伝統こけし・木地山系

  • 2017.08.29 Tuesday
  • 10:00

皆さまこんにちは

 

8月も終わりに近づき、朝夕には虫の音が響いて

裏山の山栗が青いイガをたくさん落としています。

秋はすぐそこに来ていますね。

 

 


今日は伝統こけしの木地山系をご紹介します。

秋田県稲川町を中心とした地域で作られます。

頭と胴は一本の木で作られる作り付け式の構造になっています。

胴模様に着物模様が描かれるのが特徴で、代表的な模様は前だれです。

頭は前髪と赤いてがら(髷かけ)と呼ばれる紐を描きます。





小椋久太郎工人 作(1尺)
明治39年生まれの工人さんです。
一族に木地師が多く、久太郎工人も父久四郎工人に学びながら早くから木地を挽きました。

14、5歳の頃には既に木地師のように当たり前に木地挽きをしていたそうです。

50代で早逝した父に代わり、一家を支えて精力的にこけしを作りました。

その技を子や孫に伝えながら平成10年に亡くなられました。享年93歳。
堂々とした太さ、前だれに団子のようなおおらかな梅を描いた久太郎こけしは

昭和のこけしブームから今に至るまで高い人気に支えられています。

 

 

 

 



1尺5寸の小椋久太郎工人の作品です。

日本土鈴館のこけしコーナーには大小様々なこけしが500本以上並んでいます。

その中でもひときわ目を引く大きな立派なこけしです。

何十年も経っているので、木地にツヤが出て光沢があります。








小野寺正徳工人 作(4寸5分)
昭和23年生まれの工人さんです。

前だれに井桁模様を赤と緑で描き、着物の柄には梅の花が散らしてあります。

胴に比べて頭が大きいですね。

顎の細いお顔は昭和の作品と思われます。

しかめっ面のこけしも可愛いです。






鈴木幸太郎工人の作品です。

春から秋は山や田畑でお仕事をして雪深い冬はずっとこけしを作る…

そんな私の勝手なイメージを一蹴する工人さんでした。

大正生まれの鈴木さんはスキーの名手でノルディック競技のオリンピック候補選手だったとか。

冬は競技やスキーのコーチで忙しくこけし作りの時間はほとんどなかったと聞きました。






同じく鈴木工人の作品です( 9寸)
 

 

 





高橋雄司工人 作(1尺)
昭和9年生まれの工人さんです。

父であり師匠の高橋兵治郎工人に学んで小学生の頃から木地を挽き、

中学生の頃にはプロの腕前だったそうです。

父の兵治郎型を受け継いで製作されています。

写真のこけしは緑が褪色していますが、赤と赤の間に緑が入っています。

帯も赤の上に緑が入ります。

独特の着物姿のこのこけしは地名から川連こけしと呼ばれます。

 

 

 





大沼又五郎工人 作(6寸)
大仙市南外地域で作られる又五郎こけしと呼ばれる作品です。

初代又五郎が300年ほど前に作り、代々又五郎を名乗って作られます。

こけしには珍しい杉の木で作り、杉の木目を生かすため墨で最小限の絵付けをします。

一般的な轆轤挽きではなく手彫りで作られのも大きな特徴です。

 

 

 

今日は木地山系のご紹介でした。

こけしに詳しくなくても木地山系の作品はわかりやすいような気がしました。

 

  日本土鈴館

静岡の郷土玩具

  • 2017.08.25 Friday
  • 11:37

皆さまこんにちは

今日は静岡県の郷土玩具をご紹介します。





 

地元で「いちろんさんのでっころぼう」と親しみを込めて呼ばれる首人形です。

こちらは50体挿しの豪華な作りになっています。
江戸末期のころ、八百屋を副業にした人形師がいました。

代々市郎右衛門を名乗って首振りや面、だるまなどを作り評判になりました。

市郎右衛門を親しみを込めていちろんさんと呼んだのだそうです。





こちらは清水の串天神です。

衣の色が違う4人の天神様が藁づとに刺さった郷土玩具です。

当初は一体ずつ売られた様です。

天神様が小さいので作る時に竹串に刺して色つけをし藁づとに刺して乾かしていましたが、

その形が面白いとの注文が入るようになって、串天神として知られるようになりました。





浜松張子・ 3代目二橋志乃さん80歳の鳥神楽と呼ばれる首振りで、サイン入りです。

浜松張子は盛んに作られていましたが、戦災でほとんどの型を失い、

志乃さんが記憶を頼りにころがしや柿乗り猿、首振りの張子を作り続けました。






浜松張子・ ころがしと呼ばれる2つ車の張子です。

干支揃いの中から、卯、辰、寅、戌を選んでみました。

4代目二橋加代子さんのサイン入りです。

浜松張子は明治維新で禄を離れた旧幕臣が反故紙を利用して作り始めました。

 






静岡張子の祝い鯛です。

上が静岡張子の祝い鯛、下は郷土玩具を土鈴で表現した祝い鯛土鈴です。

静岡張子は屋号が「沢屋」「ダルマ屋」と呼ばれる杉本家で作られています。

他地域の張子と同様に反故紙を利用して作られました。

祝い鯛は戎神社の祭礼に縁起物として境内の露店で売られたそうです。

土鈴は英彦山ガラガラの篠崎嘉文さんの作品です。
 

 

 





静岡姉様です。地元では「おやま」と呼ばれるそうです。

解説書によれば、本来、髪を白紙で作り後姿を見せる江戸型に分類されるようですが、

土鈴館にある姉様は黒髪でした。

女の子のお人形遊びには欠かせないおもちゃでした。





おかんじゃけという郷土玩具です。

久住山洞慶院の開山忌(7月19日.20日)に、

沿道で夏バテを防ぎ福を授る縁起物として売られたようです。

元々は、男の子には合戦ごっこの采配、女の子には髪結いのおもちゃとして

静岡県一帯に広く作られていた独特の玩具です。

竹を上から叩き潰して繊維状にし、色を付けたものです。
 

 

 





最後のご紹介は相良凧です。

相良凧の特徴は角凧の下部が出た形の五角形で、4本の骨でつくり、

2本のカナ糸(糸目)を付けます。

日本土鈴館の天井には、相良凧をはじめ、

様々な凧や絵手紙、提灯や吊るしものなどがぎっしり展示されています。

ご来館の際は、どうぞ上も下もお忘れなくご覧くださいませ。

 

 

日本土鈴館

 

伝統こけし・肘折系

  • 2017.08.21 Monday
  • 12:51

皆さま、こんにちは

 

全国的に日照不足の夏となっています。

曇っていても湿度は高く、突然の雷雨には驚かされます。

夏の疲れが出やすい時期ですので

皆様どうぞご自愛くださいませ。


さて、今日は肘折系こけしのご紹介です。

山形県肘折温泉や仙台市で作られています。
鳴子こけし、遠刈田こけしの影響を受けながら伝えられてきた系統で

独特の味わいを持つこけしです。
胴は鳴子のように肩が張ってほぼ真っ直ぐです。
頭頂には赤い放射状の線模様が描かれます。
胴模様は重ね菊が多いようです。
差し込み式の構造で作られます。





佐藤己之助工人 作(1尺弱)

明治38年生まれの工人さんです。

頭と胴は違う木材を使用したのか、はっきり色が違います。

頭は角ばっていて目頭を寄せたような表情は優しいです。

頭が角ばっているのは初期のころの作品の特徴だそうです。

胴底の揮毫の横に「貴重」のシールがありました。

 

 

 

 





鈴木征一工人 作(1尺・6寸)

昭和19年生まれの工人さんです。

肘折運七系列と分類してあります。

大きなこけしはガラ入りで振るとシャカシャカ音がします。

頭をくりぬいて乾燥させ、小豆などを入れてるとマラカスのように音が出ます。

肘折系に多い技法のひとつだと言います。

 

 

 

 

 

 

こちらも鈴木征一工人の作品です。4寸です。

鈴木工人は奥山庫治工人のお弟子さんです。

東京生まれの方ですが5歳のころ、父が故郷肘折に帰郷しました。

農業などに従事していましたが奥山工人について木地を学び始め

現在も肘折温泉でこけしを製作しておられます。



 

 




奥山庫治工人 作(8寸)

昭和9年生まれの工人さんです。

先にご紹介した鈴木征一工人の師匠です。

大変お酒の好きな方とのこと、ネットで調べたらなるほど!

そんな雰囲気の写真を拝見しました。

つやつやした明るい表情のこけしです。

 

 

今日は肘折系のご紹介でした。

   日本土鈴館

インスタより「福島の土鈴」

  • 2017.08.17 Thursday
  • 14:24

皆さま、こんにちは

 

お盆の帰省ラッシュやUターンラッシュも一段落して

いつも通りの生活に戻られた方も多いと思います。

今夏は天候不順で夏らしくない日が多いようです。

皆さま、どうぞ夏のお疲れが出ませんように。



さて、今日は福島の土鈴をご紹介します。




会津若松市の中湯川人形の十二支土鈴です。

作者は青柳守彦さんです。

裃姿で勢揃いしているのに堅苦しくなく、1つ1つが個性を生かして可愛く正座しています。

手の無いヘビは扇をしっぽで持っていますね。

今年の干支、鶏は一番目立っています。





中湯川人形・青柳守彦さんの土鈴です。

愛嬌のあるほのぼのとしたおかめと福助、

素朴な色合いの角兵衛獅子、大きな鯛を抱いた童です。

柔らかな色合いと穏やかな表情で温かみのある土鈴に仕上がっています。

 

 

 

 




すか川土鈴です。羽子板、奴凧、コマの土鈴です。

日本の伝統的な遊びが土鈴になっています。

独楽はつまみをしっかり持って捻ればちゃんと回ります。

作者は六桃窯の菊池瑞成さんです。

どれも小さな土鈴ですが、着想の面白さや色合いの美しさが優れています。

土鈴愛好家に大変人気のある作家さんです。

 

 





郷土玩具を題材にした六桃窯の土鈴です。

福島県は有名な郷土玩具がたくさんある地方なのですが、

土鈴もまた、実にたくさんの優れた作品があります。

三春駒は福島の最も代表的な木製の郷土玩具で、日本三代駒のひとつです。

洗練された美しさがあり、日本を代表する郷土玩具のひとつでもあります。

その特徴を捉えオリジナルに忠実でありながらも土鈴ならではの工夫も見られ、

とても良い作品になっています。
 

 




 

中学生プロ棋士藤井聡太四段の快進撃で一躍将棋界が脚光を浴びています。
こちらは六桃窯の将棋の駒土鈴です。

将棋の駒作りは山形・天童市が有名ですが、

それを土鈴として作ったのは福島・六桃窯の菊池さんです。

王将と飛車、飛車の裏側はちゃんと龍王になっています。

面白いのは龍が飛車を抱き込んでいる土鈴です。

駒は取り出せます。龍がすごくカラフルですね。

 

 

 


 

べろ長土鈴です。

べろ長にまつわる民話をご紹介します。

べろ長とはその名の通り舌のとても長い妖怪です。

猪苗代湖の水を飲みほして干ばつ被害を引き起こしたり

飲み干した水を吐き出して大洪水をおこしたりして

人々を大変困らせていた妖怪です。

ある時たまたまこの地を通りかかった弘法大師は

べろ長の長い舌を縄で縛りあげ二度と悪さをしないように懲らしめました。

以来会津の人々は安心して暮らせるようになったというお話です。










福島の伝統的な土鈴まさるです。

竹弓に埴鈴を通し先に幟旗のように旗を付けたお正月の縁起物です。

福島市内の稲荷神社や羽黒神社、郡山市如宝寺の祭礼に売られます。

「去年に勝る福まさる、買ってがんしょ、福まさる」と呼び声が飛び交う中

「魔去る」の縁起物が売られるそうです。

竹弓の先からコロコロ鈴音を鳴らしながら埴鈴が降りて来ます。

 

 

 

福島にはご紹介したい土鈴がたくさんあります。

ブログではほんの一部しかご紹介できませんでした。

どうぞ土鈴館にお越しになって実際の音色などお確かめください。

 

    日本土鈴館

 

土鈴になった日本むかし話

  • 2017.08.10 Thursday
  • 11:31

皆さまこんにちは

京都は古くから沢山の土鈴が作られた土地柄です。

神社仏閣も多く、授与鈴もたくさんありますし、

日本を代表する伏見人形を生み出した地ですから、

意匠を凝らした美しい土鈴も様々あります。


そんな中でもちょっと面白いのが洛趣舎・なかにし制作の日本むかし話シリーズです。

何年か前のブログでも取り上げましたが

今回はインスタグラムでご紹介した記事をまとめてみました。

「むかしむかし〜」で始まるお伽話の一場面を土鈴にして再現してあります。
童心に帰ってむかし話を懐かしく思い出してください。




むかし話シリーズ最初は瘤とり爺さんです。

雨宿りをしていて偶然鬼の酒盛りを見て、ついつい浮かれて踊りだした踊り上手の瘤爺さん。

鬼にまた来いよ!と瘤を質草に取られ大喜びです。

それを羨ましく思ったもう1人の瘤爺さん。

恐る恐る鬼の酒盛りに行って踊りましたが踊り下手です。

もう来るな!と瘤を返され両頬に瘤を持つハメに。

でも、この瘤爺さん、すごく気の毒に思えます。






さるかに合戦です。

お話の筋書は因果応報、自分で蒔いた種ということです。

このむかし話で、私が知らなかった事がありました。

渋柿を投げつけられたカニは子供を産んでから死んでしまい、

その子ガニが母の敵討ちをしたとは知りませんでした。

子ガニを手伝ったのが、栗どん、蜂どん、臼どんは知っていましたが、

なんと牛糞どんも仲間で慌てた猿を滑って転ばせる役割だったとか。

そこに臼どんが屋根から飛び降り猿は圧死してしまったというお話でした。

猿はごめんなさいと謝って許されたと思っていました。

まさに因果応報ですね。
 

 









舌切り雀です。どんなお話かは言うまでもなくよく知られたお話です。

むかし話には優しいお爺さんと強欲なお婆さんと言う設定が多い気がします。

逆でもいいのに、とも思いますが、雀のおチョンが愛らしい女の子なので、

お婆さんにはヤキモチ焼きの悪役が回ってきたのかと納得します。

つづらの大小も、強欲と言えばそれまでですが、

何か貰えるなら良いものが欲しいと言う誰にでもある欲望のひとつかな、とも思います。

お爺さんは重いつづらを運ぶのが面倒だったけど、

お婆さんは頑張って担いでお爺さんの待つ家に帰ろうとしたのかも…

と妙にお婆さん贔屓なのは、私も大きなつづらを選びそうだからです。


 

 




童謡にもなっている一寸法師です。

御伽草子の話が元になって伝えられた有名なむかし話ですね。

しかしこんな怖いお話も……

一寸は約3センチ、老父母はちっとも大きくならない息子を気味悪がったので

一寸法師は家出をし、京の宰相の屋敷に入り込み、その娘に一目惚れしました。

しかし相手にされないので悪巧みをします。

寝ている娘の口元にお供えの米を散らかし、空袋を手にわんわん泣き真似をして、

大事な蓄えの米を娘に盗られたと騒ぎました。

宰相殿は娘を罰しようとし、一寸法師は娘と一緒にお屋敷を出ました。

2人で彷徨って流れ着いた気味の悪い島は鬼だらけ。

一寸法師は鬼の目に入り込んで針の刀でチクチク刺して鬼を退治し、

鬼の忘れた打ち出の小槌で大きな身体になりました。

「えっ、一寸法師、悪い奴じゃん??」って思いました。
 

 

 





かちかち山です。

かちかち山のモデルは山梨県の天上山、

ウサギが木舟、タヌキが泥舟を漕いで、

タヌキが沈んでいった場所が河口湖だと言われているそうです。

カチカチ山ロープウェイなる観光施設もあるそうです。

むかし話はサラッと話してしまうとただのお話ですが、実は残酷なお話が多いようです。

カチカチ山も、お爺さんは捕らえたタヌキをタヌキ汁にするようお婆さんに言いつけ、

タヌキはお婆さんを騙してババア汁(失礼?)をお爺さんに食べさせます。

ウサギも敵討ちとはいえ、大火傷を負わせ、傷口に辛子を塗りつけ、

最後は泥舟に乗せて溺死させてしまいます。

幼な子に話すには残酷なお話かもしれませんね。
 

 

 





狐の嫁入りです。

ネズミの嫁入りは知っていましたが、狐の嫁入り知りませんでした。

昔、日照りに苦しむ村人は龍神に生け贄を差し出して雨乞をしようと決めましたが、

誰も自分の娘は出したくありません。

そこで狐の村の村長を騙し、

働き者の竹蔵に娘に化けた狐を嫁入りさせようと持ちかけました。

狐村長の娘お紺は綺麗な娘の姿で嫁いできました。

竹蔵は綺麗なお紺が愛おしくなり、これは生け贄の罠だと告白しましたが、

お紺は薄々知っていたが前から竹蔵が好きだったから承知で来たと告げます。

雨乞の祝詞が済むと龍神が現れお紺を大池の中へ連れ去ってしまいました。

陽が差しているのに辺りには大粒の雨が降り竹蔵は悲しく生涯を送ったそうです。

お紺はもちろん竹蔵も可哀想です。

 

昔話とか童話とかには恐ろしい要素も入っていて

因果応報の教えが込められている場合が多いようです。

 

 

 

迷惑台風5号は各地に被害を及ぼして北上しました。

その影響もあるのでしょうか、

各地でスーパー猛暑と呼ばれる37度超えの厳しい暑さになっています。

 

水分補給と適度な冷房、十分な睡眠とお食事を心がけて

楽しい連休をお過ごしくださいませ。

 

  日本土鈴館

 

 

伝統こけし・遠刈田系

  • 2017.08.07 Monday
  • 11:15

皆さま、こんにちは

何日も迷走していた台風5号が日本を縦断しようとしています。

すでに深刻な被害も出ていて

これからも心配な状況が続きます。

どうぞ皆さま、充分ご注意くださいませ。

今日は土鈴館も戸締り等の確認が済み次第休館とさせていただきます。


 

 

さて、遠刈田系の伝統こけしのご紹介です。

 

宮城県遠刈田温泉を中心に作られています。

胴は円柱形で首のところで細くなります。

頭は胴に対して大きめで、頭頂に放射状の模様が描かれます。

胴模様にはかさね菊が描かれることが多く、

他には木目、桜くずし、梅などがあるそうです。

差し込み式の構造になっています。

 





大森久一工人 作(1尺)

昭和7年生まれの工人の作品です。

円柱形の胴、大きめの頭、頭頂部の模様、かさね菊…

遠刈田系の特徴がよくわかります。

大森工人は昭和40年頃から伝統こけしを本格的に作り、

佐藤吉弥・哲郎親子の作風をしっかり伝承されたとの解説をよみました。

素人目にも、こけしらしいこけしだなあと思います。





佐藤勝洋工人 作(8寸)

昭和19年生まれの工人さんです。

師匠であり父である佐藤護工人の型を写したとの解説を読みましたが

似てるようでちょっと違うような…

大きく弧を描く眉と目、すごく離れていて愛嬌があり、優しい表情に見えます。





小笠原義雄工人 作(1尺)

昭和11年生れの工人さん44歳の作品です。

墨の濃淡だけで彩色され、ただ一点、唇が朱色で描かれていて引き立ちます。

赤や緑、黒で華やかに彩色されたこけしもいいですが

このようにまるで墨絵のように描かれたこけしも味わいがあります。

 

 

 

 

 

 

与名本豊工人 作(6寸)

昭和9年生まれの工人さんです。

佐藤吉之助工人のお弟子さんの一人です。

胴より大きめに頭、頭頂部の赤い放射状の模様、

円柱形の胴とかさね菊の胴模様。

素人の私にもわかりやすいです。

 

 

 

 




佐藤照雄工人 作(4寸5分)
大正8年生まれの工人さんです。師匠は佐藤静助工人です。

緑の葉が褪色していますが、

裾に描かれた一輪の梅やお顔、襟元などは鮮やかに残っています。

 

 

 

 

 




佐藤三蔵工人 作(4寸5分)
大正14年生まれの工人さんで、先の照雄工人の弟さんです。

三蔵工人は父豊治工人を師匠として修行しました。

豊治型と言われる師匠の型の復元に力を注ぎました。

兄弟の同寸、ともに古型のこけしの見比べも興味深いものです。

 

 

 

 

 

 

今日は遠刈田系の伝統こけしをご紹介しました。

 

 

華やかな感じがするこけしが多かったように思います。

 

  日本土鈴館

 

山形の土鈴と8月のお知らせ

  • 2017.08.02 Wednesday
  • 12:14

皆さま、こんにちは

もう8月、ずいぶん早く一年が過ぎていくような気がします。

 

先日は多くの皆様に極上!お宝サロンを観て頂きましたが、

同じくBSジャパンの「空から日本を見てみようPLUS]さんからご連絡を頂きました。

この番組は、雲になったような気分で日本全国を空から訪れ、

気になったところを発見し、なぞ解きをしていくという空撮地理番組だそうです。

ナレーションは「くもじい」こと伊武雅刀さんと「くもみ」こと柳原可奈子さんです。

 

8月10日(木)と17日(木)の21:00〜21:55に

2週にわたって岐阜県関市〜美濃市〜郡上市〜白川村を特集するそうです。

 

今回はメールでの簡単な打ち合わせや資料写真の提供のみでしたから

ほんの一瞬の紹介と思いますが、一応ご報告いたします。

この機会に岐阜県の観光スポットを雲になってご覧いただくのも楽しいかと存じます。


 

 

 


さて、今日ご紹介するのは山形の土鈴です。

      

ちょっと見たら不思議な土鈴ですね。

秋之野窯のはんこたんな鈴といいます。

お宝サロンでも紹介されていましたね。

庄内平野に広がる豊かな田畑で働く女性達は、

昔から日よけや虫よけなどの為にすっぽりと黒い布で顔を覆い、

目だけを出して農作業をする風習がありました。

単純な形、彩色ですが山形の風土から生まれた土鈴です。

 

 



    

髪に一輪の花・紅花を挿した紅花娘鈴です。秋之野窯の土鈴です。

紅花は山形県の県花で、古くから生薬や紅花油、化粧品などに利用されてきました。

素朴な土鈴です。

 

 



     

紅花の山形路土鈴にも、紅花娘が描かれています。

実は山形は土鈴の少ない地域の為ご紹介する土鈴があまり多くありませんでした。

 

 

 

夏休みや帰省などお出かけの多くなる季節です。

今年から土鈴館は不定休となりましたので

開館しているかどうかなど電話でお確かめくださいますようお願いいたします。

   TEL:0575−82−5090

  (8月11日から17日までメールでの応対ができません)

 

また、日本土鈴館は入場無料としていますが

全国の土鈴や郷土玩具などは以前のように販売いたしております。

ご来館の思い出にお求め頂ければと存じます。

     日本土鈴館

 

伝統こけし・作並系

  • 2017.07.28 Friday
  • 10:47

皆さま、こんにちは


今日は作並系の伝統こけしをご紹介します。

 

ここでは山形作並系(山形系と作並系に分ける場合もあります)を作並系とします。

宮城県の作並温泉や山形市で作られる伝統こけしです。

ちょっと見たところ遠刈田系のようですが、一般に胴が細くなっています。

頭部には輪のようになった赤い飾りと黒髪が描かれます。

胴模様は、作並は菊、山形は梅が描かれることが多いそうです。

差し込み式の構造になっています。

 

 

 

 

平賀謙次郎工人 作(6寸)

大正7年生れの工人さんで50歳の時の作品です。

師匠であり父の謙蔵工人の型を再現したものとのことです。

胴模様の緑が抜けて残念ですが、

やや下がり気味の目尻や小さな口がお顔の輪郭に合っていて優しい感じがします







武田正志工人 作(8寸・1尺2寸)

昭和5年生れの工人さんです。

胴模様よ〜く見て下さい。

梅の花が三輪、周りに松の枝や竹の葉が描かれ

そして梅の花の花芯には上から「松・竹・梅」の文字があります。

胴模様は松竹梅のおめでたいデザインになっています。

洒落ていますね!

 

 

 

 

 

小林清次郎工人 作(7寸5分)

大正7年生まれの工人さんです。山形系を代表する工人のお一人です。

木地挽きを家業とする小林家に生まれ、

戦後特に古作の復元に力を注いだ工人さんです。

2015年98歳でお亡くなりになりました。

 

 




 

阿部正義工人 作(7寸)

昭和14年生まれの山形系の工人さんです。

師匠は小林清次郎工人です。

頭頂の模様、目鼻の描き方など先の小林工人の作品と見比べると面白いですね。





 

鈴木昭二工人 作(8寸)

木地業の家に生まれた昭二工人は父の清工人のもとで修業しました。

戦後しばら新型こけしを作っていましたが

昭和30年ごろから伝統こけしの製作を始めました。

昭二工人の三男明工人も同じように父に倣って木地を学び

鈴木清・昭二・明と系統が伝承されているそうです。

 

 

伝統こけしは奥が深いだけにハマると大変そうです.

蒸し暑い日々ですが、皆様どうぞご自愛くださいませ。

 

 

   日本土鈴館

郷土玩具と牛

  • 2017.07.24 Monday
  • 13:15

皆さま こんにちは

 

昨晩のBSジャパン「極上!お宝サロン」を多くの方々にご覧頂き

またたくさんのご連絡をお寄せ頂きまして

誠にありがとうございました。

 

土鈴館での撮影や東京のスタジオでの収録などを重ねましたが

実際どのように編集され放送されるのか、館長も気になっていたようです。

 

実際に拝見して、長く時間をとって頂いていたことや

コレクターとしての館長の思いや情熱がそのまま伝えられていたことなど

本当にありがたく嬉しく思っています。

 

皆さまから寄せられるコメントやメールで

益々館長も元気に、毎日館内を歩き回ると存じます。

本当にありがとうございました。感謝いたします。



 


さて、今日は牛に絞って日本各地の土鈴や郷土玩具を巡ってみたいと思います。



出雲今市土人形・島根 牛乗り天神です。

天神様と牛は切っても切れない関係ですね。

出雲張子の牛乗り天神は今市人形の古い型を利用して作られるので

重厚で気品あるものとなっているそうです。写真はは張子ではなく土人形です。

 

 

 





岩手花巻土人形・ 平賀章一さんの寝牛土鈴です。

平賀さん特有の花模様で飾られて可愛らしい寝牛です。

平賀さんが亡くなられてからは奥様が後を継がれているそうです。

 

 

 

 

 

 




福島 会津張子の赤べこです。

写真の大きな赤べこの腹には旧型と覚書のシールが貼ってありました。

背中の線の色や数、ツノの形や胴のまる模様など、

微妙に違いがありますがどちらも首振りの赤べこです。

 

 

 

 




花巻の黄金牛です。

岩手 南部地方は以前金が盛んに採掘されていました。

お大尽が砂金で牛を作って家宝にしたという逸話を元に作られた木製の郷土玩具です。

昭和36年の年賀切手のモデルになりました。

 

 

 



 

愛媛宇和島の横綱牛です。

闘牛は宇和島に古くから伝わる文化です。

元々は農耕用に強い牛が必要で牛の角突きをさせていました。

小さな農村にもそれぞれ闘牛場が設けられていたそうです。

戦後は観光のお土産として堂々とした立派な黒牛が作られるようになりました。

直截的な体躯に太い紅白の胴飾りが映えます。






 

岩手・花巻の俵牛です。

花巻地方では昔から豊作の年には牛の背に錦の鞍を置き

米俵3俵を乗せてお祝いし、天皇家に献上する習わしがあったそうです。

刈り入れ前に藁で牛を作り神前に供えて豊作を祈願しました。

昭和の初め頃から縁起物のお土産として人気がありました。

 

 






沖縄張り子の首振りの牛です。

沖縄張子はかつて50種ほどの人形やお面があったそうですが、

戦災で殆ど焼失してしまいました。

昭和30年代に一部が復活しました。

特徴的な彩色が施され、 南の国を感じさせるゆったりした牛の張り子です。

 

 






岡山・作州牛です。竹で出来た首振りの牛です。

作州牛は中国地方の山間部で飼育される力強い牛です。

竹細工で単純な作りの郷土玩具ですが竹材の特質をよく利用した美しい牛です。
昭和60年記念切手のモデルになりました。

 

 

日本中にある牛の郷土玩具、いかがでしたか。

身近にあるもので大切な牛の人形を作って愛おしんできたことがよくわかりました。

農民にとって家族同然だった牛、

天神様の御使いとして時に信仰の対象ともなった牛の郷土玩具のご紹介でした。

 

  日本土鈴館

伝統こけし・南部系

  • 2017.07.19 Wednesday
  • 09:40

皆さまこんにちは


今度の日曜日、極上!お宝サロンの放送日です。

どんな編集になっているのか楽しみです。

BSジャパン(7チャンネル)21:00〜21:54です。




収録が済みホッとしたところでの記念撮影です。

 

 

 

 


さて、今日は伝統こけし・南部系のご紹介です。

盛岡市や花巻市を中心とした地域で作られます。

 

頭は比較的小さく、胴は直胴、くびれ、中央のふくらんだものなと様々です。
元々は顔や胴模様を描かず白木(アオハダなどの良材)を使い、

はめ込み式で頭がくらくら動きます。

キナキナとかキックラボッコなどと呼ばれます。
鳴子や遠刈田の影響を受け、描彩されるようになりました。







左:花巻・煤孫実太郎工人(明治41年生まれ) 作(6寸)

右:煤孫盛造工人(昭和25年生まれ) 作(6寸)
白の帯付きキナキナです。

幼子の手に合うよう胴が中央でくびれて細くなっています。

頭はグラグラと動いておもちゃとして遊べます。

お二人は父子であり師匠と弟子でもあります。

父の実太郎工人はその父茂吉工人の弟子でした。

実太郎工人は茂吉工人の型を忠実に継承し盛造工人につなぎました。









佐藤長雄工人 作(9寸5分)大正15年うまれ。
黒いキナキナです。持って遊ぶには大きいので観賞用です。

長雄工人は花巻で工房を構えていましたが

鳴子系や遠刈田系の師匠についたため作品は純粋な南部系ではないとのことです。

花巻で遠刈田系の絵付けをし、頭はグラグラと動く独特のこけしを作ったそうです。




   

 

どちらも昭和8年生まれ、佐々木家9代目の佐々木覚平工人の作品です。

1尺と1尺2寸の大きなものです。

キナキナに轆轤線や胴模様が入っています。

ご先祖は花巻城家老職の家柄だそうです。

佐々木家に伝わる古作の復元に努め古い型のこけしを作られました。

残念ながら緑の褪色が進んでいます。

 

 




 

佐藤誠工人 作(6寸)

明治33年生まれの工人さんです。

本来弥治郎系の工人さんとされますが、花巻時代に作られたこけしです。






 

佐藤忠雄工人 作(8寸)

昭和14年生まれの工人さんです。

特徴的なお顔のこけしです。

頭はキナキナ式の嵌め込みになっています。

絵付けには遠刈田系の影響が良く出ているそうです。

 




 

松本鶴治工人 作 (5寸)

大正11年京都生まれの工人さんです。

花巻に移り住んでこけしの製作をされました。

その作風は個性的で(このこけしは違いますが)

クレオパトラ型などと呼ばれる絵付けをしました。

白くきめ細かいアオハダを使い頭はキナキナ式ですから南部系とされます。

底の署名は必ず「松鶴」と書かれました。







高橋金三工人 作(6寸)

大正12年生まれの工人さんです。

キナキナ式の頭で首がぐらぐら動きます。

ちょっと上目遣いで澄ました表情ですが、

頭部の彩色も胴模様も華やかなこけしです。

 

 

南部系のこけしの原点はキナキナにあるようです。

そして本来幼子のおしゃぶりとして作られた小さなキナキナが

大きくなったり彩色されたりしてこけしになっていったようです。

こけしって奥が深いですね。

 

   日本土鈴館

 

 

 

 

 

 

 

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>

お宝収蔵品販売はこちら

にほんブログ村

selected entries

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM