張子の天神さま

  • 2019.06.25 Tuesday
  • 10:55

皆さまこんにちは


今日は張子人形の天神さまをご紹介します。





福島・久之浜(富岡)天神です。

土鈴館にある天神関連の資料によると久ノ浜張り子ではなく

久之浜から20キロほど離れた富岡町の富岡張り子・渡辺俊造さんの作品でした。

久之浜張り子は昭和50年代、富岡張り子は昭和40年代に廃絶となっています。

大変薄造の張子であるため補強のための薄い底部分が付けられています。

どっしりとして見えますが、持つと驚くほど軽い天神様です。








広島・常石張子です。

常石張子2代目・宮本峯一さんの天神さまです。

明治20年ころ、初代宮本久平が土人形は重くて壊れやすいので

これを張子で作ることを思いつき、木型の内側にぬらした和紙を何枚も張り付け

よく乾燥させてから胡粉を塗り泥絵の具で美しく彩色しました。

売り歩くときも軽くて壊れにくい張子人形は大変喜ばれました。

 








こちらも常石張子の天神様です。

常石張子の生まれたこの地域は古くから天神信仰の盛んな土地柄で

初節句のお祝いに天神人形を贈り

子供の健やかな成長を願う風習があったそうです。

三次土人形など天神様の郷土玩具がたくさん作られています。
 

 





愛知・豊橋張子の天神様です。

豊橋の土人形・赤天神は有名ですね。

しかしこちらは張り子の天神様、張子人形には柔らかな印象があります。

 








続いては浜松張子の三代目・二橋志乃さんの天神様です。

志乃さんが77歳のときの作品です。

「ころがし」などの郷土玩具で有名な浜松張子ですが

元々は明治維新によって禄を離れた士族が江戸の張子をまねて作り始めたといわれています。

初代、2代と受け継がれた木型を戦争で焼失してしまい廃絶の危機に見舞われました。

志乃さんが焼失した木型を復元しその伝統を4代目に引き継ぎました。






 

 

こちらは千葉柏市・下総張子の立ち天神と座天神です。

戦後に生まれた下総の諸玩具の一つ、張子人形は特に温かみがあります。

張子の中に豆が入れられていて振るとカラカラと乾いた音が響きます。

子供のために安くたくさんの種類が作られた下総の諸玩具の

素朴な味わいがよく表れた天神様です。

 

 

 

 


 

福島・三春張子の座天神と立ち天神です。

立ち天神の杉板には橋本広吉と書かれています。

高柴でこ屋敷の恵比寿屋16代広吉さんの作品と思われます。

一目で三春張子とわかる特徴的なお顔立ちです。

杉板に乗っているのも特徴の一つです。

三春張子は生き生きとした動きの一瞬を切り取ったような作風ですが

天神様はじっと動かれませんから、これは他の天神様と同じですね。
 

 

 



 

張子の天神様、最後のご紹介は埼玉・春日部張子です。

五十嵐健二さんの作品です。

春日部張子も五十嵐健二さんも今まで何度もご紹介してきました。

凄く離れた目元や今にも笑いだしそうな口元に温かみを感じます。

優しい天神様です。

 

 

 

 

 

最後は熊本・宇土張り子の坂本カツさんの作品です。

右手に笏を持っていたらしい小さな切れ込みがありますが笏はなくなっています。

長い刀は背中の後ろ側にまでまっすぐ作られています。

カツさんは幼いころからご両親と共に宇土張り子を作り

戦争ですべての型を焼失しても尚、宇土張り子に情熱を傾け

その生涯をかけて型を復元し後世につなげたました。

時間が経っていてもつやつやときれいな天神様です。

 

 

 

土人形に比べて軽くて壊れにくいなどの理由で広く人気を集めた張子人形。

ただ軽いとか壊れにくいというだけでなく紙でできた柔らかさや温かみが

私たちにほっとした思いを届けてくれるのだと思います。

今日は張子人形の天神様をご紹介しました。

 

日本土鈴館

 

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