郷土玩具の山車

  • 2017.09.20 Wednesday
  • 13:18

皆さまこんにちは


山、鉾、屋台など呼び名はいろいろありますが、

山車を巡行する日本の祭がユネスコ無形文化遺産に登録されたのは昨年の11月でした。

お祭りに欠かせない山車を模った郷土玩具は日本各地あります。

今日は郷土玩具の山車をご紹介します。

 





三重県の宮崎屋陶房・宮崎亮一さんの楼車鈴です。

伊賀市の上野天神祭を彩る美しい楼車を陶鈴に仕立ててあります。

造形も彩色も音色もとても素晴らしい鈴です。

 

 




岐阜 高山土人形・岩光子さん作・高山祭の屋台土鈴です。

春と秋の例祭に市中を引き回される屋台は動く陽明門とも呼ばれるほど豪華絢爛です。

飛騨の匠の技の最高傑作が並びます。






京都の祇園鉾です。

京都 日本三大祭りのひとつ、祇園祭りに巡行する山鉾を模したおもちゃです。

色々な種類の鉾がありますがこちらは長刀鉾です。

ヒモを引けば車輪が回って動きます。

 

 



  

 

 

祇園祭のハイライトである山鉾巡行の土鈴です。

祇園祭は八坂神社の祭礼で7月の1ヶ月にもわたる長いお祭りだそうです。

33基の山鉾巡行はユネスコ無形文化遺産に認められています。

お供えのちまきも土鈴になっています。






  


   

愛知県の郷土玩具・東照宮の山車です。

最後の作り手伊藤はるさんが亡くなりに廃絶してしまいました。

土鈴館にも伊藤さんの山車は1台しかありません。

失われていく郷土玩具を残すため再現、復元が試みられました。

写真は復元品ですが、忠実に再現されています。

長者町の二福伸、七間町の源氏、宮町の唐児、中市場町の名橋です。

土鈴館にはこの様に廃絶した郷土玩具の復元品コーナーがあります。

 

 





名古屋土人形の最後の作り手、野田末吉さんも東照宮の山車を土鈴にしています。

とても貴重なものだそうで、展示ケースの出し入れも緊張しました。

細部まで美しく正確に再現されていて、

さすがに日本屈指の土人形作家の作品だと思いました。

 






こちらはまた可愛い感じの土鈴です。

猫好きな楽猫庵・田中ちかさんの鯛御輿土鈴です。

御輿ですが一応山車の仲間に入るようです。

愛知県豊浜地区で催される天下の奇祭鯛祭り。

長さ10メートル以上もある鯛神輿を担いで町を練り歩き、

そのまま海の中に入っていくという勇壮なお祭りだそうです。

勿論担ぎ手は威勢のいい男衆なのですが、

猫好きな人が作ると猫ちゃんが嬉しそうに鯛神輿を担いでいます。

美味そうな鯛だにゃ〜と言ってるようでとても可愛い土鈴になりました。

 

 




佐賀県唐津神社の秋季例大祭の曳山の土鈴です。

赤獅子・青獅子・浦島・義経の兜・鯛・鳳凰丸・飛竜・金獅子・武田信玄の兜・

上杉謙信の兜・頼光の兜・珠取獅子・鯱・七宝丸の14基です。

14基の曳山は佐賀の重要有形民俗文化財に指定されているそうです。

巨大で豪華な漆造りの曳山は現在作るとすると

一基1億から2億円の費用が掛かるそうです。

 

 

 

 



岸和田のだんじり土鈴です。

岸和田だんじり祭りは勢いよく方向転換をするやりまわしが有名で、

時には家の軒先が壊れることもあるそうです。

ことしのだんじり祭りでもやりまわしの際にだんじりが倒れ

残念ながらけが人が出てしまったようです。

勇ましくて荒っぽい男祭りで有名です。

 

 

 

日本にはまだたくさんのお祭りがあり、山車があり、

その地域で郷土玩具になって人々に愛されています。

今日はほんの一部しかご紹介できませんでしたが

またの機会に別の山車もご紹介できればと思います。

 

  日本土鈴館

 

 

 

茨城の土鈴

  • 2017.09.13 Wednesday
  • 09:42

 

皆さまこんにちは

 

近くの田んぼでは刈り終えた稲がはさがけされています。

今朝はさわやかな秋晴れとなりましたが

台風が週末にかけて接近するとの報道もあり心配です。

今年はお天気をいつもの年以上に心配することが多いような気がします。




さて、今日は茨城の土鈴をご紹介したいと思うのですが、

実は茨城はとても土鈴の少ない地域のひとつです。

広い土鈴館を探し回っやっと見つけてきました。




筑波山大御堂の授与鈴です。

ガマの親子の土鈴です。

筑波山といえばガマの油なんだそうです。

「さあ〜さあ〜お立ち会い、御用とお急ぎで無い方はゆっくりと聞いておいで…」

の口上で有名なガマの油は江戸時代に使われた傷薬で、筑波の兵助という男が

筑波山にだけいるという「四六のガマ」から取ったと称する油を売るための口上を考え、

江戸浅草寺の境内で披露したのが始まりとのことです。

この鈴は陶製なので綺麗な高い音色です。

目はプラスチックのようですね。






こちらもやはりガマガエルです。

4センチほどの小さな鈴で、お腹に交通安全と書いてあります。

無事かえるに因んだお土産です。

コロコロと音色は良いです。



水戸の偕楽園は梅が有名ですが、お土産の梅鈴があります。

しかし残念ながら土鈴館の梅鈴は行方不明で写真でご紹介出来ませんでした。




日本土鈴館では県別に土鈴を展示していますが、

実は茨城県のコーナーはありません。

茨城の土鈴が少ないためコーナーが設けられなかったからです。

 

 

 

茨木にお住いの土鈴愛好家の皆様、今日はご満足いただけませんでしたね。

申し訳ありませんので、最後に茨木の郷土玩具を一つご紹介します。

 




真弓馬です。

村松山虚空蔵堂の修正会(正月15日)、例大祭(4月13日)で授与されます。

真弓馬は立ち絵馬式のもので、墨、赤、青、黄色の絵の具を使って

手綱や鞍などの馬具を描いた抽象的な馬の姿です。

残念ながら土鈴館の真弓馬はオレンジの板飾りがひとつ無くなっていました。

 

 

今日は少なかったですが茨木の土鈴をご紹介しました。

 

  日本土鈴館

 

 

 

伝統こけし・蔵王高湯系

  • 2017.09.07 Thursday
  • 14:16

皆さまこんにちは


今日は10系統の最後、伝統こけし蔵王高湯系のご紹介です。

山形県蔵王温泉を中心とした地域で作られます。

遠刈田の影響を受けて発達したため、遠刈田に似て胴はやや太めです。

頭は赤い放射線の飾りか黒いおかっぱになっています。
胴模様は、かさね菊、桜崩しなどが描かれます。

差し込み式の構造です。






梅木修一工人 作(4寸5分)
昭和4年生まれの工人さんです。

娘で弟子の梅木直美工人と山形市で暮らしながら製作に励まれています。

梅木父娘は度々マスコミに取り上げられる人気の工人さんです。

修一工人は平成7年に内閣総理大臣賞を受賞したほどの実力者です。

このこけしの表情が優しくて良いですね。

 

 





石山三四郎工人 作(1尺6寸)
明治42年生まれの工人さんです。

大工の家に生まれましたが大工にはならず

(現在の)箱根湯本に木地挽きの修行に出かけ木地ものを作りました。

やがて山形の山寺立石寺に戻り蔵王高湯系の描彩を学びました。

このこけし、丸顔で愛嬌のある可愛さから写真だけでは大寸のように感じません。
 

 

 

 


温湯・阿部常吉工人 作(8寸)
明治37年生まれの工人さんです。

やや太めの胴、頭の赤い飾り、菊の胴模様などが見てとれます。

極端に離れた大きな目も大きめのお顔には可愛らしく映ります。

見逃すほど小さな赤い口も愛らしい作品です。

蔵王高湯系の中では少し独特な作風とのことです。

 

 

 




大宮正安工人 作(5寸)
昭和11年生まれの工人さんです。

笠を被っています。

また、胴にはヤミヨと呼ばれる刳り貫きの輪がふたつ見られます。

胴模様はかさね菊のようですが褪色が進んで残念です。

面白いこけしですね。

師匠は父の大宮安次郎工人、兄に大宮安光工人がいます。

 







岡崎幾雄工人 作(8寸)
昭和10年生まれの工人さんです。

こんな感じのこけしを見るといつも「ガングロちゃん」と呼んでしまいます。

能登屋さんの工房栄治郎で製作・販売をされています。

岡崎栄治郎工人、直志工人から続く蔵王系統で

「栄治郎型」と称される伝統を受け継いでおられるそうです。

 

 







大宮安光工人 作(5寸)
昭和9年生まれの工人さんです。

先にご紹介した大宮正安工人のお兄さんです。

師匠は父の大宮安次郎工人です。

髷を結ったこけしです。

胴模様は草花のようですが、何のお花でしょうか。
赤や黒に対して緑とか紫の色は抜けやすいようです。

 

 

今まで10回に分けて伝統こけしを見てきました。

郷土玩具や土鈴にもブームがあるように

こけしにもブームがあるようです。

平成22年ごろからこけしへの関心が高まり、若い女性にも人気のようです。

こけ女とかこけ活などと言った新しい言葉も耳にします。

こけしへの関心が広まって日本伝統のこけしが受け継がれていくことを願います。

 

 

    日本土鈴館

 

 

今日から9月です

  • 2017.09.01 Friday
  • 09:19

皆さまこんにちは


郡上市は昼はまだまだ暑いのですが今朝は肌寒さを感じるほどになりました。

早いものでもう9月、月毎のカレンダーも残すところ4枚となってしまいました。

 


そして9月1日は関東大震災の教訓を忘れないようにと定められた防災の日です。

地震に限らず、突然の雷雨や台風、温暖化の影響なのか予想を超える豪雨や竜巻など、

防げない自然災害が私たちの暮らしを脅かすことが多くなりました。

地震大国日本ですが、最小限の被害で乗り越えられますように。



《鯰瓢箪  草津市・陶彩ふくしま制作土人形》

 

 


ガラッと変わって9月1日はマテ茶の日でもあるそうです。

南米の国で9月1日にマテ茶の収穫祭が行われるのに因んで

日本マテ茶協会が制定したそうです。

紅茶、コーヒーとならんでマテ茶は世界三大飲料とされ、

飲むサラダなどと言われるほど健康のためによいお茶とのことです。

日本には緑茶、煎茶、抹茶、焙じ茶、そば茶、大豆茶、麦茶など

たくさんの種類のお茶があり、まだマテ茶の認知度は低いですが、

機会があれば飲んでみたいですね。



   
《京都・洛趣舎  長火鉢土鈴》    《岐阜・ほうずき工房 茶飲み土鈴》




また、9月1日は9と1の語呂合わせからキウイの日でもあるそうです。

これはキウイを輸入している企業が制定したようです。


《神奈川・渡辺石芳  キウイ土鈴》

 

 


そして、9月1日は館長のお誕生日でもあります。

おかげさまで元気に89歳になりました。

昔は数えで卒寿をお祝いしたようですが、

少しでも若いほうがいいので、卒寿のお祝いは来年のお楽しみです。

 

 


幼少期から少年期にかけて名古屋で過ごした館長は

父親の仕事の関係で郡上市に越して来て現在に至っています。

 




 

写真は小学生の一男少年(館長)が描いた水彩画です。

何かのお祝いだったのでしょうか、きれいな桜鯛とはまぐりです。

アジア館の一角にある昭和の部屋に飾ってあります。

 





 

生真面目だった一男少年はお国の為になればと考え

毎日新聞配達をしてお小遣いを貯めお国に寄付をしたようです。

当時の感謝状が2枚アジア館にありました。

 

 

今日は80年ほどタイムスリップしてみました。

来年も元気でお誕生日が迎えられますように!

 

  日本土鈴館

 
 

伝統こけし・木地山系

  • 2017.08.29 Tuesday
  • 10:00

皆さまこんにちは

 

8月も終わりに近づき、朝夕には虫の音が響いて

裏山の山栗が青いイガをたくさん落としています。

秋はすぐそこに来ていますね。

 

 


今日は伝統こけしの木地山系をご紹介します。

秋田県稲川町を中心とした地域で作られます。

頭と胴は一本の木で作られる作り付け式の構造になっています。

胴模様に着物模様が描かれるのが特徴で、代表的な模様は前だれです。

頭は前髪と赤いてがら(髷かけ)と呼ばれる紐を描きます。





小椋久太郎工人 作(1尺)
明治39年生まれの工人さんです。
一族に木地師が多く、久太郎工人も父久四郎工人に学びながら早くから木地を挽きました。

14、5歳の頃には既に木地師のように当たり前に木地挽きをしていたそうです。

50代で早逝した父に代わり、一家を支えて精力的にこけしを作りました。

その技を子や孫に伝えながら平成10年に亡くなられました。享年93歳。
堂々とした太さ、前だれに団子のようなおおらかな梅を描いた久太郎こけしは

昭和のこけしブームから今に至るまで高い人気に支えられています。

 

 

 

 



1尺5寸の小椋久太郎工人の作品です。

日本土鈴館のこけしコーナーには大小様々なこけしが500本以上並んでいます。

その中でもひときわ目を引く大きな立派なこけしです。

何十年も経っているので、木地にツヤが出て光沢があります。








小野寺正徳工人 作(4寸5分)
昭和23年生まれの工人さんです。

前だれに井桁模様を赤と緑で描き、着物の柄には梅の花が散らしてあります。

胴に比べて頭が大きいですね。

顎の細いお顔は昭和の作品と思われます。

しかめっ面のこけしも可愛いです。






鈴木幸太郎工人の作品です。

春から秋は山や田畑でお仕事をして雪深い冬はずっとこけしを作る…

そんな私の勝手なイメージを一蹴する工人さんでした。

大正生まれの鈴木さんはスキーの名手でノルディック競技のオリンピック候補選手だったとか。

冬は競技やスキーのコーチで忙しくこけし作りの時間はほとんどなかったと聞きました。






同じく鈴木工人の作品です( 9寸)
 

 

 





高橋雄司工人 作(1尺)
昭和9年生まれの工人さんです。

父であり師匠の高橋兵治郎工人に学んで小学生の頃から木地を挽き、

中学生の頃にはプロの腕前だったそうです。

父の兵治郎型を受け継いで製作されています。

写真のこけしは緑が褪色していますが、赤と赤の間に緑が入っています。

帯も赤の上に緑が入ります。

独特の着物姿のこのこけしは地名から川連こけしと呼ばれます。

 

 

 





大沼又五郎工人 作(6寸)
大仙市南外地域で作られる又五郎こけしと呼ばれる作品です。

初代又五郎が300年ほど前に作り、代々又五郎を名乗って作られます。

こけしには珍しい杉の木で作り、杉の木目を生かすため墨で最小限の絵付けをします。

一般的な轆轤挽きではなく手彫りで作られのも大きな特徴です。

 

 

 

今日は木地山系のご紹介でした。

こけしに詳しくなくても木地山系の作品はわかりやすいような気がしました。

 

  日本土鈴館

静岡の郷土玩具

  • 2017.08.25 Friday
  • 11:37

皆さまこんにちは

今日は静岡県の郷土玩具をご紹介します。





 

地元で「いちろんさんのでっころぼう」と親しみを込めて呼ばれる首人形です。

こちらは50体挿しの豪華な作りになっています。
江戸末期のころ、八百屋を副業にした人形師がいました。

代々市郎右衛門を名乗って首振りや面、だるまなどを作り評判になりました。

市郎右衛門を親しみを込めていちろんさんと呼んだのだそうです。





こちらは清水の串天神です。

衣の色が違う4人の天神様が藁づとに刺さった郷土玩具です。

当初は一体ずつ売られた様です。

天神様が小さいので作る時に竹串に刺して色つけをし藁づとに刺して乾かしていましたが、

その形が面白いとの注文が入るようになって、串天神として知られるようになりました。





浜松張子・ 3代目二橋志乃さん80歳の鳥神楽と呼ばれる首振りで、サイン入りです。

浜松張子は盛んに作られていましたが、戦災でほとんどの型を失い、

志乃さんが記憶を頼りにころがしや柿乗り猿、首振りの張子を作り続けました。






浜松張子・ ころがしと呼ばれる2つ車の張子です。

干支揃いの中から、卯、辰、寅、戌を選んでみました。

4代目二橋加代子さんのサイン入りです。

浜松張子は明治維新で禄を離れた旧幕臣が反故紙を利用して作り始めました。

 






静岡張子の祝い鯛です。

上が静岡張子の祝い鯛、下は郷土玩具を土鈴で表現した祝い鯛土鈴です。

静岡張子は屋号が「沢屋」「ダルマ屋」と呼ばれる杉本家で作られています。

他地域の張子と同様に反故紙を利用して作られました。

祝い鯛は戎神社の祭礼に縁起物として境内の露店で売られたそうです。

土鈴は英彦山ガラガラの篠崎嘉文さんの作品です。
 

 

 





静岡姉様です。地元では「おやま」と呼ばれるそうです。

解説書によれば、本来、髪を白紙で作り後姿を見せる江戸型に分類されるようですが、

土鈴館にある姉様は黒髪でした。

女の子のお人形遊びには欠かせないおもちゃでした。





おかんじゃけという郷土玩具です。

久住山洞慶院の開山忌(7月19日.20日)に、

沿道で夏バテを防ぎ福を授る縁起物として売られたようです。

元々は、男の子には合戦ごっこの采配、女の子には髪結いのおもちゃとして

静岡県一帯に広く作られていた独特の玩具です。

竹を上から叩き潰して繊維状にし、色を付けたものです。
 

 

 





最後のご紹介は相良凧です。

相良凧の特徴は角凧の下部が出た形の五角形で、4本の骨でつくり、

2本のカナ糸(糸目)を付けます。

日本土鈴館の天井には、相良凧をはじめ、

様々な凧や絵手紙、提灯や吊るしものなどがぎっしり展示されています。

ご来館の際は、どうぞ上も下もお忘れなくご覧くださいませ。

 

 

日本土鈴館

 

伝統こけし・肘折系

  • 2017.08.21 Monday
  • 12:51

皆さま、こんにちは

 

全国的に日照不足の夏となっています。

曇っていても湿度は高く、突然の雷雨には驚かされます。

夏の疲れが出やすい時期ですので

皆様どうぞご自愛くださいませ。


さて、今日は肘折系こけしのご紹介です。

山形県肘折温泉や仙台市で作られています。
鳴子こけし、遠刈田こけしの影響を受けながら伝えられてきた系統で

独特の味わいを持つこけしです。
胴は鳴子のように肩が張ってほぼ真っ直ぐです。
頭頂には赤い放射状の線模様が描かれます。
胴模様は重ね菊が多いようです。
差し込み式の構造で作られます。





佐藤己之助工人 作(1尺弱)

明治38年生まれの工人さんです。

頭と胴は違う木材を使用したのか、はっきり色が違います。

頭は角ばっていて目頭を寄せたような表情は優しいです。

頭が角ばっているのは初期のころの作品の特徴だそうです。

胴底の揮毫の横に「貴重」のシールがありました。

 

 

 

 





鈴木征一工人 作(1尺・6寸)

昭和19年生まれの工人さんです。

肘折運七系列と分類してあります。

大きなこけしはガラ入りで振るとシャカシャカ音がします。

頭をくりぬいて乾燥させ、小豆などを入れてるとマラカスのように音が出ます。

肘折系に多い技法のひとつだと言います。

 

 

 

 

 

 

こちらも鈴木征一工人の作品です。4寸です。

鈴木工人は奥山庫治工人のお弟子さんです。

東京生まれの方ですが5歳のころ、父が故郷肘折に帰郷しました。

農業などに従事していましたが奥山工人について木地を学び始め

現在も肘折温泉でこけしを製作しておられます。



 

 




奥山庫治工人 作(8寸)

昭和9年生まれの工人さんです。

先にご紹介した鈴木征一工人の師匠です。

大変お酒の好きな方とのこと、ネットで調べたらなるほど!

そんな雰囲気の写真を拝見しました。

つやつやした明るい表情のこけしです。

 

 

今日は肘折系のご紹介でした。

   日本土鈴館

インスタより「福島の土鈴」

  • 2017.08.17 Thursday
  • 14:24

皆さま、こんにちは

 

お盆の帰省ラッシュやUターンラッシュも一段落して

いつも通りの生活に戻られた方も多いと思います。

今夏は天候不順で夏らしくない日が多いようです。

皆さま、どうぞ夏のお疲れが出ませんように。



さて、今日は福島の土鈴をご紹介します。




会津若松市の中湯川人形の十二支土鈴です。

作者は青柳守彦さんです。

裃姿で勢揃いしているのに堅苦しくなく、1つ1つが個性を生かして可愛く正座しています。

手の無いヘビは扇をしっぽで持っていますね。

今年の干支、鶏は一番目立っています。





中湯川人形・青柳守彦さんの土鈴です。

愛嬌のあるほのぼのとしたおかめと福助、

素朴な色合いの角兵衛獅子、大きな鯛を抱いた童です。

柔らかな色合いと穏やかな表情で温かみのある土鈴に仕上がっています。

 

 

 

 




すか川土鈴です。羽子板、奴凧、コマの土鈴です。

日本の伝統的な遊びが土鈴になっています。

独楽はつまみをしっかり持って捻ればちゃんと回ります。

作者は六桃窯の菊池瑞成さんです。

どれも小さな土鈴ですが、着想の面白さや色合いの美しさが優れています。

土鈴愛好家に大変人気のある作家さんです。

 

 





郷土玩具を題材にした六桃窯の土鈴です。

福島県は有名な郷土玩具がたくさんある地方なのですが、

土鈴もまた、実にたくさんの優れた作品があります。

三春駒は福島の最も代表的な木製の郷土玩具で、日本三代駒のひとつです。

洗練された美しさがあり、日本を代表する郷土玩具のひとつでもあります。

その特徴を捉えオリジナルに忠実でありながらも土鈴ならではの工夫も見られ、

とても良い作品になっています。
 

 




 

中学生プロ棋士藤井聡太四段の快進撃で一躍将棋界が脚光を浴びています。
こちらは六桃窯の将棋の駒土鈴です。

将棋の駒作りは山形・天童市が有名ですが、

それを土鈴として作ったのは福島・六桃窯の菊池さんです。

王将と飛車、飛車の裏側はちゃんと龍王になっています。

面白いのは龍が飛車を抱き込んでいる土鈴です。

駒は取り出せます。龍がすごくカラフルですね。

 

 

 


 

べろ長土鈴です。

べろ長にまつわる民話をご紹介します。

べろ長とはその名の通り舌のとても長い妖怪です。

猪苗代湖の水を飲みほして干ばつ被害を引き起こしたり

飲み干した水を吐き出して大洪水をおこしたりして

人々を大変困らせていた妖怪です。

ある時たまたまこの地を通りかかった弘法大師は

べろ長の長い舌を縄で縛りあげ二度と悪さをしないように懲らしめました。

以来会津の人々は安心して暮らせるようになったというお話です。










福島の伝統的な土鈴まさるです。

竹弓に埴鈴を通し先に幟旗のように旗を付けたお正月の縁起物です。

福島市内の稲荷神社や羽黒神社、郡山市如宝寺の祭礼に売られます。

「去年に勝る福まさる、買ってがんしょ、福まさる」と呼び声が飛び交う中

「魔去る」の縁起物が売られるそうです。

竹弓の先からコロコロ鈴音を鳴らしながら埴鈴が降りて来ます。

 

 

 

福島にはご紹介したい土鈴がたくさんあります。

ブログではほんの一部しかご紹介できませんでした。

どうぞ土鈴館にお越しになって実際の音色などお確かめください。

 

    日本土鈴館

 

土鈴になった日本むかし話

  • 2017.08.10 Thursday
  • 11:31

皆さまこんにちは

京都は古くから沢山の土鈴が作られた土地柄です。

神社仏閣も多く、授与鈴もたくさんありますし、

日本を代表する伏見人形を生み出した地ですから、

意匠を凝らした美しい土鈴も様々あります。


そんな中でもちょっと面白いのが洛趣舎・なかにし制作の日本むかし話シリーズです。

何年か前のブログでも取り上げましたが

今回はインスタグラムでご紹介した記事をまとめてみました。

「むかしむかし〜」で始まるお伽話の一場面を土鈴にして再現してあります。
童心に帰ってむかし話を懐かしく思い出してください。




むかし話シリーズ最初は瘤とり爺さんです。

雨宿りをしていて偶然鬼の酒盛りを見て、ついつい浮かれて踊りだした踊り上手の瘤爺さん。

鬼にまた来いよ!と瘤を質草に取られ大喜びです。

それを羨ましく思ったもう1人の瘤爺さん。

恐る恐る鬼の酒盛りに行って踊りましたが踊り下手です。

もう来るな!と瘤を返され両頬に瘤を持つハメに。

でも、この瘤爺さん、すごく気の毒に思えます。






さるかに合戦です。

お話の筋書は因果応報、自分で蒔いた種ということです。

このむかし話で、私が知らなかった事がありました。

渋柿を投げつけられたカニは子供を産んでから死んでしまい、

その子ガニが母の敵討ちをしたとは知りませんでした。

子ガニを手伝ったのが、栗どん、蜂どん、臼どんは知っていましたが、

なんと牛糞どんも仲間で慌てた猿を滑って転ばせる役割だったとか。

そこに臼どんが屋根から飛び降り猿は圧死してしまったというお話でした。

猿はごめんなさいと謝って許されたと思っていました。

まさに因果応報ですね。
 

 









舌切り雀です。どんなお話かは言うまでもなくよく知られたお話です。

むかし話には優しいお爺さんと強欲なお婆さんと言う設定が多い気がします。

逆でもいいのに、とも思いますが、雀のおチョンが愛らしい女の子なので、

お婆さんにはヤキモチ焼きの悪役が回ってきたのかと納得します。

つづらの大小も、強欲と言えばそれまでですが、

何か貰えるなら良いものが欲しいと言う誰にでもある欲望のひとつかな、とも思います。

お爺さんは重いつづらを運ぶのが面倒だったけど、

お婆さんは頑張って担いでお爺さんの待つ家に帰ろうとしたのかも…

と妙にお婆さん贔屓なのは、私も大きなつづらを選びそうだからです。


 

 




童謡にもなっている一寸法師です。

御伽草子の話が元になって伝えられた有名なむかし話ですね。

しかしこんな怖いお話も……

一寸は約3センチ、老父母はちっとも大きくならない息子を気味悪がったので

一寸法師は家出をし、京の宰相の屋敷に入り込み、その娘に一目惚れしました。

しかし相手にされないので悪巧みをします。

寝ている娘の口元にお供えの米を散らかし、空袋を手にわんわん泣き真似をして、

大事な蓄えの米を娘に盗られたと騒ぎました。

宰相殿は娘を罰しようとし、一寸法師は娘と一緒にお屋敷を出ました。

2人で彷徨って流れ着いた気味の悪い島は鬼だらけ。

一寸法師は鬼の目に入り込んで針の刀でチクチク刺して鬼を退治し、

鬼の忘れた打ち出の小槌で大きな身体になりました。

「えっ、一寸法師、悪い奴じゃん??」って思いました。
 

 

 





かちかち山です。

かちかち山のモデルは山梨県の天上山、

ウサギが木舟、タヌキが泥舟を漕いで、

タヌキが沈んでいった場所が河口湖だと言われているそうです。

カチカチ山ロープウェイなる観光施設もあるそうです。

むかし話はサラッと話してしまうとただのお話ですが、実は残酷なお話が多いようです。

カチカチ山も、お爺さんは捕らえたタヌキをタヌキ汁にするようお婆さんに言いつけ、

タヌキはお婆さんを騙してババア汁(失礼?)をお爺さんに食べさせます。

ウサギも敵討ちとはいえ、大火傷を負わせ、傷口に辛子を塗りつけ、

最後は泥舟に乗せて溺死させてしまいます。

幼な子に話すには残酷なお話かもしれませんね。
 

 

 





狐の嫁入りです。

ネズミの嫁入りは知っていましたが、狐の嫁入り知りませんでした。

昔、日照りに苦しむ村人は龍神に生け贄を差し出して雨乞をしようと決めましたが、

誰も自分の娘は出したくありません。

そこで狐の村の村長を騙し、

働き者の竹蔵に娘に化けた狐を嫁入りさせようと持ちかけました。

狐村長の娘お紺は綺麗な娘の姿で嫁いできました。

竹蔵は綺麗なお紺が愛おしくなり、これは生け贄の罠だと告白しましたが、

お紺は薄々知っていたが前から竹蔵が好きだったから承知で来たと告げます。

雨乞の祝詞が済むと龍神が現れお紺を大池の中へ連れ去ってしまいました。

陽が差しているのに辺りには大粒の雨が降り竹蔵は悲しく生涯を送ったそうです。

お紺はもちろん竹蔵も可哀想です。

 

昔話とか童話とかには恐ろしい要素も入っていて

因果応報の教えが込められている場合が多いようです。

 

 

 

迷惑台風5号は各地に被害を及ぼして北上しました。

その影響もあるのでしょうか、

各地でスーパー猛暑と呼ばれる37度超えの厳しい暑さになっています。

 

水分補給と適度な冷房、十分な睡眠とお食事を心がけて

楽しい連休をお過ごしくださいませ。

 

  日本土鈴館

 

 

伝統こけし・遠刈田系

  • 2017.08.07 Monday
  • 11:15

皆さま、こんにちは

何日も迷走していた台風5号が日本を縦断しようとしています。

すでに深刻な被害も出ていて

これからも心配な状況が続きます。

どうぞ皆さま、充分ご注意くださいませ。

今日は土鈴館も戸締り等の確認が済み次第休館とさせていただきます。


 

 

さて、遠刈田系の伝統こけしのご紹介です。

 

宮城県遠刈田温泉を中心に作られています。

胴は円柱形で首のところで細くなります。

頭は胴に対して大きめで、頭頂に放射状の模様が描かれます。

胴模様にはかさね菊が描かれることが多く、

他には木目、桜くずし、梅などがあるそうです。

差し込み式の構造になっています。

 





大森久一工人 作(1尺)

昭和7年生まれの工人の作品です。

円柱形の胴、大きめの頭、頭頂部の模様、かさね菊…

遠刈田系の特徴がよくわかります。

大森工人は昭和40年頃から伝統こけしを本格的に作り、

佐藤吉弥・哲郎親子の作風をしっかり伝承されたとの解説をよみました。

素人目にも、こけしらしいこけしだなあと思います。





佐藤勝洋工人 作(8寸)

昭和19年生まれの工人さんです。

師匠であり父である佐藤護工人の型を写したとの解説を読みましたが

似てるようでちょっと違うような…

大きく弧を描く眉と目、すごく離れていて愛嬌があり、優しい表情に見えます。





小笠原義雄工人 作(1尺)

昭和11年生れの工人さん44歳の作品です。

墨の濃淡だけで彩色され、ただ一点、唇が朱色で描かれていて引き立ちます。

赤や緑、黒で華やかに彩色されたこけしもいいですが

このようにまるで墨絵のように描かれたこけしも味わいがあります。

 

 

 

 

 

 

与名本豊工人 作(6寸)

昭和9年生まれの工人さんです。

佐藤吉之助工人のお弟子さんの一人です。

胴より大きめに頭、頭頂部の赤い放射状の模様、

円柱形の胴とかさね菊の胴模様。

素人の私にもわかりやすいです。

 

 

 

 




佐藤照雄工人 作(4寸5分)
大正8年生まれの工人さんです。師匠は佐藤静助工人です。

緑の葉が褪色していますが、

裾に描かれた一輪の梅やお顔、襟元などは鮮やかに残っています。

 

 

 

 

 




佐藤三蔵工人 作(4寸5分)
大正14年生まれの工人さんで、先の照雄工人の弟さんです。

三蔵工人は父豊治工人を師匠として修行しました。

豊治型と言われる師匠の型の復元に力を注ぎました。

兄弟の同寸、ともに古型のこけしの見比べも興味深いものです。

 

 

 

 

 

 

今日は遠刈田系の伝統こけしをご紹介しました。

 

 

華やかな感じがするこけしが多かったように思います。

 

  日本土鈴館

 

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