴の間の模様は松の葉と呼ばれお正月の松飾りを表します。

護符には「大福・長者・蘇民・将来・子孫・人也」と二文字ずつ墨と朱で書き分けられています。

文字の下の模様はオビといい注連縄を表現しています。
下半分に大きく描かれた魚のような模様もアミと呼ばれ、

山伏が呪文を唱えて九字を切る作法を絵に描いたものだそうです。

 

 





 

 

また、八日堂には古くから蘇民講と呼ばれる護符作りに携わる人々の組織があり

蘇民講の家々ではその家に伝えられる独特の七福神を描いた絵蘇民を作ります。

1月7日にはその絵蘇民を国分寺に持ち寄りご本尊のご祈祷を受けてから

翌8日の朝、参詣者に頒布するそうです。

写真の絵蘇民は昭和3年の縁日に頒布されたものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは埼玉県・竹寺の蘇民将来です。

基本的に八日堂の蘇民将来によく似た形になっています。

八日堂の形が日本の多くの地域に広がって広く信仰の対象となりました。

こちらはミズキの木を削って作られ「牛頭天王」の焼き印が押されています。

 

牛頭天王は竹寺のご本尊です。

牛頭天王は蘇民将来信仰の起源とされる神様で元々はインドの祇園精舎の守護神だそうです。

 

 

 

 

 




 

こちらは山形・笹野観音堂の蘇民将来です。

柳の木で作られるこの蘇民将来は柱状で頭頂は扁平、卍の書き込みがあります。

同じく六角形ですがやや末広がりの形をしています。

 

 

 

 




 

こちらは笹野一刀彫・辰五郎さんの蘇民将来です。

頭頂には★印が描かれています。

柳の木を八角形に切り出してそれぞれの面に「蘇民将来乃子孫也」と書かれています。

色も鮮やかで、笹野一刀彫の雰囲気が漂っています。
 

 





 

京都・八坂神社の蘇民将来は八角形をしています。

中心部に穴が貫通していて撚りをかけた麻ひもが通されています。

書かれているのは「蘇民将来乃子孫也」です。

 

 

これらのほかにもたくさんの蘇民将来符が各地にあります。

紙製の護符や板状の護符もありそれぞれ厄除けや家内安全を祈って飾られます。

 

 

 

今回は上田市立信濃国分寺資料館の「蘇民将来符」を参考にさせて頂きました。

 

日本土鈴館

 

 

端午の節句

  • 2019.05.05 Sunday
  • 07:46

皆さまこんにちは

 

今日は端午の節句にまつわる郷土玩具をご紹介します。
お雛祭りに対して男の子のお祝いとして五月五日は端午の節句をお祝いします。

端午の節句を遡ると奈良時代の「五月忌み」に辿り着くそうです。

実はこれは早乙女と呼ばれる田植えをする娘が

稲の神様に豊穣を祈願する為に執り行うしきたりでした。
邪気を祓うといわれる菖蒲と蓬を軒につるして身を清めてから田植えをしたそうです。


そのような風習がある日本に中国の風習や言い伝えが入ってきました。
それは、昔々の中国、楚の国の屈原という人の話です。

楚の王に仕える屈原は人望がある家臣でしたがある時罠にはまり失脚してしまいます。

絶望した屈原は5月5日に川に身を投げてしまいます。

楚の国の人々は屈原の死を悲しみ、

太鼓を打ち鳴らしながらちまきを川に投げ入れ

屈原の遺体が魚に食べられないようにしました。


また、昔の中国では5月に悪い病気が流行りたくさんの死者が出ることから

特に5が重なる5月5日は悪日とされ、

人々は厄除けの為菖蒲を軒に吊るし、菖蒲酒を飲む習わしがありました。

このような話が奈良時代に日本に伝わり、早乙女の五月忌みと融合しました。

時代が進み武士が台頭してくるにつれ、菖蒲は尚武につながるとして縁起が担がれ、

さらに江戸幕府によって端午の節句が公的な行事として行われるようになり、

男の子の立身出世、厄除け、招福のお祝いとして広く庶民にも広がったそうです。

 

 

 

 

 

前置きが長くなってしまいました。


 

兵庫・葛畑人形の鉞金太郎です。

力強く堂々とした金太郎は端午の節句には欠かせないお人形です。

葛畑人形は江戸時代から代々前田家に伝わる郷土玩具で

写真は4代目・前田俊夫さんの作品です。

精力的に土人形を制作された4代目が昭和の終わりに亡くなられ

この魅力的な郷土玩具は残念ながら廃絶してしまいました。





 

こちらの金太郎は長崎・古賀人形の熊金です。

鉞を振りかぶり熊を踏みつける勇ましく力強い金太郎です。

作者は18代目小川亨さん、古賀人形は代々小川家に伝承されています。



 

 

 

和歌山・御坊人形の虎加藤です。

御坊人形は練物と呼ばれる製法で作られています。

和歌山地方では子供の生まれた時やお節句に御坊人形を贈る習わしがあるそうです。

虎加藤は郷土玩具によくみられる題材です。

 

 

 

 

 

 

岐阜・市原土人形(瑞浪人形)の虎加藤です。

秀吉に仕え賤ケ岳の戦いで名を上げ、「賤ケ岳の七本槍」に数えられた加藤清正の

勇猛果敢な活躍から虎退治のお話が有名になっています。

朝鮮出兵の際の虎狩りの様子が伝わったのかもしれません。

勇ましい武将を飾るのは武士の習わしとして端午の節句が広まったからでしょう。

 






 

秋田・中山土人形の熊金です。

赤物の郷土玩具は鴻巣が有名ですが子の金太郎も真っ赤です。

昔から赤色には魔物や災いを遠ざける力があると信じられています。

子供の健やかな成長を祈って真っ赤な金太郎が作られています。


 



 

愛知・三河大浜土人形の鯉抱きです。

大浜土人形は明治の20年代から代々禰電腸箸謀舛錣訶攷遊舛任后

鯉の滝登りと言われるように鯉は立身出世の象徴のような魚です。

水しぶきを上げて跳ねる鯉を抱きかかえる姿は力強いとともに可愛らしいです。

 

 

 

 

 

 

こちらは一転、愛らしい金太郎土鈴です。

熊にまたがったり鯉にまたがったりしています。

小さな金太郎土鈴をちょっとさりげなく飾るのも素敵です。

この土鈴はとやま土人形の作品です。

 

 

今日は端午の節句に飾られるお人形をご紹介しました。

良いお天気に恵まれた令和元年のこどもの日

世界中の子供たちが幸せに健やかに成長しますように……

日本土鈴館

 

 

牛乗り天神

  • 2019.04.24 Wednesday
  • 10:14

皆さまこんにちは

 

先週末、日本土鈴館の枝垂れ桜が満開になりました。

咲き始めは濃いピンク色であでやかです。

だんだん白っぽく変わって散り始めます。

今年もとても美しく咲いてくれました。




 






さて、天神さまと言えば牛。切っても切れないご縁です。

でも何故なんでしょうか。

天神さま、すなわち道真公は承和12年6月25日の丑の日に生誕され、

延喜3年2月25日の丑の日に亡くなられたそうです。
また、道真公は「自分の亡骸を牛に乗せ、牛の行くところに葬るよう」

遺言を残したとも伝えられているそうです。
生前から牛を深く慈しんだ天神さまは牛と深く結びついているようです。

郷土玩具の題材の大定番の天神様。

今日は牛に乗った天神様をご紹介しましょう。

 

 

 

 


 

愛知・起土人形(富田土鈴)5代目中島一夫さんの牛乗り天神土鈴です。

牛の身体の真珠のような白色が起の特徴にひとつです。

威厳のある天神様を乗せた牛は流し目っぽい愛嬌のあるお顔です。

 

 

 




 

岡山・津山土鈴の牛乗り天神土鈴です。

作者は妹尾信行さんです。

津山土鈴はセノオ民芸社(妹尾家)で作られています。

岡山は道真公に縁のある土地柄で昔から天神信仰が盛んだそうです。

黒牛に赤い衣の天神様が映えています。

 

 






 

こちらも黒牛に乗った赤い衣の天神様です。

岩手県遠野の附馬牛人形です。

土人形とは少し違い独特の製法で作られています。

粘土に和紙を混ぜて成形し、天日でしっかり乾燥させたのち彩色します。

附馬牛人形は江戸の終わりころから明治にかけて作られましたが廃絶しました。

昭和になって復活、佐々木孝和さんの附馬牛人形が作られました。

 

 

 

 






 

秋田・八橋土人形の牛乗り天神です。

八橋土人形最後の作り手だった道川トモさんの作品です。

なんといっても牛のぱっちりした目が特徴的です。

長いまつげが少女漫画のようです。

八橋土人形はその伝統を守るため伝承の会が立ち上げられしっかり後継されています。

今年の年賀切手の干支亥も伝承の会によって製作されています。

 

 







 

張り子の牛乗り天神です。

春日部張子・五十嵐健二さんの4つ輪の牛乗り天神です。

天神様も黒牛も何となくとぼけた表情です。





 

岐阜県・高山土人形初代岩信成さんの小さな牛乗り天神です。

大正時代に高山に窯を築き高山土人形を作り始め

娘の光子さんに受け継がれましたが現在は廃絶となってしまいました。

手のひらにすっぽり収まるほど小さな天神様ですが

とても威厳のあるお顔立ちで岩さんらしい作品です。





 

京都・伏見土人形の牛乗り天神です。

日本の土人形の元祖であり根幹ともいうべき土人形です。

日本各地の土人形のほとんどは伏見人形にあこがれ、伏見に倣って作られてきました。

その始まりは安土桃山時代にまでさかのぼり、伏見稲荷の門前で売られました。

江戸時代には最盛期を迎えひしめくように伏見人形の窯元が並んだそうです。

現在は唯一「丹嘉」さんで受注制作されています。

 

 

 

 

 


 

最後は埼玉・船渡張子の首振り牛乗り天神です。

船渡張子は埼玉の郷土玩具ですが

古くから東京の亀戸天満宮の門前で売られていたそうです。

黒牛はゆらーりゆらーりとのんびり首を揺らします。

首振りの張子はゆったりしていて眺めていて飽きません。

のんびり行こうよ♪と言っているようです。

 

 

 

 

今日は牛に乗った天神様のご紹介でした。

日本土鈴館

 

 

郷土玩具・紙や布のお雛様

  • 2019.04.16 Tuesday
  • 10:56

皆さまこんにちは

 

四月に入ってからの思わぬ降雪に震えた桜や雪柳も見事に満開になり

今日は抜けるように青い空に花々が美しく映えています。





 

 

 


月遅れの雛祭りも終わりましたが、今日は紙や布で作られたお雛様をご紹介します。

子供の頃幼稚園などで色紙や端切れを使ってお雛様をつくりましたが、

今でも小さな子たちは紙のお雛様を作るのでしょうか。
 

 

 



 

宮崎日向地方に伝わる青島雛、上質の和紙を使って手作りされた立ち雛です。

お顔はとても小さく衣装はとても豪華です。

夫婦円満や安産のご利益があると信じられています。

 

 

 

 

 

 

 

鳥取の紙雛・田舎雛です。

江戸時代に作られるようになったというこのおひな様は

素朴な材料やその鄙びた見た目から田舎雛と呼ばれるようになったそうです。

昔は雛遊びは身分の高い人々の行事でしたが次第に庶民にも広がっていきました。

男雛は烏帽子と笏、女雛は小さな冠と扇を金紙で簡単につけただけですが

庶民ならではのお内裏様に愛着を感じます。




 

 



 

宮崎・青島神社の神雛です。夫婦雛または願掛け雛とも呼ばれます。

小さなお顔のお内裏様が白地に赤い格子の衣を着て金紙の帯を締めています。

縁結び、安産、病気平癒、家内安全、厄除け…

たくさんの願いを込めて神社に奉納するそうです。

昔は岩田帯(今はあまり見ませんね)に挟むための小さな神雛もあったそうです。

 


 

 





 

こちらは鳥取、有名な流しびなです。

立ち雛を簡素化した紙雛です。

小さなお顔は粘土を丸めて目と口を一筆でさっと描きます。

因州赤染紙で作った衣に胡粉で梅鉢の模様を描きます。

写真のように雛10組を竹串でまとめたものや

一組を折敷やさん俵に収めたものなどいろいろあります。

形代(かたしろ)を厄除けとして川に流すという民間信仰の名残だそうです。

 

 

 

 

 



 

 

鹿児島・薩摩の糸雛です。薩摩雛とか神雛とも呼ばれるようです。

お人形の芯には竹を使い、その先端を麻糸で覆ってお顔に見立てます。

残った麻糸は長く垂らして髪の毛に見立てます。

衣装に用いる和紙は上質なものを選んで作ります。

写真左のより豪華な糸雛は40センチほどもあり昭和初期の作品です。

今ではこのような作品は見かけなくなったとのことです。








 

松本・七夕人形の吊るし雛です。

おひな様ですが五節句の七夕飾りとして軒先に飾られます。

その歴史は古く、江戸中期の頃から松本や安曇野に受け継がれている文化です。

軒先につるされたおひな様には生まれた子供の穢れを祓い

その健やかな成長を願う気持ちは込められています。

 

 

 



 





 

一年中毎日が雛祭りの日本土鈴館では雛の間にたくさんのおひな様を飾っています。

美しい端切れを利用してひと針ひと針丁寧に作られたつるし雛や

昭和になって大量生産された安価な雛段掛け軸や

ちりめんや金襴、緞子の豪華な布を張り合わせて作られた押絵雛など

布や紙で作られたおひな様も常時展示しています。

 

 

 

今日は土鈴館のおひな様をご紹介しました。

日本土鈴館

 

素朴なおもちゃ・杵島山の一刀彫

  • 2019.04.09 Tuesday
  • 12:48

皆さまこんにちは

 

新しい元号の発表から1週間以上経ちました。

日本各地は令和、令和でにぎわっています。

新しいものや話題性のあるものにとても敏感な館長ですから

こんな令和の色紙が飾ってあっても驚きませんね(笑)




 

 

 

 

閑話休題…

東北地方にはこけしやコマ、九州地方にはきじ車、山形や奈良などに伝わる一刀彫など、

その地の風土や生活に深く関わったそれぞれの木地玩具が伝わっています。



今日は佐賀の一刀彫・杵島山の木地玩具をご紹介します。

 

 

 

 

杵島山の一刀彫の魅力は何といってもその素朴な味わいにあります。

スズランアカギという木の皮を残して削り出した部分に最小限の彩色を施します。

 

 

 

 

 

 

 

 

犬もサルもちゃんとそれらしくなっています。

尻尾はこよりや木切れを挿しています。

残した木の皮と削り出した木肌をうまく組み合わせて少し描き入れるだけで

それぞれの動物の特徴を簡潔に表現しています。

 

 

 




 

 

こちらは大八車と呼ばれる郷土玩具です。

十二支が作られていたようですが残念ながら全部はそろっていません。

どれもとても可愛らしいです。



 

虎ですね。

黄色と黒の縞々がなかったら虎かどうかちょっとわかりませんが…

こよりで出来た長い尻尾がくるりと結ばれて愛嬌たっぷりです。






 

赤い鳥はきゃあつぐろ。カイツブリという鳥のことです。

黒い鳥はカチカチ車。カササギをモデルにしています。

カササギはその鳴き声がカチカチと聞こえるのでカササギをカチカチと呼ぶそうです。

素朴な味わいが魅力の杵島山一刀彫は残念ながらもう作られていないようです。

 

 

日本土鈴館

 

郷土玩具のお雛様・雛土鈴

  • 2019.04.02 Tuesday
  • 09:45

皆さまこんにちは

 

昨日は日本が新元号の発表に釘付けとなった一日でした。

5月1日からは令和元年となります。

国書・万葉集を典拠とする元号は初めてのことだそうですね。

令和の時代が希望に満ちていることを願っています。

 



今日のご紹介は雛土鈴です。

日本土鈴館にはたくさんの雛土鈴が飾ってありますがどれも小さくて可愛いお雛様です。



 

武蔵野・深大寺窯、馬場信子さんのひな土鈴です。

花鈴に描かれた立ち雛は地味な黒と赤のお衣装ですが

かえってバックのお花によく映えています。

馬場さんの土鈴にはいつも武蔵野の美しいお花が咲いています。





 

福岡・森山天鈴さんのひな土鈴です。

森山天鈴さんは透かし彫りの多重鈴が有名ですが

このおひな様のような可愛らしい土鈴も作っておられます。





 

 

左側は福岡太宰府天満宮の奥宮・宝満宮のひな土鈴です。

宝満鈴と名付けられた縁結びのご利益があります。

右側は京都・平安神宮の縁喜鈴です。

御所人形風に男雛と女雛を土鈴に拵え、桜橘を衣装に描いた平安和合の授与鈴です。

このような丸鈴のひな土鈴は一般的な形のような気がします。





 

京都・伏見人形の立ち雛土鈴です。

藤の花が美しい京都らしい雅なおひな様です。






 

佐賀・のごみ人形のひな土鈴です。

のごみ人形は年賀切手のモデルになった十二支土鈴が有名ですが

このおひな様も可愛らしいですね。





 

福岡・津屋崎人形の五人揃いのひな土鈴です。

作者は原田半蔵さんです。

おにぎりのようなフォルムのおひな様がそれぞれ土鈴になっています。

津屋崎人形は大型の土人形が比較的多いのですが

小さな土鈴もたくさん作られています。

 

 

 

 

 

 

海老天たまこさんのひな土鈴です。

お花に中心がお内裏様だったり、ショートケーキの苺がお内裏様だったり。

とてもユニークなおひな様です。

海老天たまこさんの作品はいつも斬新な発想で楽しいです。

 

 

 

 

 

 

昭和前期のひな土鈴の段飾りです。

日本土鈴館の入口左手に日吉琴コーナーに展示してあります。

日吉琴さんは明治生まれの土鈴愛好家で全国の貴重な土鈴を蒐集されました。

琴さんのコレクションはご遺族から土鈴館に寄贈いただき

ご来館の皆様にご覧いただいています。

 

 

 

 

 


 




 

 

これらの土鈴も日吉琴コレクションです。

どれも小さくて手のひらにすっぽり入る大きさですが

意匠も彩色も素晴らしいものばかりです。

何十年たってもおひな様は変わらず可愛らしいです。

 

 

 

土鈴になったおひな様。

コロコロと心地よく響く音色は土鈴館でお楽しみください。

日本土鈴館

 

郷土玩具のお雛様・土雛

  • 2019.03.26 Tuesday
  • 13:26

皆さまこんにちは
春の訪れが遅い郡上市のひな祭りは昔から4月3日にお祝いします。
その頃になると待ちかねたように花々が咲き始めます。


日本土鈴館は一年中お雛様を飾っていますが、

日差しが春めいてきましたからブログでもお雛様をご紹介します。



 

千葉・芝原人形のおひな様です。

作者は4代目・千葉惣次さんです。

芝原の特徴の一つである鈴玉入りで、土人形ですが振るとコロコロ響きます。

丸みを帯びた形が美しいです。



 

こちらも千葉・芝原人形、ちょっと小ぶりのおひな様です。

千葉惣次さんの奥様、真理子さんの作品です。

み太郎窯の名前で制作されています。

白いお顔にうっすら紅がさしてありやはり鈴玉入りで振ると音色がします。





 

 

京都・伏見人形の土雛です。

黄色の台座が鮮やかで、古い土雛ですが現代的な新しさを感じます。

京都のおひな様といえばお公家風のお顔立ちを思いますが、

このお雛のお顔は大変庶民的に思えます。

芽雛の右袖口の欠けが残念です。





 

岐阜・市原土人形の土雛です。

瑞浪市になったことから瑞浪土人形とも呼ばれるようです。

明治の中頃から良質の粘土を使って土人形が盛んに作られ、

一時は市原村の大半が人形作りに従事していたそうです。

しかし他地域の土人形と同じく時代の流れに飲み込まれるように廃絶しました。

 

 

 





 

京都人形の小さなお内裏飾りです。

おひな様とは切っても切れない菱餅ですが

赤餅にはクチナシの実を使って魔除け、解毒作用を

白餅には菱の実を入れて子孫繁栄、長寿を

緑の餅にはヨモギを入れて厄除けを願うのだそうです。

この色合いはまさに春を告げる色です。

 

 

 

 

 


 

愛知・犬山土人形の土雛です。

台座の模様などが違いますからもしかしたら元々のペアではないお内裏様かもしれません。

白っぽい仕上がりは犬山土人形の特徴の一つだそうです。

また持つと驚くほど軽いのが犬山土人形です。

江戸・文化文政の頃から作られ始めた犬山土人形も

明治の初めころの最盛期を過ぎてからは徐々に衰退し

昭和の初めには廃絶してしまいました。

このおひな様も100年の経年を考えるとよい状態で残っています。

 







 

秋田。中山土人形の土雛です。

中山人形は江戸末期に、鹿児島生まれの陶工宇吉が東北地方をめぐって

最後は湯沢に落ち着いて窯を築きました。

明治になって息子の嫁樋渡ヨシが義父に習った粘土細工の技術を活かして土人形を作りました。

代々樋渡家に伝えられました。




 




 

京都・豪勝さんのご成婚雛です。

流し込みのおひな様です。

平成もあと少し、新しい元号は何になるのでしょうか。

 

 

 

4月3日のお雛祭りを控えて今日は土雛をご紹介いたしました。

日本土鈴館

 



 

沖縄の土鈴

  • 2019.03.19 Tuesday
  • 11:37

皆さまこんにちは


県ごとの土鈴のご紹介も今日沖縄が最後です。早速見てみましょう。




美しい土鈴ですね。琉球の花笠土鈴です。

琉球舞踊で被られる花笠は大変美しく、赤い花、青い空、白い波がデザインされているそうです。

紅型染めの舞踊衣装と共に見る人の目を奪います。

実際の花笠に負けずこの花笠土鈴もとても綺麗です。




 

沖縄と言えばシーサーです。

シーサー土鈴は沖縄のお土産としていろいろ売られています。

シーサーは伝説の獣で建物の門や屋根、村落の高台などに据え付けられ、

人々に災いをもたらす悪霊を追い払う魔除けです。

沖縄の至る所でシーサーが見られます。





 

最近はこんな可愛らしくて陽気なシーサーも作られているそうです。

これは土鈴ではありませんが

見ているとこちらまで笑顔になってきますね。

 


北海道から沖縄まで県別に駆け足で土鈴巡りしてみました。

土鈴館の土鈴の数があまりに多くてほんの一部しかご紹介できていませんが

土鈴の面白さが少しでもご紹介できていればうれしいです。

 

 

次から何をご紹介しようか…思案中です。

 

日本土鈴館

鹿児島の土鈴

  • 2019.03.12 Tuesday
  • 11:02

皆さまこんにちは


北から順に南下して日本の土鈴をご紹介してきました。

今日は鹿児島の土鈴をご紹介します。





鹿児島神宮の授与鈴です。
5個の埴鈴を棕櫚で繋いだ素朴な守り鈴です。

境内の土を使って手捻りで作られます。

古くは鈴懸馬の首に飾ったと伝えられているそうです。






西郷どんでごわす。
鹿児島といえばやはり西郷隆盛を思い浮かべますね。
いろいろなお土産土鈴の西郷さんが作られています。

こちらにご紹介した西郷さん、太い眉毛が決め手で選びました。
 

 



実は鹿児島は郷土玩具の宝庫といわれる鹿児島神宮がありながら、

土鈴に限っていえばあまりご紹介するものがありません。不思議ですね。


少し寂しいので、鹿児島神宮の美しい郷土玩具をご覧いただきましょう。

 

 

 

 

鯛車です。
海幸彦山幸彦の神話に由来する郷土玩具です。
山幸彦が自分の弓と海幸彦の釣り具を交換して釣りに行き釣り針を無くしてしまいます。

代わりの品では許してもらえず、

やむなく海の宮まで行って鯛の喉に刺さった針を抜きようやく釣り針を取り戻します。

釣り針を飲み込んだ鯛(赤女魚)を象ったのが鯛車と言われています。

 

 






香筥(化粧箱)です。
海幸彦山幸彦のお話で、無くした釣り針を探しに海の宮を訪ねた山幸彦は

美しい豊玉比売命と出会って結婚しました。

豊玉比売命がお嫁入りの品に持参したのが香筥です。
木製の箱は薄く和紙を貼り付けて木を繋ぎいで作られます。

和紙には美しい絵が描かれ、箱の中には鯛車が入ります。







笛太鼓(ふえてこ)です。

竹と和紙でつくられ、笛と太鼓が1つになった玩具です。

これもとても美しい郷土玩具です。

 

 

今日は鹿児島の土鈴をご紹介しましたが

鹿児島神宮の郷土玩具もあわせて少しご紹介しました。

 

 

日本土鈴館

 

 

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