インスタより「東京の土鈴」

  • 2017.11.17 Friday
  • 11:21

皆さまこんにちは

 

寒くなってまいりました。

日本土鈴館のある郡上市に雪の降る日も近いかと思われます。

 

来年の干支・戌の飾りつけも終わりました。

十二支の中でも可愛らしいと特に人気の高い戌年です。

土鈴館の入口で日本中の可愛らしい犬が皆さまをお迎えいたします。

 

また、おもちゃばこでは土鈴、土人形、郷土玩具の犬をご紹介しています。

こちらも是非ご覧くださいませ。









 

 

 


さて、今日は東京の土鈴を見てみましょう。




浅草観音のお土産土鈴です。

東京観光と言えば今も昔も浅草・浅草寺ですね。

浅草寺の山門通称雷門は風雷神門といい、そこに架かる大提灯は浅草のシンボルです。

高さ3.9m、直径3.3m、重さは700kgもあるそうです。

この提灯ををくぐると仲見世が広がりますね。





浅草の仲見世にある老舗助六の土鈴です。

浅草寺は日本人にも外国人にも大人気の東京観光スポットです。

雷門で先ず提灯の大きさに驚き写真を撮り、

お詣りの後仲見世での買い物も大きな楽しみです。

助六は江戸趣味諸玩具を買うことのできる日本で唯一のお店です。





浅草仲見世・助六の十二支土鈴です。

宝珠が描かれたり乗せられたりしたものが多いです。

辰や蛇は宝珠を巻き込んでいます。

助六の土鈴や郷土玩具はどれもとても小さいのですがお値段は小さくありません。

しかしそれだけの価値のある江戸玩具ばかりずらっと並んでいます。






雛人形を模った硯を土鈴にしたものです。ややこしいですね。

助六土鈴で小さな子供の手のひらに乗るサイズです。

幕末の頃からの老舗助六の土鈴や江戸玩具は

総じてどれもとても小さいのですが、それには理由があるそうです。

 

徳川家の安定した治世で世界有数の都市となった江戸では

花のお江戸などと言われるように豪華絢爛な文化が育ち、

町人の暮らしも豊かで華やかでした。

豪商たちの大型で豪奢な玩具に脅威を感じた幕府は贅沢禁止令を出します。

大型で豪奢な玩具はご法度ですから、目立たない小さな豆玩具をつくりますが、

文化意識の高い江戸の人々は小さくても精巧な細工を施し、

言葉遊びを取り入れた粋な江戸玩具を作り上げました。

小さい玩具に江戸の豊かな文化とたくましさを感じますね。

 

 





歌舞伎座みやげの土鈴です。コロンと可愛い鈴です。

助六や勧進帳など、有名な演目を題材にした土鈴で、

丸い形ですから音色も響きます。

歌舞伎鑑賞のお土産に今も歌舞伎座で売られているのでしょうか。
 

 





東京 むさし野深大寺の十二支土鈴です。

深大寺窯の創始者馬場信子さんの作品です。

深大寺窯は昭和32年陶芸家の夫と共に

深大寺の山門前にらくやきのお店を出したのが始まりだそうです。

時代の流れに伴い深大寺の参拝客が増えると深大寺窯もどんどん繁盛します。

元々作陶を生業としていたご夫婦ですし、日本画家の父をもつ馬場さんの作る土鈴は

むさし野の四季の草花を配した絵付けがひとつの特徴です。



  

むさし野深大寺窯の花を描いた花土鈴と、そこに万葉の和歌を書いた万葉土鈴、

武蔵野の風情に溶け込む藁吹きの家に四季の花々をあしらった土鈴です。

創始者馬場信子さんの作品です。

馬場さんは実に多彩な才能の持ち主で、

一から始めた土鈴作りも見事な作品を生み出しましたが、

陶芸家を育てたり、三味線を嗜んだり、小説を書いたりしました。

夫の名前「吉田実」のペンネームで書いた短編小説集「石斧の恋」を

出版したのは80歳を過ぎてからです。

 

 

花のお江戸の粋な文化を象徴する助六の土鈴と

武蔵野の野趣あふれる深大寺の土鈴と

全く違う趣きの東京の土鈴のご紹介でした。

  

  日本土鈴館


 

 

達磨(3)

  • 2017.11.10 Friday
  • 09:52

皆さまこんにちは

 

達磨のご紹介と共におもちゃばこに何点か載せましたところ

たくさんのお客様からお問い合わせを頂きました。

ありがとうございます。

1点物の場合(ほとんどそうですが)は

一番先にご連絡下さったお客様にご購入いただきました。

展示品として複数点ある物については

そちらをご購入いただきました。

ご期待に添えなかったお客様、申し訳ございませんでした。

 



日本各地の達磨をご紹介しています。

とりあえず、今日が達磨紹介の最後です。

 

 


 

有名な新潟の三角だるまです。

「つのんぎょ」とか「起き上り小法師」とも呼ばれる円錐形の起き上りです。

養蚕農家は、早くカイコが起き上がるように、

漁師は、難破しても船が早く浮き上がるように、

そして家内安全、七転び八起きの縁起物として大切にされています。

地域によりいろいろな三角だるまがありますが写真は水原の三角だるまです。

 


 

 





埼玉・舟渡張子の達磨背負いです。

背負うと言うより背中に張り付いているように見えますね。

首振りの張子です。

舟渡張子はそのユーモラスな表情がほのぼのとしていて

とても人気のある張子です。

 







秋田・中山土人形の達磨担ぎです。土人形です。

明治の中頃、堤、花巻、八橋の土人形の作風を取り入れながら

独特の型を創り出して中山土人形の基礎が出来上がりました。

双肌脱いだ女力士に担がれてちょっと緊張気味のだるまさんが可愛いですね。

 

 

 






名古屋土人形・達磨と姫だるまの土鈴です。

どれも手のひらにコロンと乗る大きさです。

館長が特に思い入れの深い土鈴作家さんのお一人、野田末吉さんの作品です。

野田さんの土鈴はとても小さいのですが

どんなに小さくても形も絵付けも小ささを感じさせない完璧な仕上がりです。

 

 

 





栃木の佐野土鈴・相沢市太郎(土比古)さんの達磨土鈴です。

同じ達磨でも、達磨大師からギリギリで踏ん張っている達磨まで

自由な発想と巧みな技で土鈴にしています。

さすが土鈴界の重鎮の作品です。

土比古翁も館長にとって特別な作家さんのお一人でした。






  

 

 

郷土玩具の達磨はしばしば土鈴の題材にもなっています。





こけしの達磨も忘れてはいけませんね。



遠刈田系・佐藤守正工人の達磨です。

胴に描かれているのは寿と亀でしょうか。

いかにも力強い男達磨です。

 

 






青森・温湯の佐藤善二工人の達磨です。

ちょうど手のひらにコロンと乗るようなだるまさんです。

おもちゃとして作られたらしいのですが、動いたり転がったりするわけでもなく、

口をへの字に曲げてただ睨んでいるだけです。

でも手に乗せるとその丸みが馴染んで心地よいです。

 

 

 





遠刈田・佐藤三蔵工人の姫だるまです。(3寸)

紫や緑の退色が目立ち残念ですね。

大正14年生れの三蔵工人が54歳の時の作品です。

ほんのり染まった頬と微笑んだような表情が可愛らしいです。

 

 

 

 

 



木地山系・小椋久太郎工人の達磨絵のこけしです。(7寸)

可愛らしいこけしのお腹に迫力満点に描かれた達磨の顔!

達磨を描くためか、お腹まわりが太くなっています。

背中には小椋久太郎工人のサインと添え書きが2か所あります。

 

 

 

 


さて、最後にご紹介するのはこちらです。




春日部張子の日本百達磨です。

春日部張子作家の第一人者である五十嵐健二さんが

日本の達磨を百体厳選しミニチュアサイズで製作した逸品です。

一つの大きさがウズラの卵ほどで、さすが!という出来栄えです。



色々な達磨を3回に分けて見てきましたが、

展示品の全ての達磨をご紹介するには程遠いようです。

是非御来館頂いて直接ご覧くださいませ。


日本土鈴館
 

 

達磨(2)

  • 2017.11.06 Monday
  • 11:51

皆さまこんにちは


今日は達磨(2)として先回に続き達磨の郷土玩具をご紹介します。






大分・竹田の女だるまです。

福女とも呼ばれる張子の起き上がりです。

昔、元日の夜明けとともに家に投げ込まれ、受け取った家はご祝儀を出しました。

この達磨の謂れとされる話があります。

江戸時代ある下級武士の家では貧しさから喧嘩が絶えず、

ある雪の夜、とうとう家を出された嫁が3日間雪の中で復縁を乞い、

許されてからは姑にも尽くし家庭も明るくなって、

その後次第に家が豊かになり幸せに暮らしました。

奥さん、お嫁さんの笑顔が家の安泰を守るそうです。smile!

 

 

 





こちらは愛媛・松山の姫だるまです。

道後温泉にまつわる応神天皇誕生の故事にちなみ作られた張子の起き上がりです。

応神天皇の産衣姿を表した達磨との事です。

お顔は練り物がはめ込まれ、おかっぱの垂髪をつけ、

胴彩は赤、胸に干珠・満珠を象徴する宝珠、細書きの金泥模様を描いた雅な達磨です。

 

 

 





石川・八幡起き上りです。

200年以上の歴史を持つ起き上りで、加賀八幡の祭神である応神天皇の産着姿を表しています。

胴に松竹梅を描いたおめでたいもので、古くから嫁入り道具のひとつとされ、

また災難厄病のお見舞いに使われてきたそうです。

昭和30年の年賀切手のモデルになりました。

 

 







松山の起き上がり・金天だるまです。

明治初期から作られ、一文字達磨とも呼ばれる起き上がりです。

平らな頭部に丸く金紙を貼り、顔は小さめに簡単に描かれています。

大正の終わり頃まで、門付けがこの達磨を家々に投げ入れ、

「お福が舞い込んだ〜」と呼び掛けご祝儀をもらっていたとのことです。

 

 

 






高知の女だるまです。

土佐起き上がりとも呼ばれます。

江戸末期、関東の達磨を真似て作られ、

その後地元の人形師らの手により改良され明治期に完成したそうです。

面長な顔だちは明治の典型的な美人のもので、

胴彩は鹿の子を配して女らしさを強調しています。

 








鳥取・倉吉張子の姫だるまです。

図録を見ていて松山の起き上がりによく似ていて、勘違いしそうでした。

金天だるまとよく似ていますね。

どちらも赤い女だるまで頭が平たいのですが、こちらの頭は黒色です。

松山は金色(天金だるま)ですね。難しいです。

 

 






滋賀の近江だるまです。

大正末の創作と言われる起き上りで、農家の副業として作られました。

だるまと言っても扁平な形や丸いもの、細長いものなど様々で顔も千差万別。

泥絵具のままなので色移りしやすいです。

残念ながら廃絶となりましたが保存会がその魅力を伝えています。

2つ並んだ小さいものは土鈴で再現したものです。

 

 

 

 





愛知のおころりんです。

江戸末期ころ作られた女だるまで、おころりんは方言で起き上りの意味です。

古くから養蚕が盛んな地域だったことから

蚕が良く上蔟(巣に入ってまゆを作ること)するようにとの願いを

起き上りに結びつけたと言われています。

赤の胴に金で笹リンドウを描きます。

豊川稲荷の境内などで売られてました。
 

 


達磨さんの郷土玩具、たくさんありますね。

なかなかご紹介しきれません。

続きは達磨(3)でご紹介します。


日本土鈴館

達磨(1)

  • 2017.11.01 Wednesday
  • 10:53

皆さまこんにちは

今日から11月ですね。

光陰矢の如し…あっという間に一年が過ぎていく気がします。
 

さて、今日は達磨のご紹介です。




達磨は南天竺(インド)に生まれ宋の時代に中国に渡り禅宗を広めたとされています。

名前を菩提達磨と言い、達磨、達磨大師、達磨祖師などと呼ばれます。

サンスクリット語のダルマは法という意味を表すそうです。

壁に向かって坐禅を続け手足が腐ってしまったという伝説が日本に伝わり、

日本でよく見るダルマの姿になったとされています。

 

 

 


達磨と言えばこんな感じのダルマを思い浮かべますね。




博多張子の男だるまです。

日本一派手な彩色の達磨ともいわれます。

胴模様は松竹梅に胸から放射状に描かれた金線、浅黒い小さめの顔に太い眉と団子鼻、

そして豆絞りの鉢巻をキリッと巻いたまさに男だるまです。





博多張子の女だるまです。

男だるまと同じく松竹梅に金線、小さめの顔にぽってりした胴です。

しかし、色白の顔にお公家風の眉、魅力的な口元の上品なだるまです。

元々博多張子の達磨は応神天皇伝説に基づく女だるまだけでしたが、

昭和初期になって男だるまが作られるようになったそうです。

博多の達磨はレディファーストです。
 

 

 





山梨の子持ちだるまは甲州系と呼ばれる目の入った達磨で、

江戸元禄の頃から下級武士の内職として作られました。

別名雪だるま、あるいは綿だるまとも呼ばれ、

胴に親達磨と同じような子達磨が描かれています。

親より優るように!との親心を表しているそうです。

作者は甲州土鈴でも有名な斉藤岳南さんです。
 

 

 





宮城には二種類の仙台達磨があります。

先ずは松川だるまの宝舟です。

創作者伊達藩士松川なにがしの名前から松川だるまと呼ばれるようになり、

顔は全て同じですが、胴彩は伝統的には宝舟と福の神の2種類です。

しかし、最近はこれ以外の絵を描いただるまもあるようです。

ぎっしりと絵付けが施されて豪華なダルマです。






もう一つの仙台達磨が仙台火伏せだるまです。

この火伏せだるまは横から見ると分かりやすいのですが

法衣の下で合掌を組んでいる姿になっています。

名前の通り、火事除け、火除けのお守りです。

 

 

 

 

 

 

 



三春張子の達磨です。
各地の張子と同様、三春張子も農閑期の副業として作られるようになりました。

江戸時代の初め、三春藩主が江戸から人形師を呼び寄せ農民に人形作りを教えたそうです。

藩主の保護の元、達磨をはじめお面や縁起物、歌舞伎物など

たくさんの張子が作られ継承され、現在に至っています。
 

 

 





千葉の岩戸だるまです。

房総では印旛、飯岡、佐原などの農家が冬の農閑期を利用して達磨などの張子を作りました。

印旛の岩戸で作られるだるまは女だるまで、

ペチャとした笑顔がなんとも素朴で味わい深いです。

だるまの中に鈴が入れてあって転がすと可愛い音がするものもあるそうです。

 

 

 

 

達磨は郷土玩具には欠かせないアイテムです。

日本各地に数も多く、まだまだたくさんのダルマがあります。

続きは達磨(2)でご紹介する予定です。

 

日本土鈴館

 

インスタより「千葉の土鈴」

  • 2017.10.27 Friday
  • 09:13

皆さまこんにちは

今日は千葉の土鈴をご紹介します。




千葉県長南町芝原に伝わる芝原人形・千葉惣次さんの土鈴です。

三番叟、俵担ぎ、鯛持ちの土鈴です。

芝原人形は浅草の今戸人形に倣って明治初期から芝原で作られてきた土人形で、

目のまわりにほんのり淡くうす紅がさされているのが特徴です。

 

 

 





平成6年の年賀切手のモデルになった狆土鈴です。

千葉惣次さんの作品です。 鈴玉入りですが鈴口はありません。

 

 

 


 



こちらも芝原人形・千葉惣次さんの花魁土鈴です。

ひもが付いておらず土人形のように見えますが土鈴仕立てになっています。
千葉さんは、一時期途絶えかけた人形作りを引き継ぎ4代目を継承されました。

青、赤、黄色の芝原らしい色使いです。

 

 

 





こちらも土鈴仕立ての虎加藤です。

よく見ると、目のまわりがほんのりとピンクに染まって

勇ましい加藤清正がお酒に酔ったような柔らかい表情になっています。

虎も子猫のような可愛らしいお顔です。

 

 





 

背中や底の部分にある芝原人形の作品である証明のシールです。

収集時のご参考までに。

 

 

 

 

 

 



さて、最後は下総座天神土鈴です。

作者の松本節太郎さんは東京生まれ、東京大空襲で柏市に疎開し、

戦後になってから手びねりの土人形や張子などの小さなおもちゃを作って

東京上野や浅草で街頭販売をしました。

子供でも買える値段でたくさんの種類の玩具を作り

その種類は1500にも及ぶそうです。

どれも素朴でひょうきんな顔立ちのお人形ばかりです。

下総玩具は松本さん一代限り、101歳で他界されて廃絶となりました。

今でも素朴で味わい深い温かさからとても人気のある作家さんです。

 

 

今日は千葉の土鈴をご紹介しました。  日本土鈴館

 

郷土玩具と狸・狐

  • 2017.10.23 Monday
  • 12:38

皆さまこんにちは


昔話にもよく登場する動物に狐や狸がいますね。

人や物に化けて悪さをするイメージです。

今日は郷土玩具になった狸や狐を見てみましょう。






高知・張り子の権九郎狸です。

権九郎狸はこの地方の民話に出てくる狸です。

頭はいいがいたずら好きで、寝ている御殿女中の目元に赤い紙を貼って、

「火事だ!」と叫び慌てふためく様子を楽しんだりしたそうです。

9センチ程の起き上がりです。

 

 




京都・小田益三さんの土鈴です。

たぬきの土鈴は日本各地にたくさんありますが、これはなんとも優雅なたぬきです。

プックリしたお腹には美しい季節の草花が描かれ、

控えめに持った徳利やお通帳さえもお洒落に見えます。

京都の狸は雅です。

 




   

狸は昔話にもよく登場します。

カチカチ山は京都・洛趣舎さんの土鈴です。

分福茶釜は栃木・相沢土比古さんの土鈴です。

カチカチ山の悪狸は泥の舟に乗って湖に沈んでしまいます。

この湖が河口湖で近くにはカチカチ山ロープウェイもあるそうです。

分福茶釜の狸は健気なたぬきですね。








狸と言えばこのイメージでしょうか。

岡山・セノオ民芸社の土鈴です。

立つにしても寝るにしても、大きなモノが邪魔そうですね。

 





 

そして狸と言えばやっぱり信楽ですね。

万兵さんの夫婦狸土鈴です。

 

 


次は狐を見てみましょう。

 



 

 

狐と言えばお稲荷さんですね。

日本中にはたくさんの稲荷神社があり

伏見稲荷大社やそのほかの神社でも狐土鈴が授与されます。

小さな鈴もまとめて飾ると迫力があります。

 

 

 



 

 

日本三大稲荷のひとつ、豊川稲荷の狐面です。

額に金色で描かれた宝珠が特徴です。

稲荷信仰は古来インドから伝わりました。

稲生(いなり)が転じたもので

農耕の神様が開運や商売繁盛の神様としても篤く信仰されるようになりました。

 

 

 


 

 

埼玉の泉孝次さんの狐面土鈴です。

郷土玩具コレクターの泉さんは趣味で日本の郷土玩具を小さな土鈴に作られました。

泉さんの作る郷土玩具の土鈴はどれも4〜5センチと小さいのに

オリジナルの郷土玩具を忠実に再現しています。

お雛様、張子、こけし、だるま、雉車…たくさんの土鈴があります。

 

 




 

 

柳屋さんの鳥取張子・因幡五狐です。

左奥から、恩志の狐・おとん女郎・しょろしょろ狐・経蔵坊・

手前が尾無し狐です。

因幡地方に伝わる民謡が題材になっています。

 

 

恩志の狐は恩志地方にいたという古狐で

灯りを灯して里人に悪さを働いていたそうです。

 

 

それに反しておとん女郎は健気です。

峠でひと休みする油屋の油を盗んで子育てをしますが

子育てが終わるとご恩返しにと女郎になってお金を作り

油屋に商売の元手として返しました。

 

 

しょろしょろ狐は山のふもとのショロショロと流れる水辺で

美しい女の人に化けて人をだましたそうです。

 

 

経蔵坊という名の男は

鳥取と江戸を三日で往復する御用を殿様から仰せつかっていましたが

途中狐を捕る罠に掛かって死んでしまいました。

殿様はたいそう経蔵坊を憐れんで供養しました。

 

 

尾無し狐は古狐で年増の女性に化けて

人をたぶらかす悪賢い狐です。

 

 

 

 

 

 

 


江州土鈴・中野和彦さんの狐土鈴です。

美しい着物姿の狐も白狐も宝珠を手にしています。

宝珠は霊力を象徴しているそうです。

稲荷神の御使いである狐は宝珠を銜えたり持っていることが多いそうです。

 

 

 

人をだますという印象の狸や狐ですが

悪さばかりをするわけでもなさそうです。

特に白い狐はお稲荷様の御使いとして幸運を運んでくれそうです。

 

 

日本土鈴館

 

インスタより「埼玉の土鈴」

  • 2017.10.16 Monday
  • 09:41

皆さまこんにちは

 

朝から冷たい雨が降っています。

日本各地で季節を前倒ししたような寒い朝になっているようです。

体調管理に十分お気をつけくださいませ。


今日は埼玉の土鈴をご紹介します。

埼玉の土鈴と言えば趣味作家の泉孝次さんの作品が有名です。




岡村天神(右下)を土鈴に仕立てたものです。

岡村天神は横浜の岡村天満宮で授与される土人形です。

特に花柳界(色街)での信仰が広かったことから岡村の色天神とも呼ばれます。

またその姿がスイカの切り口に似ていることから西瓜天神とも呼ばれます。

両袖をピンと張った独特のフォルム、子供の顔立ち、

他の天神人形と違うインパクトの強さは印象的です。泉孝次さんの作品です。
 

 

 

 




全て泉孝次さんの作品です。

新潟・水原の玉乗り馬、竹田の女だるま、松山の金天だるま、

九州湯前の雉車などの郷土玩具を5センチほどの小さな土鈴に作ってあります。

小さいので音色は響きませんが振ればちゃんと音が出ます♪

趣味でこのようなプロ顔負けの土鈴を作ってしまうとても器用な方でした。
 

 

 

 





張子の郷土玩具を土鈴に仕立てたものです。

首振りのうさぎや虎、猿の張子と狐の張子面の土鈴です。

浜松張子の代表作柿乗り猿の土鈴や張子面土鈴は

写真を見ただけではオリジナルの郷土玩具のようです。

オリジナルよりずっと小さいのですが、正確に再現されていて驚きです。





泉孝次さんのこけし土鈴です。

どれも小さくて、えじこの小さいのは10円玉くらいですが振ればかすかに音がします。

日本郷土玩具の会の会員で郷土玩具コレクターの泉さんは大変器用な方で、

郷土玩具を題材にたくさんの土鈴を作り愛好家の方々に分けてくださいました。

郷土玩具と土鈴を深く愛された方でした。





流し雛土鈴です。

鳥取に伝わる郷土玩具の流し雛には色々な形がありますが、

どれも女の子の健やかな成長を願って川に流します。

穢れや災いを人形に移す形代の身代わり信仰に根ざしています。

藁や紙で作る郷土玩具の流し雛を土鈴で再現しています。泉孝次さんの作品です。
 

 

 





入間市のさきたま土鈴・関昴子さんの作品です。

どれも手まりのような美しい土鈴です。

それぞれ7センチ前後の大きさの鈴で、

きれいな球体にそれぞれ工夫を凝らした透し彫りを施してあります。

とても手間のかかる土鈴だったため一時期しか作られませんでした。

女性らしい土鈴ですね。

 

 

埼玉の土鈴は如何でしたか。

泉さんの作品はどれも小さくて可愛らしい作品です。

さきたま土鈴もその美しい音色がご紹介できず残念です。

是非ご来館下さって直接お確かめください。

 

  日本土鈴館

 

舟の郷土玩具

  • 2017.10.11 Wednesday
  • 09:29

皆さまこんにちは


日本は島国、ぐるりと海に囲まれています。

土鈴館のある岐阜県のように海に接していない県の方がずっと少ないです。

その岐阜県にも夏は清流長良川に鵜舟が浮かびます。

日々の暮らしに欠かせない舟は郷土玩具にもなっています。

今日は郷土玩具になった舟を見てみましょう。





松江の蒸気船です。

松江の木工玩具は昔高い評価を得ていましたが、大正末期に一度廃絶しました。

しかし地元の民芸店主の努力により蒸気船とお宮が復活しました。

明治の中頃宍道湖に浮かぶ文明の乗物を

驚きと興奮のうちに見つめた感じがよく表された作品と解説がありました。
 

 

 





和歌山の鯨舟です。

昔、勝浦、太地浦は捕鯨の根拠地として栄えました。

漁師が自身の自慢の舟を木彫りなどで作り、

台座や車を付けて子供におもちゃとして与えたそうです。

漁師ならではの舟のポイントを押さえた作りになっていたそうです。

この風習から戦後鯨舟が観光みやげとして作られました。





そして郷土玩具の土鈴にもなっています。

少し丸みを帯びて彩色がとても美しいですね。

 






こちらは土佐の鯨舟です。

かつて土佐は紀州と並ぶ捕鯨の基地であり、

江戸の初めから室戸岬の郷士は海防を兼ねて内職として鯨を獲ったそうです。

漁の合間に自分の舟を木切れで作り帰りを待つ子供へのお土産にしました。

漁に出た父の思いは何処でも同じですね。

 

 











広島の田面船(たのもぶね)です。

こちらは漁の舟ではなく屋形船です。

八朔の日に行われる田面の節句(豊作祈願の行事)に由来するそうです。

こちらの田面船にも綺麗な絵が描かれています。

材料の経木はひしゃくやセイロを作る厚手のもので、大小様々な船が作られます。

男の子の初めてのお誕生日のお祝いに贈ったり、

船にシンコ細工の田面さまを乗せて幼児に引かせ、産土神詣でをしたそうです。







長崎のペーロン船です。

毎年4月、長崎全市を挙げて催される港まつりの最終日、ペーロン競漕が行われます。

そのペーロン船を模した郷土玩具です。

長崎開港と共に渡来した中国人により伝えられた木造舟で、

もともと中国福州地方の競舟だそうです。

お祭りは舟の中央に御幣や長刀、太鼓などを飾り付け、

総勢36人の若者によって競われるそうです。






茨城の宝舟です。

こちらは村松山虚空蔵堂の縁起物としての授与品です。

古代の独木舟(まるきぶね)に舟べりよりはるかに長い桁を4本渡した簡単な作りで

大漁と海の安全を祈ったものです。

昔は子供の十三詣りの参詣の時に買われたと説明があります。
 

 

 





野田末吉さんのうさぎの宝船土鈴です。

米俵やお宝と共に鶴亀が乗った宝船はとても縁起がいいです。

宝船にはよく七福神が乗っていますが

うさぎの宝船も可愛らしいですね。

いっぱい福を運んでくれるような気がします。

 

 

今日は郷土玩具や土鈴になった舟を見てみました。

 

  日本土鈴館

 

インスタより「山梨の土鈴」

  • 2017.10.06 Friday
  • 11:14

皆さまこんにちは



今日は山梨の土鈴をご紹介します。


 

山梨の土鈴と言えば先ず思い浮かぶのが甲州土鈴です。
甲州土鈴・斎藤岳南さんの十二支揃いです。

可愛らしい松竹梅がさりげなく描かれています。

酉のデザインが個性的ですね。

斎藤さんはいつも土鈴の背面に購入者の名前や日付、

家内安全や無病息災などのメッセージを丁寧に書いて下さいました。
 

 

 





信玄公を題材とした甲州土鈴です。

「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」を表す「風林火山」は

孫子の兵法の抜粋で実際は旗指物に書いたわけではないそうですが、

信玄公といえばこのイメージですね。

土鈴の顔も何となく知っている肖像画によく似ていると思いましたが、

実際の信玄公はもう少し細面のイケメンだったとか。

ドラマなどの影響で作られた武田信玄のイメージにぴったりの土鈴です。

 

 





甲州土鈴・斎藤岳南さんの弓張鈴と虫切り鈴です。

弓張鈴は、幼い武田信玄が小枝と麻縄で弓を作って遊んだとの逸話を基に作られ、

緑・空、黄・土、赤・火、白・水、黒・風の宇宙を表す五色の土鈴が弓に付けられています。

下段の虫切り鈴は小玉スイカ程の大きさでずっしり重く堂々とした土鈴です。

どちらも岳南さんの代表作です。
 

 

 





甲州土鈴が続きます。

だるまを抱えたうさぎの可愛いこと!

斎藤岳南さんは郷土玩具親子達磨もお作りでしたから達磨はお得意ですね。

うさぎの横はからくり人形で有名な岐阜県・高山祭の屋台です。

最初の試作品が少々太めだったので次回はスリムに、ぐっと本物らしくなりました。





甲州土鈴の丸鈴です。

1月の福寿草から12月の水仙まで季節の花土鈴です。

6月の紫陽花がちょっと別の場所で咲いていましたから、

代わりにウグイスに来てもらいました。

土鈴館の裏山は毎年春先にうぐいすが鳴き出して春の訪れを知らせてくれます。



 

 

 




2センチ程の五つの鈴を繋いだ虫切り土鈴とハンコの形の開運招福土鈴です。

昔は疳の虫や疱瘡、流行病から子供を守り無事育て上げることが難しく、

何かにつけて願をかけ、信心を深くして子供の成長を祈ったようです。

虫切り鈴を身に付け糸が切れて鈴が割れたら虫が切れたと信じられていました。

今も子に願う親の思いは同じです。

 

 

 





佐藤君三さんの天津司舞土鈴です。

天津司舞(てんづしまい)とは、

甲府の天津司神社に伝わる日本で最も古いとされる人形芝居です。

9体の木製のご神体は等身大で、年に一度舞が奉納されるそうです。

国の重要無形民俗文化財に指定されています。

 

 

 

 

 

 

 

佐藤君三さんの葡萄唐草魔除鈴です。

大振りのお茶碗ほどの大きさで手に乗せるとズッシリと重みを感じます。

法隆寺五重塔から発見された「除魔海獣葡萄鏡」をモチーフに作られた土鈴です。

海獣葡萄鏡は唐時代の代表的な鏡で、ツマミに亀などの海獣、

その周囲は葡萄を配した唐草模様で飾られています。

淡い黄緑の肌に濃い黄緑と紫の映える上品な土鈴です。

 








ちょっと写真では分かりにくいかもしれませんがよ〜く見て下さい。

何処かで見たことあるような…..そうです!

ミレーの代表作「種をまく人」です。

山梨県立美術館はミレー作品の収集に力を入れていて「ミレー美術館」とも呼ばれているそうです。

「種をまく人」も山梨県立美術館の所蔵品です。

この土鈴の作者は佐藤君三さんです。

 

 






明野窯の縄文土鈴です。

長野との県境にある井戸尻遺跡は日本の代表的な縄文遺跡で、

その出土品の土器や土偶、埴輪の文様を模した土鈴です。

地元の土を使って作られているそうです。

仮面の土鈴は出土品の雰囲気をよく表してあります。

音色の綺麗な土鈴です。
 

 

山梨の土鈴は如何でしたでしょうか。

土鈴を通して土地柄や歴史、風俗などを知ることができます。

土鈴収集の魅力のひとつだと思います。

 

日本土鈴館

 

 

「百段雛まつり」のお知らせ

  • 2017.10.03 Tuesday
  • 11:45

皆さまこんにちは
もう10月になりました。紅葉にはまだ少し早いですが、秋を感じる今日この頃です。



今日は来年に予定されているホテル雅叙園東京さんの百段雛まつりのご紹介です。

皆さま既にご存知かとは思いますが百段階段のご説明からさせていただきます。

(ホテル雅叙園東京さんのHPの紹介文を一部抜粋させていただきます。)

 

「百段階段」とは通称で、ホテル雅叙園東京の前身である目黒雅叙園3号館にあたり、

昭和10年に建てられた木造建築です。

7部屋を99段の長い階段廊下が繋いでいます。

階段で結ばれた各部屋はそれぞれ趣向が異なり

各部屋の天井や欄間には当時屈指の著名な画家達が創り上げた美の世界が描かれています。

昭和の竜宮城と呼ばれた当時の目黒雅叙園の建築の特徴は

装飾の破格な豪華さにあります。

平成21年3月、東京都の有形文化財に指定されました。

 

 

このような由緒ある百段階段で来年1月19日から百段雛まつりが開催されます。









 

 

日本土鈴館からも土雛や土鈴、郷土玩具のお雛様を出展致します。

このほどチラシが出来上がって送られてきましたので、皆様にご案内させていただきます。


 

近江・美濃・飛騨 ひな紀行   百段雛まつり
2018年1月19日(金)〜 3月11日(日) 10時〜17時 会期中無休
当日券 大人1500円(館内前売1000円)一般前売1200円 学生800円 小学生以下無料


百段雛まつりは毎年異なった地域から伝統のお雛様を集めて展示公開する新春の催しです。

今年は岐阜県と滋賀県の町々に伝えられている逸品のお雛様が展示されます。

11月に入ったら搬入のための作業など、具体的な準備が始まります。

館長も由緒ある百段階段に飾られたコレクションを見るのを今からとても楽しみにしています。

 



昔から来年の話をすると鬼が笑うと言いますが、鬼はこんな風に笑うのでしょうか?


 

 

今日は来春の百段雛まつりをご案内いたしました。

 

   日本土鈴館


 

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