伝統こけし・津軽系
- 2017.07.03 Monday
- 09:45
皆さま、こんにちは
今日は津軽系と言われる伝統こけしのご紹介です。
青森県温湯温泉や大鰐温泉で作られています。
頭と胴を一本の木から作る作り付け式構造です。
頭はやや小さめ、黒いおかっぱ頭が多いようです。
特徴的な胴模様として、ねぶたのダルマ絵を描いたり、
アイヌ式の模様を描いたりしたものもあります。
どちらも長谷川健三工人の作品で大きさも1尺です。
真っ黒なおかっぱ、四角っぽい大きめの顔、太い眉、
そしてがっしりした胴…たくましい感じがします。
胴模様かポピーのこけしは赤い帯が背中で結ばれ垂れている姿も可愛いです
胴模様はあやめ(カキツバタかも?)で涼しげです。
紫や緑の色かはっきりしたらもっと素敵なのに…
ガラス棚の中でもどんどん退色が進んでしまいますね。
右: 8寸 村元文雄 工人 作
左: 6寸 奥瀬鉄則 工人 作
可愛らしいお顔の胴模様に凛々しい達磨絵
このギャップが津軽系こけしの魅力のひとつですね。
ねぶた祭の達磨がこけしにも描かれます。
村元文雄工人 作(6寸)
昭和6年生れの工人さんです。先の達磨絵の工人さんですね。
胴模様に描かれたツルのような模様は、
師匠の毛利専蔵工人が描いていたというアイヌ模様でしょうか。
殆どを墨で描き、口と襟元にのみ朱を入れて個性的な作品だと感じました。
優しいお顔のこけしです。
左: 阿保六知秀工人 作(8寸)
右: 笹本淳一工人 作(8寸)
阿保工人は昭和25年生まれ、笹本工人は昭和29年生まれで、
お二人とも師匠は佐藤善二工人です。
胴模様の牡丹は津軽藩の家紋で伝統的な温湯こけしです。
間宮正男工人 作(6寸)
大正10年生まれ、大鰐温泉の工人さんです。
胴の形も胴模様も独特です。
何かをじっと見ているようなまなざしが印象的です。
こけしって奥が深そうですね。
日本土鈴館