福禄寿

  • 2019.10.09 Wednesday
  • 11:04

皆さまこんにちは

今日はすっきりとした秋晴れでちょっと肌寒く感じます。

しかし今週末は台風19号が日本を直撃しそうです。

台風15号の被害もまだまだ復旧していない中、本当に心配です。

まして15号より大型で強い台風とのこと。

台風は避けられませんが、備えは今からでも間に合いますね。

被害が大きくならないことを祈るばかりです。




さて、今日は福禄寿のご紹介です。


福岡・博多土鈴 井上博秀さんの福禄寿土鈴です。

頭の形がデフォルメされていて「ザ・福禄寿」といった感じです。

一度見たら忘れられない特徴的なお顔の神様

この頭の長〜い神様が福禄寿です。






 

日吉琴コレクションの中にある福禄寿土鈴です。

二福神の乗った宝船土鈴と共に作られた小さな戦前土鈴です。






愛知・富田土鈴(起土人形)中島一夫さんの福禄寿です。

福禄寿は元々は中国の三大宗教の一つ、道教の神様だそうです。

(三大宗教…儒教・仏教・道教)






滋賀・小幡土人形 細居文蔵さんの福禄寿です。

道教は古代の民間信仰から生まれ不老長寿を願って修行を重ねて

不老不死の仙人になることを究極の理想とする宗教だそうです。

道教において南極老人星の生まれ変わりとされるのが福禄寿です。

福禄寿はお星さまなんですね。





愛知・犬山土人形の福禄寿です。

福禄寿がお星さまだという逸話をご紹介します。

中国・宗の時代のお話に登場する背の低い頭と髭の長い老人は大層な大酒飲みでした。

しかしどんなに飲んでも酔いません。

噂を聞いた仁宗皇帝は100升の酒を用意して老人に振る舞ったところ、

老人は70升を飲んだ頃平然と宮殿から立ち去りました。

翌日星を見る役所の長が、

その老人は寿座の近くに行ったまま忽然と見えなくなったと報告すると、

仁宗皇帝はあの老人が寿座の化身だったと確信したそうです。

寿座は福座、禄座とともに三星と呼ばれ信仰の対象だったそうです。

こちらも犬山土人形の古い作品です。

巻物を広げて見せてくれている珍しいお姿です。

巻物には松竹梅と宝珠の絵が描かれています。

福禄寿の福は子宝に恵まれる幸福の福、禄は高い身分や財産を意味する禄

寿は長寿そのもの、すなわち幸せに豊かに長生きをするという神様です。






長野・中野土人形 立ケ花の福禄寿です。

つやつやとして美しいお人形です。

福禄寿が日本に伝わったのは室町時代の頃のようです。

長い頭と長い白髭の仙人のような姿は水墨画の画題に好まれたそうです。

描かれる姿は宝珠や巻物を括り付けた杖を持っていることが多いそうです。

今日は福禄寿のご紹介でした。

日本土鈴館

郷土玩具のトラ・1

  • 2019.10.02 Wednesday
  • 13:54

皆さまこんにちは


今日は郷土玩具になったトラのご紹介です。

今回は土鈴ではなく、土人形や生地玩具、紙などの虎に絞ってみました。



 

愛知・乙川人形5代目杉浦定吉さんの招き虎です。

乙川人形は江戸時代(文化文政の頃)に飛脚業の杉浦伊左衛門が京都の伏見人形に倣い

現在の半田市で人形作りを始めたのが創始といわれる郷土玩具です。

土人形作りが盛んに起こった中部地方でも早い時期から制作されたようです。

こののんびりした虎の表情が愛くるしいです。

 

 





 

京都・伏見土人形の達磨乗りトラです。

何となくとぼけた表情の達磨が面白い作品です。

達摩大師の子供のような両足がちょこっと見えています。



 

 


 

熊本・宇土張り子坂本カツさんの虎車です。

首振りになっています。

宇土張り子の始まりは明治の初めとされています。

昔から伝わる虎の張子が台座に付けられていて押したり引いたりして遊びます。

動かすたびに小枝を切っただけの車がゴトゴトと回り

虎が首を揺らすので遊んだ子供も楽しかったでしょう。

 

 





 

山県・笹野一刀彫の虎です。

七代目・辰五郎さんの作品です。

耳と長くクルリと巻いた尻尾を見てください。

不用意に触ると折れてしまいそうな繊細な技ですね。






 

島根・出雲張り子の首振りです。

昭和37年の年賀切手のモデルにもなりました。

出雲地方では古くから端午の節句に虎を飾る習わしがあったそうです。

虎は武運長久・魔除け・勝負強いという縁起のいい動物で

男の子の健やかでたくましい成長を願って飾られました。

首振りの虎ができたのは明治の初めころだそうです。

長くピンとした尻尾は取り外すことができます。

 






  

 

二つの虎車

左は浜松張子・4代目二橋加代子さんのころがしです。

右は宮城・遠刈田の木地玩具二つ車です。

同じ虎車も紙でできた軽い張子と木地玩具のどっしりした虎車と

こうして並べてみると面白いですね。

張子のころがしは大きな車輪の間で虎がゆらゆら動きます。

木地玩具の虎はひもを引くと赤い舌を出したり引っ込めたりしながらゴロゴロっと動きます。

 



今日は虎の郷土玩具をご紹介しました。

まだまだたくさんの虎たちがご紹介を待っています。

近いうちにご紹介できればと思っています。

 

日本土鈴館

 

弁財天

  • 2019.09.24 Tuesday
  • 13:18

皆さまこんにちは

 

台風17号が日本海を進んで昨日は蒸し暑かった郡上市ですが

今日はすっかり秋の空気に包まれています。

日本土鈴館が毎年作って新年のご挨拶に使っているカレンダー。

郷土玩具好きの方が古くなった年の物をちゃんちゃんこに仕立てて

館長にプレゼントしてくださいました。




 

 

如何ですか。館長のお気に入りです。

今日のように少しひんやりした日には暖かくて快適だそうです。

大黒様も館長も満面の笑みで福招きです。




さて、今日は七福神の紅一点・弁財天をご紹介します。




 

 

愛知・富田土鈴(起土人形)中島一夫さんの作品です。

左の牛乗り弁財天土鈴は丑年の縁起物です。

手に取ってみると真珠色の牛の白色に鮮やかな弁財天の衣装がよく映えます。

右の立ち弁財天土鈴は七福神揃いの中の1点です。

 

 

 

 

 

愛知・乙川土人形 杉浦定吉さんの弁財天土鈴です。

こちらも七福神揃いの中の1点です。

日本に絶世の美女として伝えられた弁財天の持ち物は琵琶です。

琵琶を奏でる姿から音楽・芸能・言葉の神様として信仰されています。

 

 



 

滋賀県小幡土人形・細居文蔵さんの弁財天です。

弁財天の名前からもわかるように金運の神様でもあります。

また七福神紅一点の女神さまということで

恋愛成就、縁結び、学徳成就とそのご利益はたくさんあります。




 


 

 

日吉琴コレクションコーナーに展示してある戦前の弁財天土鈴です。

どちらも七福神の中から選びました。

5センチ前後の小さな作品で上品な色合いです。

 

弁財天はもともとはインドの川の神様だそうです。

日本に伝えられその姿の美しさから恋愛や音楽など

女神さまにふさわしいご利益があると信仰されています。







 

滋賀・万兵さんの弁財天です。

どっしり重く作品全体に古作風の趣を出した作品です。

お顔立ちも愛嬌があっておたふくさんのようで親しみがわきます。

 

 

今日は弁財天のご紹介でした。

日本土鈴館
 

 

房総土鈴・昭和レトロシリーズ(薬)

  • 2019.09.18 Wednesday
  • 11:07

皆さまこんにちは

 

最近の館長のお気に入りはダッキーちゃん。

おしゃべりする犬のぬいぐるみです。

今日も土鈴館の事務所でダッキーちゃんを抱いておしゃべりを聞きながら

新聞を読んだりお茶を飲んだりと楽しく過ごしています。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

さて、令和に改元してしばらく経ち令和の響きにもなじんできました。

しかし「昭和をS」で表したり「平成をH」で表記するのは自然にできても

令和をアルファベット表記にするときはまだちょっと戸惑います。

令和元年はR1でいいようです。

こんなヨーグルト飲料ありますね(笑)



今日は房総土鈴の昭和レトロシリーズ・お薬土鈴をご紹介します。
千葉・房総土鈴の作者は万祝土鈴が有名な関口忠一さんです。

先ずは代表作品の万祝(まいわい)土鈴です。




万祝とは、漁師の晴れ着として作られた一種の民族衣装です。

その発祥は江戸時代、房総半島の漁村で着られるようになり、

次第に太平洋岸の漁村に広まりました。

大漁祝いの引き出物として船主や網元が漁師に配ったものだそうです。

とても美しい万祝土鈴です。
 

 





こちらの万祝土鈴は房総万祝人形・金井啓二さんの作品です。

とてもかっこいいです。

しかし残念ながらどちらの万祝土鈴も現在はもう制作されていません。





では昭和レトロシリーズに話題を戻します。


 

キョクトウという富山の製薬会社が売り出した鎮痛剤の土鈴です。

「頭痛歯痛神経痛」と効能書きがありますがダイレクトですね。

商品名からして「チンツウ」ですからわかりやすいです。






 

丹霞堂の「強力ぴたり丸」の土鈴です。

現在売られているのは「新ぴたり丸」のようですがパッケージはほとんど同じです。

胃痛やさしこみの時に飲むお薬のようです。

左右に龍があしらわれて、効きそうなデザインです。





 

風邪薬「アンチピリン丸」の土鈴です。

作品は「アンチピリ丸」になっていますね。

昔のお薬は〇〇丸と名付けられたものが多くいかにも苦そうです。

 

 

昭和レトロと言っても戦争の前後で大きく違います。

それほど昭和という時代は長かったんですね。

 

 

今日は房総土鈴昭和レトロシリーズからお薬土鈴をご紹介しました。

日本土鈴館

布袋尊

  • 2019.09.10 Tuesday
  • 09:37

皆さまこんにちは

 

関東地方の台風15号の被害が大きいです。

先週末、土鈴館のある岐阜県郡上市は真夏のような快晴続きでしたから

ニュースを見るまで台風15号の猛威には気が付きませんでした。

直接的な被害のほか、

公共交通機関がマヒして驚くほどたくさんの方々が足止めされていました。

日常はとても便利な都市生活も災害時には田舎では考えられないような被害が出ます。

次々と災害報道が繰り返されるたび

その前の災害被害のことをついつい忘れてしまいますが

災害時からの長い復旧・復興の過程でのご苦労が続いていることを

忘れないようにしなければと思います。

 

 

 


さて、今日は七福神・布袋尊のご紹介です。



 

京都・伏見人形の布袋尊です。

同じような立ち姿ですが、左の古作は右の小さな布袋様に比べて

細部の作りや彩色がより丁寧になされています。

 

布袋様の作品は恵比寿大黒に次いで土鈴館にもたくさんあります。

今でいうメタボ体型そのものでおおらかに笑っていらっしゃる姿が多いです。

 

 

 




 

奈良・初瀬出雲人形の布袋尊です。

 

七福神の中でただ一人、実在の人物だそうです。

昔、中国(唐)に釈契此(シャクカイシ)というお坊さんがいました。

釈契此は身なりはぼろぼろで大袋を担いで諸国放浪の旅をつづけました。

 

 

 

 

 


 

兵庫・葛畑土人形の布袋尊です。

 

行く先々で受けるお布施の御礼として占いや予言を授けたのですが

これがとてもよく当たるとたいそうな評判になりました。

いろいろな予言を的中させ、いつもニコニコと愛嬌がよく人望も厚いので

人々は弥勒菩薩の生まれ変わりではないかと信じるようになりました。
 

 




 

愛知・犬山土人形の布袋尊です。

大正3年の覚書がありますから105歳の布袋様です。

経年の汚れなどありますがよいお顔で着物や袋の絵付けもきれいです。

 

釈契此はいつも大きな袋を担いでいたので

いつしか「布袋様」と呼ばれるようになったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

滋賀・小幡土人形、細居文蔵さんの座り布袋尊です。

 

布袋様の担ぐ袋は大黒様の袋より大きいそうです。

この袋のなかの宝物は何でしょうか……

実はこの宝の袋は堪忍袋とも呼ばれるそうです。

袋の中には、悪口、噂話、愚痴などの嫌なものと

希望、憧れ、やる気などの明るいものがぎっしり詰まっているそうです。

そして手の持った軍配で事の善悪を見極めてくれます。

 

 

 

 



 

愛知・富田土鈴(起土人形)中島一夫さんの布袋土鈴です。

 

また、布袋様は仲直りの神様でもいらっしゃいます。

円満な人間関係を築くことができるよう人間を導いてくれます。

大きく息を吸い込むと同時にどんな嫌なことも辛いことも

全部飲み込んで太鼓腹に収めてしまいます。

布袋様はただのメタボじゃないんですね!
 

 

 

 

 


 

秋田・八橋土人形です。

子供にも好かれる優しい布袋様です。

 

何となく冴えない容姿の布袋様ですが

七福神の中でただ一人神々と肩を並べる神格をもった人間です。

唐の釈契此はすごい人物で人は見かけではないと改めて思います。

 

 

 

 

 


 

日吉琴コレクションコーナーに展示してある戦前の小さな布袋土鈴です。

 

 

 

 

今日は布袋様のご紹介でした。

日本土鈴館

 

十二支揃い・6

  • 2019.09.03 Tuesday
  • 10:39

皆様こんにちは

 

令和になって初めての年賀はがきが発表されました。

オリンピック一色ですね。

残暑が厳しいと言いながらも年賀はがきのニュースが流れると

来年の干支は?なんてそろそろ気にかかりますね。

 

 

 

今日は久しぶりに十二支揃いをご紹介します。

 


 

日吉琴コレクションコーナーに展示してある十二支揃いです。

戦前に作られた古い土鈴です。

小さな土鈴ですが一つ一つが丁寧に作られています。

箱から出して並べてみました。



 

こうやって並べる時、いつも自分の干支から見てしまいます(笑)

どれも可愛らしいです。

ちょっと角ばった午も黒ぶちの戌もいいですね。

来年の干支「子」は白ねずみです。

白ねずみは縁起が良く、夢占いは対人関係や金銭運の向上を暗示するそうです。











 

愛知・富田土鈴(起土人形)中島一夫さんの小槌十二支土鈴です。

土鈴をぐるりと回してすべての方向からご覧いただきたいと思うほど

手の込んだ美しい作品です。

干支の小槌を振って鈴の音色を聞けばその年の邪気が払われるような気がします。




 

こちらも富田土鈴(起土人形)中島一夫さんの作品です。

手のひらにコロンと乗るような小さな土鈴で

一つ一つ「南無阿弥陀仏」と手書きされています。



 

この十二支は毎年お正月に中島さんを訪ねると

お年玉のように中島さんがその年の干支を下さったもので

十二支揃っていますから毎年館長は中島さんの工房を訪ねたことになります。

丸みを帯びた可愛らしい十二支揃いです。





 

宮崎・佐土原人形の十二支ですが、ウサギ卯がいませんね。

作者は陶月の小玉清勝さんです。

佐土原人形は宮崎を代表する郷土玩具です。

温かみのある作品が多いような気がします。

 

 

久しぶりに十二支揃いをご紹介しました。

また準備していつかご紹介したいと思います。

日本土鈴館

 

二福神

  • 2019.08.27 Tuesday
  • 11:29

皆さまこんにちは

 

八月最終週となり、

あんなに暑かった夏の日々を忘れるほど朝晩はひんやりしてきました。

朝から虫の音が響いています。

 

 

この頃七福神の記事が多いですが今日もお付き合いください。
恵比寿天と大黒天の二柱を二福神としてお祀りすることが多いですね。
なぜ二福神としてお祀りするのか、調べてみました。




 

愛知・名古屋土人形の恵比寿大黒です。

野田さんの作品にしてはちょっと大きく高さが17僂曚匹虜酩覆任后

 

以前恵比寿天は蛭子命に由来するとご紹介しました。

実は恵比寿様のルーツにはもう一つの説があるそうです。

恵比寿様は事代主神(コトシロヌシ)という国津神の一人だという説です。

国津神は日本の国造をされた神様です。

この事代主神は日本で最初に釣りをした神様だそうです。

 

蛭子命と思っていましたがこの説にも説得力があります。

釣りをするお姿は恵比寿様のイメージにぴったりです。





 

名古屋土人形・野田末吉さんの二福神未年土鈴です。

それぞれが独立した土鈴になっていて差し込んであります。

 

恵比寿天と大黒天のお話に戻ります。

驚いたことに事代主神は大国主命の子供だそうです。

大国主命に由来する大黒天と事代主神に由来する恵比寿天は親子ということになります。

何も知らなかった私はびっくりしました!






 

岡山・久米人形の二福神です。

海の幸をもたらす恵比寿様と山の幸をもたらす大黒天は

四方を海で囲まれた島国で農耕民族の日本には大切な神様です。

漁業と農業が安泰なら日本中が幸せになります。

 

 

 



 

秋田・小坂人形の二福神です。

大黒様の手にある小槌は槌=土の意味もあって

一振りするごとに宝を授けてくださるといわれます。

海の幸と山の幸という福をペアで授けてくださるのが二福神です。





 

渡辺石芳さんのやや大型の恵比寿大黒土鈴です。

 

二福神をお祀りする場所には決まりごとがあるようですが

郷土玩具の場合はいつも目に触れて心和むところがいいと思います。

心が和むとこ事態、もう二福神に福を授けて頂いているということです。




 

山口呈三さんの二福神土鈴です。

仲良く釣りに興じる楽しげなお姿そのものが福の神です。

 

 

今日は恵比寿天と大黒天が親子かも!というお話をご紹介しました。

 

日本土鈴館

 

大黒天

  • 2019.08.19 Monday
  • 09:48

皆さまこんにちは

 

令和最初のお盆休みも終わりました。

今年はお盆のさなかに超大型の台風10号が西日本に上陸し

夏休みやお盆の帰省でお出かけの多くの人を足止めしました。

又、花火大会や盆踊りなど多くのイベントが中止や延期となり

この行事の準備をされた関係者の方々のご苦労も報われず、

夏の風物詩を心待ちにしておられた観光客の方々にも残念なことでした。

台風被害も出てしまい、落ち着かないお盆となってしまいました。

台風一過と言えばすっきりさわやかなイメージですが

今年は台風の後も猛暑も続き蒸し暑く感じます。

皆さま、どうぞご自愛くださいませ。



さて、恵比寿さまといえば次は当然大黒さまですね。

今日は大黒天のご紹介です。



 

山形・成島人形の大黒天です。

成島人形は明治の終わりから大正期にかけて米沢郊外の成島地区で

農業の片手間に作られた土人形ですが廃絶しています。

相良人形から型取りをして作られたそうですが彩色などがおおまかです。

 

さて、大黒様のルーツはインド・ヒンドゥー教のシヴァ神だそうです。

昔インドから中国に伝わったシヴァ神を日本に伝えたのが最澄です。

天台宗開祖の最澄は仏教の大自在天の化身として大黒様をお祀りしました。

 

 

 

 



 

長野・中野土人形のねずみ大黒です。

作者は奈良久雄さんです。大黒天のお顔もねずみの可愛らしさもいいですね。

 

さて、もともとヒンドゥー教のシヴァ神は戦いの神様でしたが

日本に伝わった大黒様は財宝開運の神様とされています。

また、大黒様が大きな袋を担いでいる姿をよく目にしますが

その姿は戦いの神シヴァ神とは全く違います。

 






 

愛知・犬山土人形の大黒天です。

 

日本の神様に「大国さま」がいらっしゃいます。

因幡の白うさぎを助けた大国主命です。

♪大きな袋を肩にかけ〜♪の大国様です。

どちらも「ダイコク」と読むため日本特有のあいまいさから二人のダイコク様が習合して

戦いの神シヴァ神の姿から大きな袋を担いだ柔和なお顔の大黒様が定着したそうです。

 

 




 

愛知・富田土鈴(起土人形)中島一夫さんの酉年大黒土鈴です。

大きな鶏の背にちょこんと乗った大黒様がとても可愛らしい作品です。

 

今日は大黒様のルーツを探ってみました。

日本土鈴館

 

館長の戦争体験

  • 2019.08.06 Tuesday
  • 12:48

皆さまこんにちは


今年も広島原爆忌を迎えました。
鎮魂の祈りに包まれた日本です。

そんな中、台風8号が九州に上陸しその後から台風9号も発達中、

そしてさらに台風10号のたまごまで生まれています。
被害の出ないことを祈ります。
 


八月は日本の各地で戦争体験が語られることが多くニュースでもよく見聞きします。

先日館長も郡上市の図書館で戦争体験のお話会に語り部として招かれました。






館長は昭和20年9月1日に徴兵される予定でしたが、

15日に終戦を迎えた為間一髪で入隊を免れました。


その前後の経験をお話したのですが、収集の鬼!館長らしく

当時の新聞の切り抜きなどをファイルした何冊もの資料を紹介しながら話しました。
参加された方の中には戦争を体験された人も多く懐かしく見たり聞いたりされていました。

 



 

身体が小さく体力がなかったので一年間新聞配達をして体を鍛えたこと、

その新聞配達のアルバイト料を軍に寄付して東条英機から感謝状をもらったこと、

学徒動員で来る日も来る日も飛行機の胴体に鋲を打ち付けたこと、

何機作ってもその飛行機が飛ぶことがなかったこと、

間一髪で空襲を逃れたこと、

郡上に疎開してから父親が無くなり悲しみの中受け取った召集令状のこと、

千人針を朝から晩までお願いしていた母親のこと、

覚悟を決めた時に流れた玉音放送のこと、

敗戦は悲しかったけれど兵隊に行かなくてよくなったことの喜び・・・

 

そして終戦後の食糧難の話。






「当時の辛い記憶もあるけれど、亡くなった方々のことを思えば

生き残って今幸せに暮らしていることに感謝して

日々精一杯生きることが大切だと思っています」

館長の締めくくりの言葉でした。
日本土鈴館では戦争に関する資料や土鈴などを一年中展示してあります。

日本土鈴館

恵比寿天

  • 2019.07.31 Wednesday
  • 10:13

皆さまこんにちは


七福神の神さまの中で一番親しみがわく神様は恵比寿さまではないでしょうか。
土鈴館に展示中の土人形や土鈴でも恵比寿さまはたくさんいらっしゃいます。
今日は恵比寿さまのご紹介です。



 

京都・伏見土人形の鯛乗り恵比寿です。

おめでたい鯛にまたがったこのような意匠の恵比寿天は日本各地の土人形にも見られます。

日本の土人形は全て伏見人形につながっているんですね。

 

 

 

 

山形・鶴岡土人形の鯛乗り恵比寿です。

伏見の恵比寿様と大きさも同じ(25センチほど)、同じポーズ、同じデザインです。

鶴岡土人形は人形の型を伏見から買い付けて制作することもあったそうです。

ただ小さなガラ入りで振るとかすかに音色がします。

この特徴的な鯛のオレンジ色やガラに鶴岡土人形の個性が見られます。

この恵比寿様は「珍品中の珍品」という館長の覚書がありました。

 

 

 

 





 

愛知・犬山土人形の鯛乗り恵比寿です。

 

さて、七福神の中で恵比寿様はただ一人日本の神様だそうです。

日本神話によれば、イザナギ、イザナミの子供「蛭子命」が恵比寿様ということになるようです。

蛭子命はヒルコと読むそうで三歳になっても歩かないヒルコは

なんと!葦の船に乗せられ海に捨てられてしまいます。

 

 

 

 

 



 

宮城・堤土人形の鯛乗り恵比寿です。

 

兵庫県西宮神社の伝承によれば西の浦に流れ着いたヒルコは地元の漁師に助けられました。

「戎三郎」エビスサブロウと呼ばれ大切に育てられたそうです。

成長するにつれ海の神・エビス様として祀られるようになりました。

古代日本の人々は、

海の向こうには常世の国という普遍的な理想郷があると信じていました。

海の向こうからやってくるのは幸せをもたらす神様だと信じていたのです。






 

広島・三次土人形の鯛戎です。

 

最初は海の神様として祀られた恵比寿様ですが

長い時の流れと共に商売の神様としての信仰も集めるようになりました。

恵比寿様を戎とも蛭子とも書くのはこのような背景があったからでしょう。







 

こちらも広島・三次土人形の鯛担ぎです。

 

 

福の神の恵比寿様は日本中に幸せを運んでくださいます。

どうぞ皆さまもニコニコ顔の恵比須顔で毎日をお過ごしください。

 

日本土鈴館
 

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