年賀切手と郷土玩具・4

  • 2020.10.30 Friday
  • 11:19

皆さまこんにちは

最近朝晩の冷え込みが急に厳しくなってきました。

寒がりの館長は石油ストーブと電気ストーブの間のポカポカの特等席で過ごしています。

 

 

 

さて、今日も年賀切手のデザインに採用された郷土玩具をご紹介します。

昭和45年(戌年)の年賀切手は法華寺の守り犬です。

 

 

 

奈良県法華寺の守り犬は厄除け、長寿、安産のお守りとして授与されます。

護摩堂の灰と土を練りこんで成形、乾燥させ、胡粉で着色した後

雲母粉で磨き上げ、最後に模様を施して完成させるそうです。

大変由緒と歴史のあるもので、

法華寺HPによれば精進潔斎した門主と尼僧のみが作ることを許されるようです。

 

 

 

 

 

昭和46年(亥年)の年賀切手はスゲ細工の猪です。

 

 

 

新潟県妙高市平丸地区で作られるスゲ細工は

雪深い山間に暮らす人々の冬の副業として作られています。

歴史はさほど古くなく昭和30年代から制作されたようです。

スゲというのはカヤツリグサの仲間の総称でどこにでも生えています。

現在はスゲ細工の保存会を通じて継承活動が続けられています。

 

 

 

 

 

昭和47年(子年)の年賀切手は一般的な宝船、

昭和48年(丑年)の年賀切手は色絵土器皿梅模様、

昭和49年(寅年)の年賀切手は梅竹透釣灯ろう、

昭和50年(卯年)の年賀切手は桂離宮水仙の釘隠し。

なぜか急に郷土玩具が外されてしまいました。

 

 

 

 

 

 

昭和51年(辰年)の年賀切手は三春張子の辰車、郷土玩具の復活です。

 

 

 

福島県の三春張子は高柴デコ屋敷で作られています。

江戸の初めころ、農閑期の副業として三春藩主が農民に習得させた郷土玩具です。

十二支の中で唯一空想上の生き物であり誰も見たことのない干支ですが

勢い良く天を翔ける姿は誰もが想像できて、十二支の中でも1.2の人気者です。

ちなみに館長は辰年です。

 

 

 

 

 

昭和52年(巳年)の年賀切手は竹ヘビです。

 

 

 

神奈川県伊勢原市・大山寺の参道で売られている竹ヘビです。

大山の竹ヘビだったのかどうかは分かりませんが

私が子供の頃、観光地のお土産屋さんには必ずと言ってよいほど竹ヘビが売られていました。

蛇は怖いくせに、このおもちゃはくねくねと面白い動きをするので

いつも手に取って動かしてみた記憶があります。

このおもちゃが神奈川の郷土玩具だったということを初めて知りました。

 

 

 

 

 

昭和53年(午年)の年賀切手は飾り馬です。

 

 

 

 

 

 京都・伏見人形の飾り馬です。

 

年賀切手と全く同じ伏見の飾り馬ではないようですがどちらも伏見の飾り馬です。

厳密には賀茂の祭などで美しく飾り立てた馬に唐鞍を載せた馬を指すようです。

 

 

 

 

昭和54年(未年)の年賀切手はひつじ鈴です。

 

 

 

秋田県横手市・中山土人形の未鈴です。

江戸の終わりころ、鍋島藩の陶工だった野田宇吉が中山の地に移り住み

生活雑器などを作り始めたのがそもそもの始まりだそうです。

中山人形として土人形を作り始めたのは息子の嫁となった樋渡ヨシさんでした。

以来樋渡家に受け継がれています。

 

 

日本土鈴館

 

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    動く郷土玩具・1

    • 2020.10.21 Wednesday
    • 13:16

    皆さまこんにちは

     

     

    おもちゃはもともと動かして遊ぶものですが

    郷土玩具の世界では主に眺めて楽しむという作品の方が多いようです。

    しかし単純な仕掛けでもちょっと動きがあったり動かせたりできると

    グッとおもちゃ感が増してくるように思います。

    今日は動かせる木地玩具をご紹介します。

     

     

     

    富山県旧利賀村・中谷信一さんの狸ばやしです。

     

     

     

     

     

     

    仕掛けは簡単なのびたりちじんだりするおもちゃです。

    満月の夜、狸が勢ぞろいしてぽんぽことお腹をたたいているところです。

     

     

     

     

     

     

    同じく中谷信一さんの蛇の親子です。

     

     

     

    親へびの両脇の車輪に二匹の子へびが見えます。

    親へびの尾を前後に押したり引いたりすると車輪の回転と共に

    子へびが左右交互に動くように見えます。

    動画でご紹介できず残念ですが、滑らかな面白い動きです。

     

    富山県旧利賀村(現南砺市)の役場職員だった中谷さんは

    観光資源の乏しい山深い土地柄を逆手にとって

    木地玩具の制作などを手掛け、多くのとがのからくり人形を作られました。

     

     

     

     

     

    宮城県遠刈田温泉の木地玩具・とらくるまです。

     

     

     

    二輪の虎はひもを引っ張ると動き出し、赤い舌を出したり引っ込めたりします。

    単純な動きなのですが可愛らしいおもちゃです。

     

     

     

     

     

    同じく遠刈田温泉のえびくるまです。

     

     

    とらくるまと同じように紐を引くと動き出します。

    えびの2本の触角がのびたり引っ込んだりします。

     

     

     

     

     

    宮城県白石市・弥治郎こけしのメリーゴーランドです。

     

     

     

    こけしの笠のつまみを回すと3個の達磨が勢いよく回ってメリーゴーランドです。

    おとぼけ顔のこけしの周りをいかめしい達磨が回っておもしろいです。

     

    これらの木地玩具はこけしと共に温泉のお土産として作られています。

     

     

     

     

     

    富山県越中五箇山の餅つきです。

     

     

     

    台に付けられたつまみを指で押したり離したりすると息のあった餅つきが始まります。

    姉様かぶりのお母ちゃんが餅を返しねじり鉢巻きのお父ちゃんが杵を振るいます。

    作者は池田善治さん、戦後雪深い山里でたくさんのからくり玩具を製作されました。

     

     

    日本土鈴館のからくり玩具の展示ケースには

    ご紹介しきれないほどたくさんのからくり玩具が展示してあります。

    どの作品も昭和という時代を懐かしく思い起こさせてくれるようです。

    日本土鈴館

     

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      年賀切手と郷土玩具・3

      • 2020.10.14 Wednesday
      • 12:37

      皆さまこんにちは

       

       

      今日は昭和40年から5年間の年賀切手と郷土玩具をご紹介します。

      昭和40年(巳年)の年賀切手は麦藁蛇です。

       

        

       

       

       

       

      東京の古玩・麦藁蛇は富士山の山開きに合わせて授与されます。

      浅間神社(お富士様)のお守りで疫病除けのご利益があるとされます。

      その歴史は古く江戸時代の中頃から継承されています。

      富士講と呼ばれる人々が富士山に見立てた小さな山をあちらこちらに作るほど

      富士山信仰が盛んだったそうです。

      ひし形の口からは真っ赤な附木の舌が覗いています。

       

       

       

       

       

      昭和41年(午年)の年賀切手はしのび駒です。

       

       

       

       

       

       

      岩手県花巻地方の郷土玩具・忍び駒は稲藁と布で作られています。

      円万寺観音に伝わる郷土玩具で縁結び・子孫繁栄を祈願して

      その名のとおりそっと人目を忍んで藁馬をお供えし、

      願い事がかなった折には美しい布や鈴で馬を着飾ってお礼参りをしました。

      この忍び駒の作者は小田島竜二さんです。

       

       

       

       

       

      昭和42年(未年)の年賀切手は奈良一刀彫のひつじです。

       

        

       

      奈良人形(奈良の一刀彫)は春日若宮おん祭に用いられる高砂を起源とし、

      桃山時代になって祭礼とは関係なく工芸品として伝えられるようになったそうです。

      春日大社から毎年干支の一刀彫が授与されます。

      奈良人形を製作するのには高い技術が必要です。

      干支のほか、鹿、能狂言、おひな様、五月人形などがあります。

       

       

       

       

       

      昭和43年(申年)の年賀切手はのぼり猿です。

       

       

       

      宮崎県ののぼり猿は延岡藩の士族の妻の手内職として作られるようになりました。

      子供の立身出世と無病息災の願いがこめられ、

      菖蒲の描かれた幟に張り子の猿が付けられています。

      風を受けると猿が昇っていくという縁起の良い郷土玩具です。

       

       

       

       

       

       

      昭和44年(酉年)の年賀切手は笹野一刀彫の鶏です。

       

       

       

      山形県米沢市の笹野一刀彫は笹野観音堂の創建と共に縁起物として伝わったとされ

      長い歴史と伝統を誇る郷土玩具です。

      コシアブラの原木をサルキリという特殊な刃物で削り出します。

      代表的なお鷹ポッポや恵比寿大黒などの縁起物、蘇民将来などの作品があります。

       

       

      日本経済が面白いように成長した時代の年賀切手と郷土玩具をご紹介しました。

      日本土鈴館

       

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        年賀切手と郷土玩具・2

        • 2020.10.09 Friday
        • 10:17

        皆さまこんにちは

         

        台風14号が強い勢力を維持したまま北上を続けています。

        また大きな被害が出るのかと心配になります。

        できる備えは早めに済ませ、後はじっと過ぎていくのを待つしかないようです。

        どなた様も充分お気をつけくださいませ。

         

         

        さて、今日も年賀切手に採用された郷土玩具のご紹介をします。

        早速見ていきましょう。

         

         

         

        昭和33年(戌)の年賀切手は江戸玩具の犬張子です。

         

         

         

        犬張子は東京(江戸)の代表的な郷土玩具です。

        安産でたくさんの子供を産む犬にあやかって作られた犬張子は

        魔除け・無病息災・安産・子供の健やかな成長を祈願して贈られます。

        年賀切手も多色刷りできれいになってきました。

        日本の復興が順調に進み始めているのがわかります。

         

         

         

         

        昭和34年(亥)の年賀切手は香川・高松張子の鯛恵比寿です。

         

         

         

        張子は人間国宝宮内フサさんの87才の作品です。

        切手はシートではなく1枚です。館長、シートが欲しかったでしょうね…

         

         

         

         

         

        昭和35年(子)の年賀切手は米食いねずみです。

         

         

         

        中島めんやさんの案内によると、

        米食いねずみは1830年ごろ、足軽小物の手内職として作られたのがその始まりだそうです。

        しなった薄い竹のバネを握るとねずみがお米を食べる仕掛けです。

        このおもちゃは金運を授けてくれるそうです。

         

         

         

        昭和36年(丑)の年賀切手はベコです。

         

         

         

         

         

          

         

        福島県の赤ベコと岩手県の金ベコが並んでいます。

        ゆらゆらと首を振る張り子の赤ベコは会津地方の代表的な郷土玩具です。

        その歴史は古く天正年間にさかのぼると言われます。

        岩手にも多くの牛玩具がありますが

        この千両箱を背負った縁起のいい黄金の金ベコが採用されました。

         

         

         

         

         

        昭和37年(寅)の年賀切手は虎の張子です。

         

         

         

        島根県の出雲張子です。

        出雲地方では古くから節句に虎を飾る風習があったそうです。

        虎には魔除けの力があり、力強い姿に子供の健やかな成長を重ねました。

        虎の張子は日本各地にみられますが秀逸な出雲の虎が選ばれたのもうなずけます。

         

         

         

         

         

        昭和38年(卯)の年賀切手は能古見のうさぎ土鈴です。

         

         

         

        佐賀県の能古見人形は戦後、祐徳稲荷神社のお土産として作られるようになりました。

        能古見の干支土鈴はシンプルなデザインながら

        兎の優しく穏やかな様子がよく表れた作品です。

        能古見の土鈴には竹の皮の紐が付けられていて味わいがあります。

         

         

         

         

         

        昭和39年(辰)の年賀切手は竜神と辰です。

         

         

         

         

         

         

        左は山梨県の甲斐の招福の竜(福竜)です。

        甲府盆地がまだ湖だったころの伝説です。

        湖の竜王が貧しい暮らしの人々を救うため湖を明け渡して昇天しました。

        人々は湖を干拓し農地を拓いて豊かになりました。

        天に昇って人々に福を招いてくれた竜王の姿を表した郷土玩具です。

         

        右は鳥取県・岩井温泉おぐら屋の木地玩具です。

        岩井温泉は1300年以上の歴史のある温泉です。

         

         

        このころになるとその年の干支に関係する郷土玩具を選ぶ

        というスタイルが定着してきたようです。

        今日は昭和33年から39年の年賀切手の郷土玩具をご紹介しました。

         

        日本土鈴館

         

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          年賀切手と郷土玩具・1

          • 2020.10.01 Thursday
          • 13:38

          皆さまこんにちは

           

           

          コロナ禍、集中豪雨、酷暑、台風……

          今年は本当に大変なことばかり起きています。

          それでも季節は確実に進み今日から10月です。

          毎年秋が深まると年賀状の準備や来年の干支の準備に追われますね。

           

          実は土鈴館には年賀切手と郷土玩具を一緒に展示しているコーナーがありますが

          この展示ケースに目を止められる方はあまり多くありません。

          しかしこの展示ケースは館長のご自慢の展示ケースなのです。

          これから何回かに分けて年賀切手になった郷土玩具をご紹介します。

           

           

          戦後に昭和24年用の年賀切手が発行されたのは昭和23年12月13日です。

          女の子の「はねつき」です。

          昭和25年用の年賀切手は昭和25年2月1日に発行されたので

          お正月には間に合わなかったようです(残念ながらこれはありません)。

           

           

           

          昭和24年年賀切手・はねつき      昭和26年年賀切手・うさぎと少女

           

           

           

           

           

          昭和27年年賀切手・おきなの面     昭和28年年賀切手・三番叟人形

           

           

           

           

           

           

          昭和29年の年賀切手からデザインに郷土玩具が採用されるようになりました。

          午年ということもありトップバッターになったのは福島県の三春駒です。

           

            

           

           

          切手は1枚5円、日本がまだまだ貧しかったことをうかがわせるように

          切手はペラペラで使われる色も少なくもちろん糊もついていません。

           

           

           

           

          昭和30年(未)の年賀切手は八幡の起き上りです。

           

           

           

          石川県の代表的な郷土玩具・起き上りは

          応神天皇御生誕の折、真っ赤な真綿のおくるみを用いたとの故事に由来します。

          加賀八幡起き上りを箪笥に入れておくと着るものに困らないそうです。

           

           

           

           

          昭和31年(申)はこけしです。

           

           

           

          東北地方の代表的な郷土玩具・こけしがモデルになっています。

          切手の図柄も色合いもきれいになっています。

           

           

           

           

          昭和32年(酉)はだんじりです。

           

           

           

          長崎の郷土玩具・鯨のだんじりです。

          諏訪神社の秋祭り「長崎くんち」で奉納されるだんじりのひとつで

          鯨曳きとも呼ばれ、巨大な鯨のだんじりを総出で引き回すそうです。

          幕末の頃、鯨曳きが郷土玩具になり伝えられてきました。

           

           

           

          昭和32年までの戦後の年賀切手と郷土玩具の組み合わせをご紹介しました。

          このころはまだ干支に関係なく郷土玩具が選ばれているようです。

          日本土鈴館

           

           

           

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            高砂

            • 2020.09.23 Wednesday
            • 10:42

            皆さまこんにちは

             

            秋の四連休をどうお過ごしでしたか。

            コロナと共存をせざるを得ない中、今までにはない準備や注意が必要ですが

            日頃会えない人に会ったり、どこかに出かけることは人生の大きな楽しみのひとつです。

             

            今年は第三月曜日が敬老の日で22日の秋分の日が続いて四連休となりました。

            特別な日だけでなく、日常的に敬老精神を培うことは大切なことです。

            というわけで、今日は高砂をご紹介します。

             

             

             

             

             

             

            兵庫県養父市葛畑の前田家に伝承された葛畑人形の高砂です・

            天保年間、初代前田友助が伏見人形を学んで

            農業の傍ら、葛畑の地で土人形を作り始めました。

            しかし残念ながら4代目前田俊夫氏が昭和63年に亡くなられて廃絶となりました。

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

            岐阜県・旧姫路村の姫の土人形です。

            兵庫県の姫路村との混同を避けるため姫の土人形と呼ばれています。

             

            高砂と聞くと今は結婚式の披露宴で新郎新婦の席を思う方が多いと思います。

            兵庫県の高砂神社は高砂の松で有名な神社です。

            赤松と黒松の2本の松は根元が1本に合体している珍しい松で

            相生の松とも呼ばれているそうです。

            この松のように夫婦が仲良く一生を共にするようにとの願いから

            結婚式のメインテーブルは高砂と呼ばれています。

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

            岐阜県・市原土人形の高砂です。

             

            お能の演目に高砂があります。

            「高砂や〜この浦舟に帆をあげて〜」の謡曲の一部は何かしらで聞き覚えがありますね。

            尉と姥は相生の松の木の精なんだそうです。

            松の木はいつも青々として葉を落とさないことから神の宿る神聖な木と信じられ、

            更に雌雄の別があることから夫婦に見立てられるようになりました。

            高砂は夫婦円満と長寿の象徴となっています。

             

             

             

             

             

             

             

             

             

            この高砂、どこの作品か館長もはっきりとわからないそうです。

            後ろ姿まで丁寧に彩色されていて美しい作品です。

            三河地方の作品じゃないかなあ〜とのことでした。

             

            尉は熊手を持っていて福をかき集めます。

            姥は箒を持っていて邪気を祓ってくれます。

            高砂は縁起が良くおめでたいお人形です。

             

             

             

             

             

             

             

            熊本県・天草土人形の高砂です。

            天草土人形と書いて「あまくさどろにんぎょう」と読むそうです。

            天草の土人形は山姥と金時が有名です。

            享保年間から昭和20年代に至るまで広田家に伝わった郷土玩具ですが

            残念ながら廃絶となり、現在は保存会の活動により継承が試みられています。

             

             

            今日は高砂のご紹介をしました。

            全国のおじいちゃま、おばあちゃま、どうぞお元気で。

            日本土鈴館

             

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              組物の土人形・2

              • 2020.09.16 Wednesday
              • 14:01

               

              皆さまこんにちは

               

              いつまでも暑い暑い!と愚痴っていましたが

              さすがにこの頃は朝夕が肌寒いほどになってきました。

              山栗のイガから小さな栗の実がはじけて転がっています。

              もうすぐ寒がりの館長が電気ストーブを引っ張り出してくるでしょう。

               

               

              さて、昨年(2019.5,21)に組物の土人形をご紹介しましたが

              今日は三河大浜土人形の組物をご紹介します。

              題材は日本人の大好きな(あるいは大好きだった)忠臣蔵です。

               

               

               

               

               

                

               

              松の廊下でにらみ合うのは

              堪忍袋の緒が切れた塩谷判官(浅野内匠頭)と憎まれ役の高師直(吉良上野介)です。

              江戸城内にあった松之大廊下は本丸御殿大広間から将軍との対面所に通じる大廊下で

              長さ50メートル、幅は4メートルもあったそうです。

              松と千鳥の襖絵が続く大廊下で刃傷事件が起きたのは元禄14年3月14日の午前11時半です。

              何度となくドラマや映画になった忠臣蔵ですがどれも

              浅野内匠頭は端正な顔立ちの俳優さん、

              吉良上野介は見るからに憎たらしい顔つきの俳優さんが演じています。

               

               

               

               

               

               

               

               

                    

               

              一力茶屋の場面です。

              敵の目をごまかすために一力茶屋で毎晩のように遊び惚ける由良之助(内蔵助)に

              息子の力弥(大石主税)が密書を手渡す場面です。

               

               

               

              製作されたのが少し新しいのでしょうか…この力弥は色白でイケメンです。

              土人形作りでの型の継承の重要性がわかります。

               

               

               

               

               

               

               

                

               

              忠臣蔵討ち入りの場面です。

              大石良雄(内蔵助)と寺阪(寺岡)平右衛門です。

              赤穂四十七士が吉良邸に押し入ったのが元禄15年12月14日の未明でした。

              内蔵助の打ち鳴らす山鹿流陣太鼓が響く中、

              逃げ隠れしていた吉良上野介を見つけ出し無念の死を遂げた主君の仇討を果たしました。

               

               

              昔は(昭和の時代は)12月になると必ず忠臣蔵のドラマや映画が流れました。

              紅白歌合戦で三波春夫さんが熱唱された

              浪曲仕立て・忠臣蔵(俵星玄蕃)はとても格好良かったです!

              昭和の年末に忠臣蔵は欠かせませんでした。

               

               

              今日は組物・三河大浜土人形の忠臣蔵をご紹介しました。

              日本土鈴館

               

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                たまちゃんの世界

                • 2020.09.08 Tuesday
                • 14:30

                皆さまこんにちは

                 

                館長の友人であり土鈴作家であり張子作家でもあった海老天たまこさん。

                そのあまりにも早すぎる急逝の報に驚き悲しんだのは昨年の12月のことでした。

                 

                 

                1961年、岡山県倉敷市に生まれた海老天たまこさんは

                奈良市に居を構えられ2008年から土鈴の製作を始められました。

                「たまたまタイムスvol.7」によりますと

                亡くなられるまでの約12年間で1200種類の土鈴を製作されたそうです。

                その作風は独創的で大胆で明るくて温かいものでした。

                 

                 

                 

                 

                 

                時の人、菅義偉さんが一躍有名になった「令和おじさん」

                その歴史的な一瞬を海老天たまこさんは土鈴に表現されました。

                まさに平成から令和へのバトンタッチです。

                小さな土鈴ですがどこから見ても楽しめる工夫がされています。

                 

                 

                 

                 

                こちらは落語土鈴の「住吉駕籠」…上方古典落語の演目だそうです。

                頓珍漢な二人の雲助とお客とのやり取りを扱ったものでその舞台は住吉大社です。

                この土鈴も前後上下どこから見ても楽しめるように作られています。

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                だるま乗せこけしの土鈴です。

                海老天たまこさんの作品はユニークです。

                おいしそうなショートケーキの土鈴の苺がおひな様だったり

                盆踊りのやぐらの上に春駒が乗っていたり

                可愛いうさぎの耳に赤い蛸が絡まっていたり…

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                楽しい猫の両面土鈴です。

                ふきんは布で作られています。

                 

                 

                 

                 

                 

                鹿男から大仏様への暑中お見舞いです。

                表面に和紙が貼られていて本当に投函できそうな気がします。

                大仏様と鹿男はレリーフになっています。

                 

                 

                 

                 

                遺作・南都八大寺仏さま巡りです。

                型までは出来ていたものの完成しないまま急逝されたため

                旦那様の吉田満さんが焼成・絵付けをして完成した土鈴です。

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                海老天たまこさんの追悼展が開催されます。

                2020年9月19日〜10月4日 奈良・瑜伽さんにて

                2020年9月29日〜10月4日 岡山・天神山文化プラザにて

                 

                 

                多くの方に海老天たまこさんの温かい世界を知って頂けますように。

                日本土鈴館でも多くの作品を常設展示しています。

                 

                 

                 

                たまちゃんの贈り物です。

                たくさんの温かい作品を残してくださってありがとうございました。

                合掌

                日本土鈴館

                 

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                  犬山土人形展示ケースより・2

                  • 2020.09.01 Tuesday
                  • 10:09

                  皆さまこんにちは

                   

                  今日から9月です。

                  コロナ禍に加えて生命の危険を感じるほどの酷暑が続き

                  猛烈な台風9号が現在沖縄に接近しています。

                  安全に暮らすことの難しさを思い知らされる気が致します。

                   

                   

                  さてそんな中、おかげさまで館長が92才のお誕生日を元気に迎えました。

                  と言って、特別何かをするわけでもなく

                  いつも通りに蒐集品に囲まれて過ごす一日となりそうです。

                   

                   

                   

                  では、今日も犬山土人形の展示ケースからのご紹介です。

                   

                   

                   

                   

                  おぼこです。あどけない少女ですが30僂鯆兇垢里辰櫃気鵑任后

                  背面に「明治九年」の書き込みがあります。

                  大きな作品なのに明治、大正、昭和、平成、令和と無傷で残ってくれています。

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                  舞姫です。(24僉

                  檜扇をかざして優雅に舞う十二単の女性です。

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                  子負いです。(23僉

                  お母さんでしょうか、ねえやでしょうか…

                  おんぶされている子供の嬉しそうな表情に気持ちが和みます。

                  経年の汚れが白い綺麗なお顔についてしまっていますが

                  作られた当時はさぞかしきれいな作品だったでしょうね。

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                  武田勝頼(24僉砲犯重垣姫です。

                  歌舞伎の三姫に数えられる八重垣姫は三姫の中でも演じるのが難しい大役だそうです。

                  勝頼の窮地を救うため諏訪明神の白虎の力を借りて

                  凍てついた諏訪湖を渡っていくというすさまじい恋のお話だそうです。

                  三姫(雪姫・時姫・八重垣姫)の中でも八重垣姫の土人形が一番多い気がします。

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                  御高祖頭巾のご婦人です。

                  26僂曚匹妊ラが入れられていて振ると音がします。

                  御高祖頭巾は江戸時代の女性のファッションで

                  頭からすっぽり頭巾をかぶって寒さをしのいだそうです。

                  この女性、とても上品でありながら妖艶な気配も感じます。

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                  歌舞伎に登場する汐汲です。28僂曚匹妊ラが入っています。

                  昔の娯楽の本命は歌舞伎、多くの登場人物が土人形に作られています。

                  海女の苅藻(みるめ)の艶やかな姿です。

                   

                   

                  今日は犬山土人形の美しい女性たちをご紹介しました。

                  日本土鈴館

                   

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                    犬山土人形展示ケースより

                    • 2020.08.25 Tuesday
                    • 10:10

                    皆さまこんにちは

                     

                    館長が土人形の展示ケースを整理している様子を以前ご紹介しました。

                    整理はまだまだ途中ですが

                    連日のこの暑さのため熱中症が心配ですから作業は小休止です。

                     

                     

                    犬山土人形の整理が進んでいましたから何点かご紹介します。

                     

                     

                     

                     

                    日本一の桃太郎です。(25僉

                    少しおじさん顔の桃太郎です。

                    今の時代、桃太郎として思い浮かべる顔はアニメや童話の挿絵の影響で

                    丸顔で大きな目で愛らしい姿ですが昔の桃太郎はこういうイメージだったのですね。

                    明治元年の書き込みがあります。すごいですね。

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                    三番叟です。ポーズが決まってますね!

                    式三番で翁の舞に続いて舞われる伝統芸能で、能楽では狂言役者が舞うそうです。

                     

                    犬山土人形は江戸の終わり頃から作られ明治期にその最盛期を迎えました。

                    土人形作りが盛んだった中部圏の多くの土人形に大きな影響を及ぼしました。

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                    18僂曚匹苓疇源劼任后

                    口元に緑色の着色が残っていますが、これも犬山土人形の特色のひとつです。

                    裃の正装をした男の子のお人形で立っていたり座っていたりしますが

                    日本各地に裃童子のお人形が見られます。

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                    布袋尊です。ガラ入りで振るとカラカラと音がします。

                    背面の書き込みに「大正三年」とあります。

                    よほど嬉しかったのでしょう…名前の下に「…の物なり」と書かれています。

                    すっかり汚れてしまった布袋様ですがこれまで多くの人に

                    愛でられ受け継がれ、多くの幸せをもたらしてくれました。

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                    子供大将(23僉砲搬臂(27僉砲任后

                    大将は兜から加藤清正だと思われます。この大将にもガラが入っています。

                    見たら欲しくなるのがコレクターなんでしょう、

                    展示ケースには子供大将や武将のお人形がいっぱいありました(笑)

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                    犬山土人形は良質な粘土を使った薄造りのため驚くほど軽くまた淡い彩色が特徴です。

                    残念ながら犬山土人形は大正の終わりには廃絶してしまいました。

                    100年以上の時の経過の中で今に残っている貴重な作品ばかりです。

                     

                    日本土鈴館

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